カラスの祈り 警視庁53教場 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 98
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041116272

作品紹介・あらすじ

捜査一課の転属を断り警察学校に残った五味は、窮地に立たされていた。元凶は一昨年に卒業を認めなかった“あの男”――。信念を貫き通した結果ではあったが、家庭でも教場でも綻びが生じ始めていた。解決策を見出せずにいる中、法務省矯正局から特任教授の赤木が着任する。彼女の働きかけによって状況は少しずつ動き出すが……。53教場最大のピンチに歴代卒業生も全員集合! 驚愕の結末に息を呑む、人気シリーズ第5弾。

感想・レビュー・書評

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  • 吉川英梨『カラスの祈り 警視庁53教場』角川文庫。

    シリーズ第5弾。長岡弘樹の『教場』シリーズの主人公・風間公親が教え子の全員の粗を暴こうとする鬼ならば、本作の主人公・五味京介は教え子に手を付ける超の付く軟派だろう。『十三階の女』でリミッターを外した吉川英梨がこのシリーズもハードなストーリーに変貌させようとしていると期待したのだが……

    五味京介と高杉哲也が卒業を認めず、やむを得ず警察学校に監禁している1300期五味教場の深川翼を巡り、五味と高杉は窮地に立たされる。深川の父親が法務省矯正局から警察学校の特認教授としてキャリアの赤木倫子を送り込んで来たのだ。警察上層部が深川の数々の強姦事件を隠蔽しようとしたことがさらなる悲劇を産み……

    本体価格760円
    ★★★

  • シリーズ5作目。
    前作で強姦シーンが多く、辟易していることを感想に書いたが、その加害者である53教場の生徒・深川とのその後が描かれる。
    深川がいた1300期生が去って、1年半。
    捜査一課に戻ることなく、1317期の教場を受け持っていた五味は同時に警察権力によって、逮捕することも出来ない深川の矯正とも向き合っていた。
    これまでと違い、教場を受け持っているとは言え、教場の様子を描く場面は少な目で、深川を逮捕する為に、妻となった綾乃を始め、53教場の卒業生たちは深川の余罪の捜査を自分たちの仕事の他に並行して行っていた。
    一方五味は、矯正プログラムの為に法務省からやってきた赤木倫子と共に深川の心の闇と闘っていた。
    五味を侮辱する深川の言葉の数々は、読んでいて、五味だけでなく、読者さえ心をやられるほどの嫌悪感。
    警察物でありながら、どこか軽さの残る作風がこの作者さんのオリジナリティだが、気分が悪くて、初めて途中で読むのを止めようかと思ったほど。
    実際、これまでの五味のかっこよさは微塵もなく、疲弊し、娘の結衣の受験料の支払いを忘れ、綾乃の妊娠にも気づかず、挙句の果てには担当している教場の生徒の異変にも気づかず、読んでいて、こちらも苦しくなる。
    それでも、作者はまだ深川の性的な犯行を赤裸々に描き続ける。
    何度も何度も女性だったら、目を背けたくなるシーンを…
    逃げ出そうとする五味だったが、だんだんと深川の気持ちに心から寄り添うことで、深川の子供の頃に受けていた想像もつかない心の傷を見つける。
    そして、決して心を開かず、矯正は難しいと思われた深川の心を開く。
    「正義の翼」から「カラスの祈り」
    一見、安易なタイトルにここまでの意味が込められているとは…
    女性の作家さんなのに、何故、ここまで性的な犯罪を描くのだろう、とずっと思ってきた。
    今作を読み終えても、その謎は残るが、加害者もまた誰かの被害者であることもある。その被害が憎悪に変わり、加害者になる。
    性的な被害でなくても、あてはまるのではないかと考えさせられた。
    1つの事件を諦めずに向き合うことを「雨に消えた向日葵」と言う単独の作品で描いていた。今作は53教場シリーズでありながら、「雨に~」にも見えた作者の魂のようなものも感じた。
    ずっと「軽いノリが嫌い」と言い続けてきたが、今作は泣くのを我慢した。
    今作を超えて、さらにパワーアップした五味教場が読めることを楽しみにしたい。

  • 捜査一課の転属を断り警察学校に残った五味は、窮地に立たされていた。元凶は一昨年に卒業を認めなかった“あの男”――。信念を貫き通した結果ではあったが、家庭でも教場でも綻びが生じ始めていた。解決策を見出せずにいる中、法務省矯正局から特任教授の赤木が着任する。彼女の働きかけによって状況は少しずつ動き出すが……。

    シリーズ第5作。前作「正義の翼」の続きなので、読む順番を間違えないように。

  • 捜査一課の転属を断り警察学校に残った五味は、窮地に立たされていた。元凶は一昨年に卒業を認めなかった“あの男”――。信念を貫き通した結果ではあったが、家庭でも教場でも綻びが生じ始めていた。解決策を見出せずにいる中、法務省矯正局から特任教授の赤木が着任する。彼女の働きかけによって状況は少しずつ動き出すが……。53教場最大のピンチに歴代卒業生も全員集合! 驚愕の結末に息を呑む。

  • 色んな要素がテンコ盛り過ぎる53教場シリーズ第5弾。吉川氏がサービス精神旺盛なのは十分承知しているが、ここまで事件を増やさなくても楽しめます。ひとつの主題でじっくり掘り下げた本格ミステリーも読んでみたい。このシリーズもハラマキシリーズのように続くのかな。

  • テレビドラマでキムタクが演じていた教場
    シリーズだが、こんかいは過去のしりぬぐ
    いばかりで良いところが無いので残念
    ラストにどんでん返しを仕掛けるのは吉川
    英梨先生なので予想していた(^^)/
    (当てたとは言ってない)

  • 久しぶりの五味さん
    第5作目

    警察学校、五味さんのプライベート、過去の事件などなど読みどころがたくさん
    前半は五味さんが心配で苦しかった
    後半は一気読み
    すっきりした

    次回シリーズはないのかな?
    ★4.5
    吉川英梨さんはハズレなし

    いつも★4と5と迷って、私的に最高傑作!の★5以外は一律★4になってしまう
    過去の自分の評価をみるとコレとコレが同じか?と思うこともある
    その時の評価だからと思ってそのままにしている

  • 01月-07。3.5点。
    53教場シリーズ。前作からの続編。
    前作の事件で、寮の一室に監禁した人物。その件、家庭の件、娘の受験で手一杯となる五味。

    胸糞悪い記述が続くが、後半で持ち直し。矯正官が良かった。

  • またしても一気読み。
    そして、喪失感。
    もう、本当に、良かった…。
    (シリーズが終わってしまうなんて、信じられない!)

    翼の言葉がグサリ。
    五味と綾乃の子どもなんて最高じゃん。うん、私も思う。最高。
    しかも結依がいるから最高どころか最強。

    やはりさいごは五味の深い愛が深川を救った。そう思いたい。
    「俺にとって翼はお前ひとりだ」って、嬉しすぎるよな。
    この言葉だけで生きていける。

    フィクションだけど、めちゃくちゃ感情移入して、登場人物たちを応援しちゃう。
    これからも誠実に生きていってと。

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著者プロフィール

1977年、埼玉県生まれ。2008年『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞しデビュー。警察小説のシリーズ作品を多く執筆し、著書に、「警視庁53教場」「警部補・原麻希」「新東京水上警察」「十三階」「海蝶」各シリーズ、『葬送学者R.I.P.』『ハイエナ 警視庁捜査二課 本城仁一』『雨に消えた向日葵』『ブラッド・ロンダリング』『新宿特別区警察署 Lの捜査官』『感染捜査』など多数。

「2022年 『海の教場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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