濱地健三郎の呪える事件簿 (3)

  • KADOKAWA (2022年9月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784041116531

作品紹介・あらすじ

探偵・濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。リモート飲み会で現れた、他の人には視えない「小さな手」の正体。廃屋で手招きする「頭と手首のない霊」に隠された真実。歴史家志望の美男子を襲った心霊は、古い邸宅のどこに巣食っていたのか。濱地と助手のコンビが、6つの驚くべき謎を解き明かしていく――。

みんなの感想まとめ

現実と非現実が微妙に交錯する物語が魅力的な本作は、心霊探偵濱地健三郎と助手のユリエが織りなすミステリーの世界を描いています。シリーズの最新作では、コロナ禍を背景にしたストーリーが展開され、孤独や不安が...

感想・レビュー・書評

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  • 〈濱地健三郎〉シリーズ第三作。
    あとがきで作家さんが触れられているように、どれもコロナ禍を舞台にした話になっている。
    私も助手のユリエのようにコロナウイルスが目に見えれば良いのにと思ったことがあるので共感できた。
    全体的にはシリーズ初期よりもホラー寄りの話が多かった。

    濱地とユリエのコンビネーションはますます冴え、濱地にとってユリエは無くてはならない助手になっているようだ。だが一方でユリエの私生活にも気を配る良い上司でもある。
    一方スーパー霊能者のようにあっという間に怪異を収めるものの、それが何なのか、なぜ起きたのかなど何もかもを解明できるわけでもない。これもまたあとがきにあるように、怪談とミステリーとの『あわい』を味わえる話となっているからだろう。

    「リモート怪異」
    タイトルはダジャレのようだが怖い。真面目な会議に子供やペットが入り込んでほのぼの笑える動画は時々見るが、こんなものまで入って来られたら堪らない。

    「戸口で招くもの」
    しばらく立ち寄らなかった小屋に妖しいものが。戸口でおいでおいでをするモノは何か。一目見てここまで推理できる濱地はやはり凄腕探偵。同じものを見ているユリエ(=読者)には思いつかない。

    「囚われて」
    こちらも想像と違う展開。実はこの人こそ最強では?

    「伝達」
    濱地の助けを必要とする人には、必ず濱地の元へ伝わるという奇跡のような話。一つの偶然が起こらないだけで濱地の助けは得られなかった。
    それにしても『ふざけた語呂合わせになっている』という濱地探偵事務所の電話番号って何だろう。
    そして濱地が怖いものとは。

    「呪わしい波」
    こんなに手の込んだことをしてまで…という、作り話のような話。まるで特殊詐欺のような犯罪で、わたしならその後に現れて解決してくれた濱地まで仲間じゃないの?と信じられなくなりそうだが、そこを信じさせたのはきっと濱地の人柄なのだろう。

    「どこから」
    冒頭は濱地とユリエがキャンプ地へ。アウトドアな濱地は想像出来なかったが、どんな場所でも隙のない濱地でちょっと面白くないような。
    その後心霊スポット、豪邸へ行くがどこにでも怪しいものはいる。
    『怪異はどこからやってくるか想像がつきませんね』
    というユリエの言葉通り、キャンプ地だろうが家に籠っていようが、リモート会議をしていようが、どこにでも現れる。
    やはり見えない方が幸せかも知れない。

    ※シリーズ作品(全てレビュー登録済)
    ①「濱地健三郎の霊(くしび)なる事件簿」
    ②「濱地健三郎の幽(かくれ)たる事件簿」
    ③「濱地健三郎の呪(まじな)える事件簿」本作

  • 怖がりでもこのシリーズはギリ大丈夫。心霊探偵濱地と助手志摩が今どき珍しく上品だからなのか。Q-TAさんの装画も素敵。一番ミステリっぽい『戸口で招くもの』と今後も登場しそうな敵の登場を匂わせる『呪わしい波』が面白かった。


  • 濱地健三郎シリーズ 3作目。

    コロナ渦の中で心霊現象を調査する本作。

    囚われてがハラハラして面白かったです。
    助けを求める電話の主はどこにいるのか。
    かけてきたのは、人なのか幽霊なのか。
    電話番号しか分からないというフワフワした状況で、どうやって探しだすのか。
    疑問が沢山ある状況でどう解決していくのだろうと考えながら読みました。

