スパイコードW

著者 :
  • KADOKAWA
3.16
  • (2)
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  • (27)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 197
感想 : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117309

作品紹介・あらすじ

コロナ禍で欧米の影響力が低下した近未来。強力な新指導者を得た中国が、遂に長年計画していた台湾への武力侵攻に乗り出そうとする。アジア発の世界大戦を防ぐため、旧日本軍最後の特務機関“Ω(オメガ)”が作戦を開始。各地に潜入していた“Ω”のエージェントたちがミッションに挑む。彼らは台湾、そして世界の危機を救うことができるのか? 仕掛けられた切り札「W」とは? スパイたちの一度限りの宴が始まった!

感想・レビュー・書評

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  • 近未来の中国を舞台としたスパイもの。
    う~~~~ん・・・
    作者の新境地として描かれた作品なのかもしれないが、何だか設定に無理があり過ぎて、冒頭から全然話が頭に入って来ない。
    中国が仕掛ける台湾への武力侵攻。
    侵攻を防ぐため、謎の特務機関Ωのエージェント達が暗躍する。
    特務機関Ωが「M資金」と同じくらい都市伝説と言う設定は好み。
    なおかつ、作者が得意とするサイバーものもふんだんに描かれている。
    もちろんスパイものも好き。
    これだけ好みの要素が詰め込まれているのに、何故か面白くない。
    やはりクルクル変わる主人公の視点、中国を舞台としている為、無駄な漢字表記などが理由だろうか?
    スケールが大きすぎて、細かい説明などが省かれているのも、少し気になる。
    ラストも出来過ぎな気がして、読後は何となくうさん臭さしか残らないのが、勿体ない。

  • スパイが居ないスパイ小説みたいな感じですね。
    スパイ=007という感じが強いですからね。
    ラストが上手く行き過ぎと思います。
    誰も死んで無いしね。

  • <転>
    福田さんの作品は『TOKYO BLACKOUT』以降全部読んで来た(つもりw)。
    で、本作は今まで読んで来た作品達とはちょっと違う雰囲気を持っている気がする。
    どこがどう違うのか、と訊かれるとうまく答えられないけど、そうだなぁ舞台が目まぐるしく世界場を巡る事とか各章で主役格がどんどん入れ替わってしまう事とかかな。

    本書には漢字でアフリカや欧州の都市名を書くところが沢山出て来る。
    中華が物語の中心になる作品だからだろう。
    その中に僕には大変にめづらしいモノがあったので書いておく。
    それは ジュネーブ。
    漢字では「日内瓦」と書く(本文161ページ参照)。

    僕は割とどんどん素早く読んでいく方なので最初に出たそこのところで漢字は全く気にせずルビだけ読んで次に進んだ。
    そしたら同じページ内にまた日内瓦は出てきた。読めなかった。
    「ひうちがわら」とか読んでみて、待てよ文脈からしてこれ絶対に場所の名前だな、と思って少し戻ると 有った。
    だから覚えて、ここにもこうやって書いて更に記憶の底にアンカーでしっかりと固定する。
    これで「ジュネーブ=日内瓦」は僕はもう覚えたのだ・・・たぶんw。

    ありゃ、またもや本の内容/主旨とは全く関係ないところへ僕の感想文は散ってしまっていた。いいんだ、どうせ中身/荒筋紹介などは ”感想” とは僕は思っていないのでそういう事を書くつもりは端から無いのだから。ああ、いつも すまぬ。

