ひとり旅日和 運開き!

  • KADOKAWA
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感想 : 72
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  • 本 ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117286

作品紹介・あらすじ

人見知りで要領の悪い日和は、なんとか滑り込んだ就職先でも叱られてばかり。会社をやめようかと悩んでいると、社長から気晴らしに旅に出ることを勧められる。初めて一人で行った熱海で、ひとり旅の魅力に取りつかれ、どんどんと行動範囲を広げる日和。宇都宮、和歌山、秋田、青森、沖縄と、パワースポットを巡り、土地のおいしいものに舌鼓をうち、満喫していく。

ひとりで暮らす叔母の体調が悪いと聞き、秋田まで様子を見に行くことにした日和はせっかく遠出をするのだからと、母の憧れの地である奥入瀬渓流にも立ち寄ろうと計画する。優柔不断で自分にも自信のなかった日和が人とのふれあいによってひとまわりもふたまわりも成長していくのだった。さらに、想いを寄せる蓮斗との関係にも変化が起こり……。
グルメ×旅×おひとりさま女子に贈る、人生満喫本!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第三弾。

    ひとり旅を重ねるごとに着実に“人見知り”を克服しつつある日和。
    この巻では「宇都宮」(第一話)「和歌山」(第二話)「奥入瀬」(第三話)「秋田」(第四話)「沖縄」(第五話)を訪れております~。

    今回はコロナ禍が背景でして、ピークは過ぎているとはいえ、第二話で日和が母親に「旅行好きな人には気の毒だけど、旅行ってやっぱり不要不急の筆頭何だと思うわ」と、言われてしまうような時世の中で気を遣いながらの旅が描かれていて、“そんな時期があったな・・”と思い出しながら読みました。
    逆に現在はインバウンドの増加によるオーバーツーリズムが問題になっていることを思うと、つくづく時の流れを実感した次第です~。
    ※因みに、コロナ禍の描写に関しての著者の方のエクスキューズが巻末にめっちゃ小さく記載があって、“この物語は時事を取り込んではいるけど、基本的にはフィクションです”とあり、“とりわけ「沖縄」に関しては2021年の現状に即さない描写かもしれないけど、ストーリーに描かれたような日が早く来てほしいとの願いをこめての表現です”とのことでした(ちょいと略しましたが)。
    そう、この作品はあくまで小説(フィクション)であって、ガチなガイドではないので、ユルく楽しむ感じが良いですね~。※

    さて、前巻でレンタカーデビューを果たした日和は、この巻でも車の利便性を活かして、アドベンチャーワールドに行くついでに白浜界隈をサクッと巡ったり、秋田で暮らす叔母さんの様子伺いに行くついでに奥入瀬や十和田湖を訪れたりと、すっかりドライブ旅も板についた様子。
    ただ、第五話の「沖縄」では、敢えて公共交通機関を利用していましたけどね・・私も「美ら海水族館」「斎場御嶽」行ってみたいです~。
    (でも、「斎場御嶽」で検索すると「行かない方がいい」とか出てくるのでコワイ~(;´Д`))。

    そして、片思い中の蓮斗との仲ですが、日和が“人見知り”にしては旅のお土産のお酒を蓮斗に買ってきたりと、ちゃんと好意を示すアクションをしているのが偉いですよね。
    その甲斐あってか、割と頻繁に連絡取り合うようになっているし、蓮斗から“お土産宴会”の提案されたりと、結構いい感じに進展してきているようで何よりです。

    ということで、この巻でも“ひとり旅疑似体験”させて頂きました。
    次巻の旅行先はどこなのか、楽しみです~。

  • シリーズ第3弾。安心して読め、かつ日本各地を主人公の目線で旅行した気分になれる本。今回の行き先は、宇都宮の餃子から始まり、和歌山、秋田&青森、沖縄。時は2021年、コロナの収束がまだ見通せず、恐る恐る旅する様子が描かれていた。また気兼ねなく旅行できるようになって本当に良かった。どの行き先も、そこの郷土料理も魅力的で、旅に出たくなる。主人公の日和が密かに思いを寄せる蓮斗さんもちょくちょく登場し、ますます旅のモチベーションが上がり楽しい日々だろうな。蓮斗さんは親切だけど確かにその好意が恋愛感情なのかは分からない感じで、続きが気になる。一人旅に出るようになり、明らかに日和の運気は好転している様子が窺え、旅はやっぱり良いなとつくづく思った。