    それにしても、濱地探偵自信が奇数な運命を辿っている感じがします。依頼自体が何かの力が働いているとしか考えらないと今更ながら思いました。

    呪わしい波で登場した女性霊能者がライバルとして出てきたら嬉しいなぁ。

    次⇒濱地健三郎の奇くすしかる事件簿

    【シリーズ読みたい順】
    1.幻坂 
    2.濱地健三郎の霊くしびなる事件簿
    3.濱地健三郎の幽かくれたる事件簿
    4.濱地健三郎の呪まじなえる事件簿
    5.濱地健三郎の奇くすしかる事件簿

  • 心霊探偵シリーズ3の一冊。

    現実と非現実の淡い混じり合いが心地よいシリーズの今作は6話どれもコロナ禍を絡ませたストーリー。

    時折、コロナ禍ならではの孤独な時間が交わるさまが印象的かつしんみりした。

    いつのまにか巡り巡って必然的かのように心霊探偵ボスの元へとたどり着く怪異。

    はっきりと形あるものではないものとの対峙の過程、その怪異の向こうにある背景、原因への憶測。

    その憶測に流れるボスの優しさ、この味わいが良い。

    年齢もプライベートも掴めそうで掴めないミステリアスさも良い。

    そして常に紳士な彼が素敵過ぎてそこが一番困る。

  • 三十代にも見え、しかし落ち着いた所作から五十代とも窺える濱地先生。
    中年の探偵と若き女性の助手のユリエちゃん。さらにその助手はスケッチブックを用いて探偵を支えている…この二人…もはや脳内配役は『岸辺露伴』のあのお二人さんが浮かぶじゃないの!
    泉京香の中の人、飯豊まりえは別ドラマ『オクトー』でオカルト&スケッチブックという合わせ技を使ってたしね。
    濱地健三郎は高橋一生、志麻ユリエは飯豊まりえ。
    もう、がっつりピッタリはまり過ぎて他では無理!!

    さて。

    経験豊富な探偵 濱地先生が、ときに穏やかに、ときに体力気力をぎりぎりまで使って幽霊や化物を退治、いや、と対峙します。
    毎回おもむきが異なる対象と多過ぎず少な過ぎない程よいページ数が心地好く、できるなら細〜く長〜く続いて欲しい作品。
    というのも、
    幽霊も化物も、そんなにたくさん居て欲しくは無いけども、でも、きっと数えられないくらい沢山のケースと種類がありそうで、この二人を通して、ずっと見ていたい世界がここにあるから。

  • シリーズ物らしく、いきなり第三弾を読んでしまった。
    面白くなくはないんだけど、ホラーとしたもミステリとしても中途半端な気がするのは気のせいか?
    とりあえず前の2作も図書館で予約してるので読んでみよう。


  • 心霊探偵 濱地健三郎シリーズ第三弾

    ちょっぴりホラーなミステリー

    ミステリアスなボスと若葉の様に
    健やかな助手の仕事っぷりが
    読んでいて爽快です。

  • コロナ禍の日本で幽霊の見える心霊探偵の濱地と、こちらも幽霊が見える助手のユリエが、心霊関連で悩まされる人々からの依頼を解決する話。おそらく続編。前作があることを知らずに続編から読んでしまった!

    前作を読んでなくても心霊関連の依頼毎に読み切りになっているから問題なく読めた。コロナ禍の話のため、リモートワークやら手指消毒やら三密やらの描写がちょくちょく出てきた。心霊探偵というフィクションとコロナ禍の生活のリアリティが並行して描かれていて、ちょっと話に馴染めなかった箇所もあった。個々の話としてはまとまりがあって、しっかり解決していて面白かった。

  • 【収録作品】リモート怪異/戸口で招くもの/囚われて/伝達/呪わしい波/どこから

    紳士的な名探偵で霊能力者の濱地健三郎は魅力的。助手・志摩ユリエも騒がしくなくて着実に助手らしくなってきているのがいい。
    また、濱地が怖いと感じているものを知って、慢心とは無縁とわかる。確かに、怖い。
    敵対しそうなのが出てきたのは興ざめ。このままで終わらせてくれることを願う。
    コロナ禍を舞台としており、きちんと謎に絡ませているのはさすが。
    続編希望。巨悪はいらない。

