カタリゴト 帝都宵闇伝奇譚 (角川ホラー文庫)

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  • KADOKAWA (2024年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041116364

作品紹介・あらすじ

世は大正。
華族・堀井三左衛門男爵が何者かに殺された。
“華族殺し”を追うコロシ専門の探偵・平島元雪はある日、
美しい年少浪曲師・真鶸亭湖月と出会う。
噂の怪人“ムカデ伯爵”と車中から突如消えたバスガール、堀井邸に現れる“黄金幽霊の首”の謎……次々と難事件に直面する平島。
湖月は僅かな手がかりと各地の伝承をもとに、奇想天外な物語〈カタリゴト〉を繰り広げ、さらに道理の縄で括り上げていく――
その結末は全くの嘘偽りか、それとも事件の真相か? 

驚愕連発の怪奇事件簿、開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 柴田勝家さんの小説は個人的に三冊目!
    今までは短編集しか読んだ事がなかったので長編もいけるって感じです!

    舞台は大正時代なのですが、大正という時代は未だ江戸時代の名残を残し、戦後の現代の前の最後の近代と言うのでしょうか、日本でありながら異国情緒あふれる感じが何故か異世界感を生み出しているような気がします!

    華族殺しが起きる!
    その事件を追う探偵の平島は、ある日年少の浪曲師と出会う!
    その浪曲師は、客から三つのお題をもらい、全く関連の無いお題に一本の筋を通して一つの物語にする『カタリゴト』を芸としていた!
    平島は請け負った猫探しを解決するため浪曲師の力を借りる事に・・・

    大正浪漫探偵小説!
    ぜひシリーズ化して欲しい!!!!


    本書を読んでいる時、子供から歴史の問題を出されました。

    織田信長の片腕として仕えた猛将で、信長の死後秀吉に敗れた武将は?

    と出されたので、ブックカバーを外して背表紙を見せたら手品を見た時のように驚いていました!

  • 角川ホラー文庫から刊行されていますが、ホラーではないですね。大正期の帝都東京を舞台にしたミステリーで、主人公の自称探偵が集めた情報を、街頭で芸事をする謎の美少年がストーリーに仕立てて整理する。そんな流れで進みます。
    この美少年浪曲師である湖月くんのキャラがいい。蠱惑的な面を見せたかと思えば、街頭で行き倒れてたりもする。いい距離間を保ってるキャラです。シリーズ化して、将来的にアニメ化までいくといいなぁ。

  • おもしろい!

    大正時代。
    口下手な平島元雪は華族の地位を捨て探偵に。
    憧れていた堀井男爵の死に関する真犯人を見つけることを望んでいる。
    しかし探偵としての仕事は、事件とは程遠い猫探し。
    そんな時、真鶸亭湖月と出会い、ファンになる。
    14.5歳に見える年少の浪花師は、惚れ惚れする語り口調で人々を魅了していた。

    この芸人の語りごととしての短い話が、一本の線となり繋がる。

    華族や財閥の歴史に興味が出ました。
    元雪と湖月と、その友人キャラ達も魅力的。

    シリーズ化してほしい。
    読みます!

  • 初めて読む作家さん柴田勝家のミステリー小説!

    時代設定が現代ではなく大正ってところがまた良い!

    妖艶で魅力的なキャラクター湖月を筆頭に今まで読んだ事ありそうで無かった展開であった。

    少々難解で分かりにくいところが唯一の欠点・・・

  • 悪人とはなんだろう?

  •  大正時代の帝都で探偵・平島と美しい年少浪曲師・湖月が、『ムカデ伯爵』『黄金幽霊の首』などの怪奇事件を僅かな手がかりと各地の伝承下敷きにした『カタリゴト』として講談調に仕立てて真相へ導く話と、推しとファンである二人の関係性も面白かった。

  •  連作短篇集。柴田さんの本は以前、熊楠や乱歩らが北一輝らと対決する『ヒト夜の永い夢』(2019年)を手に取ったことがある。本書『カタリゴト』は、大正二年(1913年)頃の駿河台近辺を主な舞台に、元華族の自称探偵と十代の美しい芸人が街を駆け回るミステリ。江戸末期から昭和にかけての社会史的な蘊蓄と講談調の文体、下品と可憐の境目を綱渡りするような台詞回しが披露され、なんとも心地よい。第一話から第三話までに点在する伏線が第四話で綺麗に回収されていくのも見事。二人の関係、この時代においては前途多難だろうけれども、実ってほしいなあ。