  • ひとり旅の楽しさを知った日和にも、"コロナ禍"の波は直撃する。
    が、なるべく人と接触しないやり方で、移動にも気を使い、工夫しながらひとり旅を楽しむ日和の姿に少し勇気付けられる。
    "不要不急"と言われるかもしれないけど、日々を彩る楽しみは、人には必要なものだと思う。

    ただ、ラストの話は沖縄旅行が舞台だったが、沖縄といえば、人口に対して感染がめちゃくちゃ多いところで、ややおさまってきたとはいえ、そんなとこに東京から行くかね…という気はしなくもなかった…特にその前、和歌山へ行くときは、散々悩んだり家族を説得したりという描写があったのに。
    感染が落ち着いて、旅行もしやすくなった風に書いてあったのは、もしかしたら、この本が出る頃にはきっとそうなっているはずという、希望的観測が含まれていたのか。

    そろそろGOTOを復活させるとかいう話も出ているようだけど、まだそこまで落ち着いた感じもしないような…

    次巻が出る頃、世の中がどうなっているかも楽しみなところだ。


  • 日和のひとり旅シリーズ3作目。
    宇都宮の餃子、和歌山のアドベンチャーワールド、青森の奥入瀬、秋田(康楽館)、沖縄。
    日和の成長と共に自分も行ってみたくなる。旅メインだから、恋愛はほんのり程度なんだけど、それにしても展開がゆっくりなのがじれったすぎる。

  • 3作目にして、思い切りが出てきた日和がなんとも微笑ましく感じながら読了。
    食べ物の描写がおいしそうなのは相変わらずだけど、一人旅をする身としては交通手段の選び方とか参考になる!

  • いつもなら美味しい郷土料理とお酒、パワースポット巡りと旅をする日和だけど、今回の旅の目的はいつもと違った。コロナ禍が始まり旅に対しての苦悩も描かれている。読みながら私もあの時は再び日常に戻れるとは思えなくて不安だった。当時を思い出して、ひとりでできる時間は案外短いという言葉と叔母の本の買い方には深く共感した。

  • 今回も面白かった〜
    ついにコロナ禍に…
    今は結構落ち着いてきたけどあの頃は何処にも行けない状況だったもんね
    だんだん人見知りを克服して行動力も上がって予期せぬ事も楽しめるようになってきてる日和ちゃんを見てると行動に移すことの大切さを実感する。
    この作者さんのお酒の描き方が本当に美味しそうで飲んでみたいとおもわず思ってしまう。
    まだ20歳になったばかりで全然飲めないけど飲んでみたいお酒はこの作者さんの本を読むたんび増えていく笑
    次も読みます〜

  • 【収録作品】
    第一話 宇都宮―餃子三昧
    第二話 和歌山―マグロ丼とめはり寿司
    第三話 奥入瀬―川魚と煎餅汁
    第四話 秋田―アカシアの天ぷらそばときりたんぽ鍋
    第五話 沖縄―沖縄そばと海ぶどう

    感染症が蔓延しているため、旅も自粛がちな日和だが、やっぱり出かけたい! というわけで、予防に気をつけつつ、慎重ながら大胆にひとり旅を満喫している。

    各地の名物がおいしそうで、食べるための旅もいいなと思う。

    沖縄篇については、この本が出版された2021年の現状に即さない部分があるが、こんな日が早く来てほしいと願うあまりのことと理解してほしい、との筆者の言葉が奥付の前に書かれている。
    今読むと、なんだったんだろう、あのときの相互監視社会のような息苦しさはと思ってしまうが、今は今で緩みすぎな気がする。なんで両極端になってしまうんだろう。

  • 今回は、秋田青森を横断する連続旅。
    私の両親が青森に行った際おみやげで買ってきてくれた「豊盃」が出てきて興奮!
    沖縄も去年の旅先だったから、身近。
    行ったところが出てくる、すごく親近感。
    次は四国みたいです、楽しみ。

  • 引っ込み思案な女の子が、あちこち一人旅に出る話
    その土地土地の食べ物にお酒の話には興味深い物があったが、そこに行くまで工程が長くてちょっと気になった

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著者プロフィール

2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。2012年10月、「いい加減な夜食」にて出版デビューに至る。他著書に「居酒屋ぼったくり」(アルファポリス)他、「幸腹な百貨店」(講談社)、「放課後の厨房男子」(幻冬舎)などがある。

「2020年 『居酒屋ぼったくり5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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