  • 濱地先生たちの世界にもコロナ禍が。得体の知れない疫病への不安、その心の隙間を突くような怪異たちがリアルで怖い……リモート怪異とか本当にありそう。 今回は濱地先生の「心の揺らぎ」が見えたのが意外だった。必要な人のところに自然と手にわたる濱地探偵事務所の連絡先。そのせいで自分は仕事から解放されないかもしれないことを怖れるココロの揺らぎか濱地先生に見えて意外。 そういう人間味を感じる部分をもっと知りたくなるけど、たまに垣間見えるくらいがミステリアスで良いのかも。これは一体誰が仕組んでいるのか?今後の展開にソワソワする。

  • ホラーは苦手だけど、この夏はちょっと怖いものが読みたい。さらに装丁が素敵で手に取ってみたらすごく面白かった!!心霊探偵シリーズの第三弾だけど、単体で読んでも問題なく楽しめる。年齢不詳の濱地先生は外見も中身もかっこいいし
    ユリエのキャラクターも一生懸命で良い。
    最終的にハッキリと「これが犯人で結果はこうなりました!」と明かされないものもあるのだけど、生きている人ではない何かの存在が描かれているこの作品ならではの面白さだなぁ。

  • 再読。シリーズ第3作目。6話収録の短編集。初出が2020年とあって濱地健三郎たちもコロナ禍であった。そんな渦中においても心霊現象は起こる。コロナ禍だからこそ起きたのでは…?な現象もあったりして面白かった。オカルトの類が大の苦手な私でも安心して読めるシリーズなのだが、1話目の『リモート怪異』は怖かった(昨夜眠れなかったし後ろを振り向けなかった)。出来ればボスにその現象を説明してもらって安心したかった…。人気のない小屋の扉を開けると人ならざるものが現れる『戸口で招くもの』が1番ミステリ風味を感じて好き。

  • 心霊探偵シリーズの第三弾。
    コロナ禍で舞い込んできた心霊関連のお仕事に立ち向かう濱地とユリエ。「どこから」のキャンプ場の霊みたいな事象ってあるのかも…と思ってしまった。
    視えないことの方が幸せなこともあるんだろうけど、「囚われて」の残間さんのような憑かれやすい体質も嫌だなぁ。

  • このシリーズ好きだなぁ。
    私もききたい「何歳ですか?」

  • 前2冊よりも心霊探偵っぷりが上がってる気がする〜!?
    『囚われて』で濱地とユリエを悩ませてた電話番号の正体がわかったあたりとかゾクッとした!!!

    やっすいドラマだったら『呪わしい波』のカンナギ不動産(の女霊能者?)がまた敵として立ちはだかって来る展開だろうけど、有栖川作品ではどうなるんだろ〜このままサヨナラかな!?

  • ホラーミステリ連作集第三弾。作中ではコロナ禍に突入し、そんな中で起こる数々の怪異に悩まされる依頼人たち。怖くて、だけどどこかしら穏やかな読み心地の作品です。
    視えないことって幸せだよねえ……としみじみと思ってしまいます。こんなん見たくないな、というものが今回けっこう多い。いろいろ嫌すぎます。「どこから」のあれが一番恐ろしいかなやはり。由来が分からないところが一番嫌だし。「戸口で招くもの」も分かってみると切ないけれど、あんなの見たらぎょっとしてしまいそうだし。
    お気に入りは「伝達」。濱地健三郎に怖いものはあるのか、そしてその答えは。これ、おそらく他の誰にも理解されないであろうぶん余計に怖いんだろうね。依頼人たちには救いになることが、濱地にとっては……。

  • 読み始めて、「お。コロナの時の話なんだ?」と驚く。最近コロナの時の話が増えてきてますよね。
    そして今回はこれまでのシリーズの中でも特に「縁」を感じる話だった。コロナで人との関わりが制限されるなかで、それでも人同士の「縁」によって仕事が舞い込んでくる濱地探偵事務所には依頼人が来る。なんかとんでもなく奥深い謎が隠されていそう……。今回も面白かったです。

