ことことこーこ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 67
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041116234

作品紹介・あらすじ

離婚して老父母の暮らす実家に戻った香子。専業主婦を卒業し、フードコーディネーターとしての新たな人生を歩み出した矢先、母・琴子に認知症の症状が表れはじめる。弟夫婦は頼りにならず、仕事も介護も失敗つづき。琴子の昔の料理ノートにヒントをもらい、ようやく手応えを感じた出張の帰り道、弟から「母さんが見つからない」と連絡があり……。

年とともに変わりゆく親子の関係を、ユーモアと人情たっぷりに描き出す長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 結婚10年目に離婚し、実家に帰った香子。

    フードコーディネーターとして少しずつ仕事を始めた矢先、母の認知症がわかり…。

    認知症になれば、あれよあれよといううちに次々と問題が起きてくる。

    確かに2人だけの生活で仕事もしなければ…と思うと
    すべてがうまく回るわけがない。

    だができない、やれない、無理だわ、というよりもなんだか面白く楽しく描かれているので悲壮感なくサラリと読めた。

  • 『ことことこーこ』
    一見どういう意味?と思えるこのタイトル。
    琴子と香子という親子の物語。

    離婚して実家に戻った香子は、父親から「母さんがボケた」と聞かされます。まだ72歳。そんなわけないでしょう、と気楽に構えているも、次々と母の琴子は聞いたことを忘れ、どこにしまったかを忘れ、色んなことを忘れていってしまうのです。

    フリーでフードコーディネーターの仕事が入るようになるも、ある日、出張で弟家族の家に琴子を預けたところ、目を離したすきに母親は夫が亡くなったのを忘れ「もう夕方!ご飯の支度をしなければ。家に帰らなくちゃ」と家を出て、迷子(徘徊)になり、警察を巻き込んでの大騒ぎに。

    弟に施設に入居させたらどうだろう、と話を持ち掛けられますが、香子は反対。母さんは私がみるから!と母との二人暮らしを続けます。
    母親を一人にできないから、と自分のしたい仕事が好きなようにできず、介護を一人で抱え込んでいく様子が、とても読んでいてつらかったです。
    母の琴子も、忘れてもあっけらかんとしているのが何だか不自然、と思っていたら、やっぱり色んなことを忘れていく自分に気づき、情けなさと不安を抱えていることが後に分かります。

    フードコーディネートの仕事仲間や弟家族、気の置けない友人など周囲のいろんな人たちが協力してサポートしていく姿も良かった。
    こんな気さくな頼りになる人たちが周りにいたら、介護負担も減るんだろうな、と思います。

    介護はやはり、一人で抱え込んでは八方ふさがりになって行き詰まる、介護は社会皆で少しずつ支えていくものなのかな、と感じました。

  • 阿川さんの文章って、どこかしらユーモアがあって好きです。この小説の主人公のように認知症の母親または父親を介護されている方々に読んでいただきたい。阿川さんがあとがきで書かれているように、もし本人が過去の記憶を失っても日々を楽しく面白がっているのなら家族も一緒に笑って暮らすことです。そうしないと家族のほうが精神的にまいってしまいます。実は私も介護経験者。
    やはり気持ちが塞ぎがちでした。

  • まさに、母が呆けた!と言える状況になってきた。母はいつまでも母であるが、私を本当にわからなくなる時が来ることを覚悟しなければと思いつつ読みました。色々頑張ろ。

  • ふむ

  • これは本当に大変だし、切なくて悲しいだろうと思うけれど、母を愛おしいと思う瞬間もあることに、羨ましくも感じた。あまりにも突然逝ってしまった母と私には、このような時間はなかった。

  • ふうーんって感じで、サラサラ読んだ。
    結婚10年で離婚かぁ。自分が前向きに夢に向かっている、そういうタイミングで、不穏な空気も同時にやって来るのかもなあって思った。
    出戻っても、弟は実家から出てるし、結果的に良かったんじゃないかと思った。
    とはいえ、昔は仲良かった義妹との関係は、何か気まずさが伝わった。お互いね。
    認知症の親を介護すること。もしかしてと頭の片隅にないことはないけれど、まだ他人事な自分がいる。きっと私もおこりんぼになりそうで怖い。お母さんがボケていきながら、その事を自覚し、娘を心配する様子に、ジーンと来た。
    自分だったら、それに気づくことができるだろうか。
    いろんな部分に、うっすら共感をしつつ、現実を突きつけられる物語だった。

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著者プロフィール

阿川佐和子

一九五三年、東京生まれ。慶應義塾大学文学部西洋史学科卒。エッセイスト、作家。九九年、檀ふみとの往復エッセイ『ああ言えばこう食う』で講談社エッセイ賞、二〇〇〇年、『ウメ子』で坪田譲治文学賞、〇八年、『婚約のあとで』で島清恋愛文学賞を受賞。一二年、『聞く力――心をひらく35のヒント』がミリオンセラーとなった。一四年、菊池寛賞を受賞。最近の著書に、『ことことこーこ』『老人初心者の覚悟』『アガワ家の危ない食卓』など。

「2022年 『ないものねだるな』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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