いきたくないのに出かけていく (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 393
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041116227

作品紹介・あらすじ

ずっといくのを避けていたインドでみつけた「書かれ続ける理由」、場所と時間だけを決めて友人と落ち合う香港のレストラン……通り一遍には答えられない旅をしてきた著者による書き下ろしあとがきも収録!

感想・レビュー・書評

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  • 旅行先で突然多幸感に
    包まれるのわかるなぁ。

    あの多幸感は、
    あれこれから放たれた
    解放感✕
    非日常のワクワク感✕
    何かで発動している?

    その何かとはなにか?

    あれもこれも食べたい、
    旅専用食欲か。

    知らない街の風景の中、
    不安と高揚のない交ぜ
    になった気分か。

    どんな条件で発動する
    のかわからないけど、
    多幸感がたしかにある。

    あー、旅行に行きたく
    なってきた・・・

  • ガッツリ旅行!って感じはなく、
    結構淡白な旅をされてる気がして、
    旅の楽しみ方って人それぞれだなぁと。
    余裕のある人の旅って感じでカッコいい。

  • 角田光代さんの本はかなり読んでいましたが、エッセイ?は初でした。
    マラソンしたり、アクティブな方だったんですね。
    旅先も独自の目線で素敵。
    旅行行きたくなりました。

  • 結構淡白に旅について書かれた本。
    好きなことのために好きじゃないランニングしてみたりとストイック。

  • ふらっと出かけてみたくなる、不思議な文章です。

  • 「いきたくないのに出かけていく」というタイトルだけでも
    惹かれてしまい、どんな理由でそんな思いになってしまうのかと
    読む前からワクワクしてしまいました。

    旅好きで40か国以上の旅をしている角田さんの様々な旅についての
    エピソードが沢山掲載されていて、訪れたことのない国々の事が
    事細かく描かれていたので楽しめました。

    旅といっても私的の観光で行ったり、仕事のために旅に出たりと
    様々なシーンで描かれているので、旅といっても私が想像しているような一般的な観光地を巡る旅ではなく、普通の人達があまり行かないような場所に出向いているのもまた興味深かったです。

    そしてこれ程沢山の国々を旅をしていますが、
    旅に出かけなくても運動の嫌いな角田さんが長年続けている
    ランニングをすることによって旅が身近に感じられるという感覚が、ランニングをしていない私も気持ちがよく分かりました。
    もしかしたらこの気持ちを持ちながら私もランニングを
    したら始めたら良いのかと思ってしまうくらいでした。
    この気付きがとても新鮮で勇気付けられました。
    これと同時に旅をすることで、愛着のある町、帰りたいと思う場所は、
    いくらでも作ることができるというのが発見できた
    というのも良いアイデアだと思いました。

    何だか旅が出来ずに窮屈な毎日を送ってきましたが、
    考え方一つ変えることによって狭い世界が広い世界にも
    思えるようになりました。

    旅好きにはそれぞれの目的がありますが、
    やっぱり角田さんといえば食エッセイを出版されている
    こともあり旅先での食事に関しても詳細に書かれているのでこれでも興味深く読めました。

    角田さんと近い世代のせいか、
    「恒例化の謎」、「見たくなる自然」、「川といっしょ」は
    普段私も思う所が多々あることが沢山書かれていたので、更に親近感が湧きました。

    よくインドに旅を出かけるというのは、
    自発的なものではなく、インドから呼ばれるようになる時に
    行くと良いと聞いたことがあったので、
    この作品の中でもインドのことが書かれていたので
    興味深く読みました。
    やっぱりこの地に着いたら、日本どころか他国と比べても
    全然違う神の存在をまざまざと見るような神聖なる場所を見る感じなるのだろうと思いました。
    仕事の取材であったとしても何度もインドに呼ばれるということは何かしら角田さんに影響があるのかなとも思えました。

    ただ旅の事を書いているのではなく、
    大人の旅をするような味わい深さが
    沢山詰まった一冊で楽しめました。

  • "インドの不変は、遺跡や建築物ではない、生きている人が生み出している、生活からはみ出してくる何かだ。"

    メキシコ。
    "かたちのあるものを見ながら、かたちのないものをより強く感じる。"

    "未知の土地を、小説を手に旅するのもいいけれど、かつて旅した場所を、読むことでさらに濃く度するのもおもしろいのだと知った。旅して言葉にならなかった感覚が、やっと理解できることもある。"
    赤毛のアンが、まさに。

    "非日常的な貧しさを求めるような旅"
    バイコロ旅だ

  • 角田さんのこの手のエッセイが好きです。
    心配性で憧れはあってもひとり旅をする事ができない、ましてや海外なんてなかなか…。とびびってる私にはすごい冒険ですが、読むと私もデビューしてみるか?と思わせられます(笑)
    海外に行ったら日本食は食べないというのは何となくわかるー。

  • 旅をしたくもなるし、走りたくなる本です。走るのは嫌だ嫌だと言いながら、旅先でも走っているのは素敵だなって。

  • 角田さんのことがもっと好きになった。
    とても繊細な心の持ち主なのだろう。たとえば、幾度となく出てくるランニングの習慣について。「春先や秋は、気持ちがいいなあと思うこともあるが、たのしい、なんて思ったことがない」(「旅の恩恵」より)とある。はっとした。気持ちがいいということとたのしいということの境目ってかなり曖昧で、心が鈍い状態だと無意識的に同じものとして受け入れてしまいそうな気がするのだけど、角田さんはそこをきちんと見極められる人なのだ。
    肩肘張らない文体はほんとうにそのまま、角田さんの魅力だと思う。「旅エッセイ」という括りに入れてしまうのがもったいないほど、唯一無二の、等身大の角田さんと対話している気持ちになれる一冊だった。

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著者プロフィール

1967年、神奈川県生まれ。90年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。著書に『対岸の彼女』(直木賞)、『八日目の蝉』(中央公論文芸賞)、『紙の月』(柴田錬三郎賞)など多数。

「2020年 『『源氏物語』完結記念 限定箱入り 全三巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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