  • シリーズ物とは、思わずに、作者 有栖川有栖氏の本で、手に取った本である。
    心霊探偵 濱地健三郎を主人公として、今のコロナ禍で、在宅風に!
    霊的なトラブルが、描かれているのだが、始めの方は、余り、面白みがない。

    半世紀前に、宜保愛子氏だったが、心霊スポットへ行ったり、大阪の帝塚山の霊が見える人などが、話題になった事がある。
    若い人は、知らないだろうけど、作者位の年齢な人だったら知っていると思う。
    確かに霊感の強い方もいる。
    美輪明宏氏もそんな方の一人であろう。

    私も、そんな時代の時に、この本の中の197頁のような金縛りにあった事がある。
    ベッドで寝ていて、足元が重たいと感じて目が覚めると、紫の矢羽根模様の着物姿で、長い髪を下ろした女性が、伸び上がって来た事が、……
    その一瞬、体は金縛りで、ぎゅっと目を閉じたまま数分間、そして動けた……
    でも怖いという恐怖感は無かった。この本と同様の体験をしている。
    母曰く、母方は 47代続く士族であったし、紫の矢羽根の柄の着物もあったと言う。
    それに、祖母の生き霊も見ている。
    死後、僧侶に、仏壇前で見た祖母の話をしたら、即座に、その横に居たのは私です。
    それは、導人で、私です。それが見えたのは、凄いし、ご先祖様が、見守ってくれると……言って下さった?
    死にかけた事が、3回ほどあったけど、ご先祖様の背後霊が、助けてくださったのかも……
    もうこの様にいい歳になったら、そんなのを見ることもなくなったけど。
    この本の最後の「どこから」も見えないけど、生きてる人に付く霊もありそうと、思いながら、ミステリーでも無く、怪奇物語と言って良いのだろうか?
    ちょっと不思議な体験した昔を思い出した。

  • 「リモート怪異」「戸口で招くもの」「囚われて」「伝達」「呪わしい波」「どこから」
    6話収録の連作短編集。

    心霊現象が関係する事案だけを専門に扱う私立探偵・濱地健三郎と助手の志摩ユリエが6つの怪奇現象を解き明かし解決に導く。

    英国製スーツに身を固め髪はオールバック、年齢不詳の濱地と助手のユリエ、視る能力を携えた二人の掛け合いが自然体で微笑ましい。

    本作はコロナ禍を背景にしている事で未知のウィルスと怪異、両方の薄気味悪さが感じられた。

    怪異の正体や真相が明確になるわけではないけれど、このフワっとする感じ、嫌いじゃない。

  • Amazonの紹介より
    江神二郎、火村英生に続く、異才の探偵。大人気心霊探偵小説第3弾!
    探偵・濱地健三郎には鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の刑事も秘かに足を運ぶほどだ。リモート飲み会で現れた、他の人には視えない「小さな手」の正体。廃屋で手招きする「頭と手首のない霊」に隠された真実。歴史家志望の美男子を襲った心霊は、古い邸宅のどこに巣食っていたのか。濱地と助手のコンビが、6つの驚くべき謎を解き明かしていく――。



    正真正銘の心霊現象を解き明かしていく短編集でしたが、ホラーといった怖さよりも謎を解いていく面白さや探偵の華麗なる行動・風貌が印象深かったです。

    普通は心霊現象といったものは科学的に証明するために奔走するのですが、この作品は単純に非科学的なものとして受け入れて奔走し、さらに推理していきます。
    ダンディーな佇まいを放つ探偵のキャラクター性が、とても存在感を放っていて、「大人」な雰囲気を楽しむシリーズだなと思いました。

    内容としては、ホラーな雰囲気はありましたが、探偵と助手のキャラクター性も相まって、マイルドな恐さがありました。

    派手さはなく、非科学的なモノとの静かな「対決」でしたが、読み終わった後は一味違った高揚感を味わえました。

    大きな盛り上がりはありませんが、色んな心霊現象を楽しむことができ、陰陽師のような異彩を放つ探偵の存在にとても魅力的に感じた作品でした。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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