- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041117156
作品紹介・あらすじ
「あたしのシットはあたしが決める」ベビーシッター、場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」 シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分が愛せなくなってしまう。人はパンだけで生きるものではない。だが、薔薇よりもパンで生きている。数多のシット・ジョブを経験してきた著者が、ソウルを時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させた「私労働」の日々、魂の階級闘争を圧巻の筆力で綴った連作短編集。■声を出さずに泣く階級の子どもがいる。■水商売では年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することでお金を貰う。失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるのだ。■何かを感じたり、ムカついたりする主体性のある存在として認識しない者は、相手の賃金だけでなく、人間としての主体性さえ搾取している。■革命とは転覆ではなく、これまでとは逆方向に回転させることなのかもしれない。【目次】第一話 一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった第二話 ぼったくられブルース第三話 売って、洗って、回す第四話 スタッフ・ルーム第五話 ソウルによくない仕事第六話 パンとケアと薔薇あとがき※本書は「小説 野性時代」2021年4月号、22年1月・5月・9月号、23年1月・5月号に掲載された作品を書籍化したものです
感想・レビュー・書評
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ぐるぐる系です
まぁ伝わるな
「ぐるぐる系小説」で伝わってしまうな
もうぐるぐる系とか言ってる時点でカリスマ臭がエグいな(そうなん?)
うーん、よくわからんかったなぁ〜
よく分からんかったけどなんか面白かった…ような気がする
「仕事」ってものについて
考えなさいよ!ってことだったような
与えられた答えにすぐ飛びつくんじゃないわよ!ってこと…だったような気がする
それにしてもフレディみかこさんてすごく「日本人」な気がする
いやなんかこれまての生き方をなぞるとすごくパンクで日本人離れしてるんだけど、一方でめちゃくちゃ日本人的視点を持った人だとも感じるんよね
その日本人的視点で英国社会を視た時に感じたことをあらためて日本で読むことがなんか面白かった…気がする
気がするだけ、具体的ではない -
ブレイディみかこさんのノンフィクションのようなフィクション。自伝的要素のある小説。
看護師、保育士、病棟でのボランティア、クリーニング工場、水商売、などなど「ケアする職業」についての短編集。
小説とはいえ、ブレイディさんがどうやって生きてきたかが、なんとなく分かるような話になっているのではないかと思う。
衝撃的だったのは、留学生がナニーとして働いていた上流階級の品の良いオーナーが、実はとても差別的で時代錯誤な階級社会主義者だったこと。
使用人は窓のない地下で暮らし、地上では物を食べてはならない。
それは、世話をする子どもたちにも徹底されていて、手のかからない上品な子供達が発した「アップステアーズで物を食べさせてはいけないってママに言われてる」の言葉には、読んでる私も絶句した。
いつの時代の話??え?映画なの??と。
保育園での若い見習いの実習生が、真面目で融通が効かなく労働者階級の言葉を使うが故に、やがて同僚たちに疎まれてしまう話も、切なく苦しくなった。
あとがきで著者が言うように、「シット・ジョブ」(低賃金で働く報われない職業)はいつまでも「シット・ジョブ」であって良いわけがない。
ケアする職業の人ほど、それに見合う賃金をもらって良いはず、と私も思う。
いずれにしても、相変わらずブレイディさんの話は小気味良く、サバサバしていて、決して明るい話ではないのだけど、何故か読了後はスッキリした感じがあるように思う。 -
本当にあったことも若干混ざっている私小説ということで、様々な職場での出来事が書かれています。そこで見られる社会の歪み。知らなかったことも、「そうだよね」と納得ものもあれば、「それって、そういうことだったんだ」と、漠然と感じていた怒りが整理されることも。
ブレディみかこさんの文章を読むと、「言葉の力って、やっぱりすごい‼️」と感じます。 -
久々のブレイディみかこさん。ご本人があとがきで、「フィクションだが本当にあったことも若干混ざっている」と書いている。著者経歴欄には「初の自伝的小説」とある。どこまでが本当の話かは「言わぬが花」とのことだが、ブレイディさんのことをよく知っているわけでもないが、何となく多くが実体験に基づいて書かれているような気がした。