  • おもしろい。大正の帝都東京を舞台とした怪奇事件簿。

    ゾンビとして蘇える新潟の庄屋、怪しいムカデ伯爵、消えたバスガール、宙を舞う幽霊、消えた黄金、巌窟王の伝説、これらの真相はいかに。

    美しい年少浪曲師が語るリズミカルな創作話、大正の華やかな空気感が作り出す独特な世界観、幻想怪奇な雰囲気が楽しい。

  • 設定として面白いなと思った。
    読んでてこれはカタリゴトなのか、はたまた現実なのかちょっと分からなくなる時があった。世にも奇妙…

  • 大正時代を舞台にした、ちょっと変わったミステリ。
    元華族の青年がコロシ専門の私立探偵を目指している途上で、中性的な年少の浪曲師と出逢い、その浪曲師が3つのお題から物語を語るカタリゴトを行うことで、謎が解けていきます。
    語りと騙り、推理か虚構か。
    やかて主人公は、華族殺しの事件に挑んでいくことになるのですが…。
    全4話で各話に関連はないのかと思いきや、最後の話で全ての話が繋がるというお見事な構成でした。
    読む前は怪異的なものでも出てくる話かと思いましたが、そのようなことはなく、事件そのものは現実的なものでした。
    キャラの立った登場人物もいて、続編があって話が増えさえすれば、アニメ化しそうな作品だと思いました。

  • 口下手な探偵が抱えていたちょっとした謎を、事件を、性別年齢不詳の浪曲師、湖月が「カタリゴト」として謎解きしていく物語。
    「カタリゴト」自体も二段仕立て、一見繋がりのない3つのお題から荒唐無稽な物語を語り、そのあと語り直してネタばらし=謎解き。
    その「カタリゴト」も真実と思っていたら、実際の事件との齟齬が後から見えてきて、まだ裏があることに驚かされるという。
    そして、最後の最後で、これまで語ってきたバラバラの「カタリゴト」が一つの大きな物語として集約されていく。
    この構成が最高によかった!
    一つの事件を何度も噛み締めて楽しめる、いくつもの解釈で楽しめるというか。
    湖月のキャラもいい。
    帯には「美少年」とあったけど、作中で性別って明かされていたっけ?
    少年でも少女でもおいしいキャラでした。
    平島が推したくなる気持ちも分かる。

    口下手だった探偵の平島も湖月と出会って急速に探偵として成長していくその過程も楽しめた。
    最後の事件ではその成長ぶりが遺憾無く発揮されてかっこよかった!
    ぜひまたこの二人での謎解き、読みたいですなあ。

  • 大正時代。親しくしていた華族の人が殺されてしまう。
    その犯人を追うため探偵になった主人公・元雪が少年浪曲師の湖月と出会って事件を解決していくお話。

    特にホラーではないような。
    浪曲師の湖月くんが元々あった話をアレンジして浪曲として語るので、それは真相なのか??となってしまう。
    また、ただでさえミステリーって人物関係が複雑なのに話が二重三重になるので、どんどんごちゃごちゃしてくる。
    そして浪曲語られる内容が真相かどうかも分からないのスッキリしないまま終わるという。設定は好きなんですが、ちょっと物足りない。もう少し踏み込んで欲しかった。
    あと湖月くん絶対女だって疑ってたのですが、結局素性が不明のまま終わってしまった。

  • リズミカル!!
    親に勘当された元貴族『平島元雪』生業を探偵としてやっている彼の元に依頼が舞い込む。しかし解決能力がない為にある人物に託す。それが…
    美少年浪曲師『湖月』次々に起こる事件をカタリゴトとして一つの物語にして語り、事件解決に挑む。カタリゴトが始まると、とてもテンポ良くリズミカルな感じで楽しく読めたのだが……時代物の為に出てくる名称が結構分からないやつが多々あった…(泣)
    しかし面白いというのが雰囲気でも分かるから。
    正直勿体無い感は否めない。分かっていればもっと面白く読めたのではないだろうか。

  • 魅力のある登場人物。考え抜かれたであろうストーリー。読ませる文章。

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著者プロフィール

SF作家。ペンネームは戦国武将の柴田勝家にちなんだもの。1987年、東京都生まれ。成城大学大学院(文学研究科日本常民文化専攻)在学中にハヤカワSFコンテスト・大賞を受賞し、『ニルヤの島』で2014年にデビュー。このほか著作に、『ワールド・インシュランス』(星海社FICTIONS)、星雲賞日本短編部門を受賞した表題作を収録する『アメリカン・ブッダ』(ハヤカワ文庫JA)などがある。

「2022年 『メイド喫茶探偵黒苺フガシの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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