  • あらすじ
    中国による台湾侵攻を阻止するための作戦。まずは中国と台湾の間に、巨大な人工島のカジノを作った。そこに世界のトップリーダー達を招待した。トップリーダーたちは人間の盾となって中国の侵攻を防ぐ、時間稼ぎをしている。
     日本人牛王渉、蓼丸湊のコンビ。牛王はジャーナリスト。母親は中国人、父親は日本人。母親からは決して中国に入るなという風に言われて育ってきた。しかし突然、謎の女性から中国に行くよう指示を受ける。都市伝説?で「M資金」というものがある。GHQが押収した日本軍の秘密資金だ。同じように、「特殊機関Ω」というものがある。吉田茂首相が密かに設立した日本軍最後の工作機関だ。牛王はそれに巻き込まれたようだが、思い当たる節が全くない。二人はマリー・アイゼンバーグの協力もあって、中国が海中ケーブルを切断しようとするのをを阻止したり、中国の高官の娘を保護したりする。また進行を撹乱するために研究所に侵入して、ICBM弾道弾発射プロセスを操作したりもする。しかし、その施設に入るには、中国のトップの指紋や顔認証?が必要であった。実は牛王はトップのクローンだったのだ。母親がかつてその研究をさせられていたのだった。つまり牛王がワイルドカードだった。結局、中国の台湾侵攻は失敗。中国トップは、さらにその上にいるバックから引きずりおろされる形になった。これでしばらくは台湾は安全に過ごせるのだった。

    《感想》面白かった。一気読み。世界・台湾を舞台にしたスパイアクション。何にも考えずに楽しめるエンターテイメント作品。昨今のコロナや政治情勢を背景にしているけれどもそこまで深刻でもない。都市伝説のような日本工作機関というのも面白い。さらに彼らが全く連絡を取り合わなくて、各自普通に生活しているというところも面白かった。普段は政治もの?スパイもの?をあまり読まない私でもすごく楽しめた。アクションもあって派手なので是非映像化してくれたらいいなと思う。

  • 流石は拉致の女王、なにはなくとも、その2文字だけは外さないぞ、と。

  • 日本の特務機関の華麗なスパイ大作戦って感じかなぁ。おもしろかったけど、なんだか都合良すぎる展開って感じもする。

  • 特務機関Ωとか中国共産党書記長のクローンとかケレン味しかない設定。

    近年のかの国の膨張政策という現実的脅威とテーマとしつつ、その対応策の非現実的さとのアンバランスが甚だしい。

    そうせざるを得ないくらい重たいテーマということなのか。

  • 近未来でなく、明日起きても不思議でない台湾侵攻。「自分の足で立っているからこそ存在価値がある」プーチンさん聴いてますか?ウクライナもそうですよ。テンポの良さとウィットに富んだ会話。伊坂さんに重なった。

  •  強力な指導者を得た中国が、長年の野望だった台湾侵略に乗り出す。そんな事態に、旧日本軍が残した伝説の特務機関Ωが行動を開始する。正体を隠した工作員たちが世界各国でミッションに挑む…

     まさに頭脳戦で、ハラハラしつつ一気読みでした。
     中国を止める切り札が、まさか渉がクローンだったとは。それによって世界が救われたんですが、今後彼の人生がどうなったか気になる所です。

  • 近未来とあるが、昨今の状況から明日にでも起きても不思議はないし、表に出ていないだけで実際に似たようなことは起きているのかもしれない。とてもリアルに感じて読んだ。
    典型的な巻き込まれ型の主人公……と思ったが、彼も駒に過ぎなかったのかな?上海での攻防はハラハラドキドキ一気に読んだが、各自の考えで動くという組織が優秀過ぎるかも。登場するメンバーは魅力的だけど、ちょっとあっさりしすぎていて物足りなかった。
    特務機関Ω自体が主人公と考えると納得。対抗する組織もほとんど明かされないまま終わったし、続編も期待!

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著者プロフィール

福田和代一九六七年、兵庫県生まれ。金融機関のシステムエンジニアとしての勤務を経て、二〇〇七年、航空謀略サスペンス『ヴィズ・ゼロ』でデビュー。主な著作に『TOKYO BLACKOUT』『ハイ・アラート』『怪物』『迎撃せよ』『潜航せよ』『生還せよ』『繭の季節が始まる』『梟の一族』など。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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