龍華記 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041116425

作品紹介・あらすじ

高貴な出自ながら、悪僧(僧兵)として南都興福寺に身を置く範長は、都からやってくるという国検非違使別当らに危惧を抱いていた。検非違使を阻止せんと、範長は般若坂に向かうが──。著者渾身の歴史長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 平家が栄華を極める平安末期。平重衡の南都焼き討ちを舞台に興福寺の衆徒・範長(悪僧)と一条院門跡・信円を通して慈愛と祈願を描く。
    物語の緩急や伏線構成、範長の心の変化や機微に至るまで読み手を飽きさせないし上手いなぁと思う。
    憎悪の輪廻から離れた範長の姿に薬師如来像の描写を当てるラストに「怨みごころは怨みを捨てることによって消ゆる」という物語を貫くテーマがみえる。仏像を調べながら読んだこともあって仏教美術に興味惹かれた。奈良へ行きたくなる。

  • 重衡、僧兵と学侶、奈良が舞台だからありありと風景が浮かんで嬉しい。大好きな五部浄、運慶が慌てて持ち出して壊した。いいなあ、見てきたかのような躍動感。運慶と範長のツンデレやりとりが楽しい。山田寺の仏頭も盗まれたのではなく…という展開がほっとする。ニッチな(?)人物にも温かい光を当ててくれる瞳子さん、いいね。作品解説じゃなくて歴史解説になってるという押し出し強めの巻末解説は佐藤優、同志社つながりだ。

  • 平安末期の南都焼き討ちを招いてしまった悪僧(わけあり)が主人公。その後、罪に戸惑い償いと真の救済を模索。
    壮絶で残酷のなか必死に生きる人々。その後を知りたくて夢中に読み進めてしまいます。
    NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(令和4年1月〜)と同じ頃の時代背景。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50268621

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著者プロフィール

1977年京都府生まれ。2011年デビュー作『孤鷹の天』で中山義秀文学賞、’13年『満つる月の如し 仏師・定朝』で本屋が選ぶ時代小説大賞、新田次郎文学賞、’16年『若冲』で親鸞賞、歴史時代作家クラブ賞作品賞、’20年『駆け入りの寺』で舟橋聖一文学賞、’21年『星落ちて、なお』で直木賞を受賞。近著に『漆花ひとつ』『恋ふらむ鳥は』『吼えろ道真 大宰府の詩』がある。

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