日本と英国でのさまざまな「シット・ジョブ」の話。どの仕事も肉体的にハードで低賃金で、従事者は複雑な家庭環境など、さまざまな事情を抱えているケースも少なくない。
話の構成も上手く、全体を通じとても面白かったが、ブレイディさんの真意は自伝のようなものを発表することでなく、「シット・ジョブ」に対し読者それぞれが再考することということだった。何事もまず「知る」ことが大事だが、本書をきっかけにそうした仕事に意識が向く人も多いのではないかと思う。 -
シットジョブ どうでもいい仕事は社会からどのような評価を得ているのか。日本においてもケアワーカーを中心にまだまだ処遇が改善されていないように思う。人口減少により、生活維持サービスが提供できなくなったら、仕事を継続することも難しくなる時がある。
ブレイディの本は読みやすい! -
ブレイディみかこさん、初の自伝的小説。
イギリスに渡り、シット・ジョブ(くそみたいに
報われない仕事)を幾つも経験した彼女ならではのヒリつく言葉に胸を突かれた。
一話「1985年の夏、
あたしたちはハタチだった」
年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することで、お金を貰っているあたし。
「水商売の女を彼女にしている自分」は「女子大生や昼間の仕事をしている女を彼女にしている自分」より「下」になる、という意識が男全般の中にあることをあたしたちは知っている。
三話「売って、洗って、回す」
"誰か"を演じ続ける仕事をしていると人は自分を愛せなくなってしまう。
いっそ思考や感情のない"機械"の一部になれば
恍惚だと感じるなんて…主体性のかけらもない。
五話「ソウル(魂)によくない仕事」
他人に低く見なされるから自分が低い者になった気がするなら断固闘うべき!
自分自身が人間として低い者になっていく感覚があるなら直ちにその場から離れるべし!
介護士だった母親の話は切ない(六話)
「低賃金で重労働で病院のヒエラルキーの底辺にある仕事を呪いながら、母は、本当はあの仕事が好きだったのだ。向いていたから。報われない仕事が向いているなんて!」の言葉にやるせなさを覚えた。
物価上昇の中、シット・ジョブへの不安と怒りが広がっている。
医療従事者のストライキを伝える映像も記憶に新しい。
英国の労働現場で何が行われているか、人々の思いを知るきっかけとなった。
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ブレイディみかこの「私小説」。著者の経験をもとにしたフィクションということで、とても臨場感があり、リアル。
すべての短編に通底しているのは、ままならない状況に置かれている人たちへのエンパシーだ。
水商売は、失礼をお金に変えていること。
「失礼を売り、失礼を買う。失礼は金になるのだ。」
「自分のソウルによくない仕事はやめるべき」とアドバイスしてくれる下宿のお母さんに背中を押され、脱出をはかる第五話の主人公。
でもそれを選択するしかない場合もある。
シットジョブ(クソみたいな仕事)しか残されていない人たちだ。
リスペクトされ、尊厳を持って暮らせる社会。誰もが美味しいパンを食べられる社会。当たり前だったことが、今や当たり前でなくなりつつある。
作者は常に、その蔑まれた側の人たちの側に寄り添っている。
あからさまに差別され蔑まされ、いないことにされる人たちへの共感に満ちている。
大人ってそうでなくては。
ブレイディみかこはぶれないねー。
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図書館で借りた。久しぶりに小説。
ブレイディみかこさんの作品は読むのは2作目。「きみはイエローでホワイトで〜」を1作品目に読んだ。
私には「私労働小説」の方が合っているようだ。面白く読んだ。
私もろくな仕事をしてきてないので、「ザ・シット・ジョブ」というものについては色々考えるところがあり、4年前に働きに出ることを止めてしまった身としては「それでも私は働く」という意思が眩しく見えた。
「フィクションを交えて書いた」と後書きにあるので、まぁそれはそうなんだろうけどちょっとガッカリしたところもある。が、読後感は良かった。 -
今までのノンフィクション作品の、キモみたいなものを集めてフィクションの短編集にしました、みたいなものだった。
自身の経験に裏付けられているだろう内容。
イギリスでは労働者階級なるものがあって、ヒエラルキーが形成されているようだが、現代にも根深く残っているんだろうか。
日本でも介護や保育系の職種は薄給のイメージがあるが、もっと高級でもいいと常々思っている。
一番印象的だったのは、「失礼は金になる」というワード。真理をついてるなと思った。
ゆーき本さん。
ゆーき本さん。
ウータンとワンワンの꒰ˆ•ﻌ•ˆ꒱
パパは出勤してる時間かぁ。
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見てた!一番下が大好きでテレビの前で一緒にやったわw
車にDVD積んでた
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