宅録ぼっちのおれが、あの天才美少女のゴーストライターになるなんて。 (角川スニーカー文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041116128

作品紹介・あらすじ

「小沼くんの曲、私に一つだけくれないかな?」ぼっちの小沼拓人はクラスの天才美少女シンガーソングライターの市川天音と秘密の関係に。歌えなくなってしまった彼女の再起をかけ、楽曲制作の日々が始まるのだが!?

感想・レビュー・書評

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  • 【電子】これは面白い。宅録ぼっちの小沼、歌えなくなった天才SSWの天音、作詞が趣味の吾妻、小沼の幼馴染でベーシストの波須。心のどこかに傷を抱えた4人が出会って始まる学園青春物語。バンド活動を通じて心が触れ合い、過去の傷が昇華していく。もちろん新しく傷を負うこともあるけれど、それだっていつかは青春の思い出となる。思春期を過ごす高校生の特権でしょう。喪失からの再起、そして自己の肯定。そんな少年少女の等身大の姿が爽やかに描かれる傑作でした。続きがあれば嬉しい限り。

  • 学園青春もので、結構よかった。
    どこか心に傷を持つ人たちが一緒にバンドを組み、新たな傷を負いつつも過去の傷を乗り越えてゆく話。最初は小さな傷から、徐々に大きな傷に向かって乗り越えてゆく様が、青春の雰囲気を存分に生かしながらうまく描かれていた。
    序盤の舞台設定の整え方は強引な印象も受けたが、ページ数の関係もあるし仕方のないところか。

  • 由緒正しい青春群像ジュブナイル文学。
    あー、ここにこう書いてあるってことは、お話の次の展開はこんな感じかなー……おっと、フェイントなし真正面から「こんな感じ」きたー、みたいな(伝われ)。
    齢をとって私みたいに本の読み方が捻くれてしまうと、つい「伏線が分かりやすすぎるかな?」みたいな感想を書きがちなんですが、こういう作品が、常に「現役世代」に向けた新しく瑞々しい物語として書き継がれることは重要なので、2021年のそういう一編に触れる機会を得られたことをありがたく感じています。

    ところで、選考方式の特性か、単なる偶然か、あるいは数ある中で私が手に取る作品の傾向がそうだというだけの話なのかも知れないけど……ライトノベルレーベルの新人賞を経たデビュー作は、登場人物の感情や感性を作者が上から目線で否定してみせたり、場合によっては重大な人権侵害を自業自得の体裁で肯定するといった内容を含む傾向がある。
    本作の場合は、重大な人権侵害といった問題のある描写ではないながらも一例として終盤289頁~290頁の語りにその特徴が見られ、ここで否定されることから逆算して(物語当初の)主人公の価値観を設定したような格好になっている。
    それは、該当する頁の下りで主人公が「決めつけ」だと自省していた行為そのものを作者がしていたことになるし、物語としては嫌な作り方だなぁ、などと思うわけです。
    もっとも、受賞作の第1巻でこういった表現が鼻についた作品でも、シリーズ化により徐々に軌道修正された前例は多い(※1)。
    洗練させていくのは2冊目から、みたいな考え方が編集者にあったりするのかなぁ、とか思ってます。

    ※1
    その中でも、屋久ユウキ『弱キャラ友崎くん』は、当初抱かせた不満に対して、物語の側からしっかりした回答を提示していた点で出色です

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