小説の小説

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 791
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117354

作品紹介・あらすじ

本格ミステリ界にその名を轟かせる似鳥鶏の新境地は、“メタ・フィクション”!

私たちの知る「小説」は、様々な「決まりごと」の上に成り立っている。
無意識下の常識を逆手に取った、ルール無用の超次元小説!

▼各話紹介▼
「立体的な藪」……いつものように殺人に出くわしてしまった名探偵。華麗な活躍で事件が解決したはずだったそのとき、思わぬ“伏兵”が推理を始め――!?

「文化が違う」……異世界転生し、チート能力で無双する。誰もが夢見るシチュエーションで、最大の敵は、言葉の“イメージ”だった!!

「無小説」……「小説」とは何か、「書く」とは何か。創作の限界に挑む、禁断の×××小説!

「曰本最後の小説」……新法が成立し、検閲が合法化された「曰本」。表現の自由が脅かされる中、小説家の渦良は、あらゆる手を尽くして作品を書き続ける。

※紙書籍版カバー裏には、特別書き下ろし短篇「噛みつき小説」を収録。
※電子書籍版巻末には、特別書き下ろし短篇「夫の日記帳」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「小説」という形式そのもの、当たり前、をぶっ壊した小説でした。短編集になっており、それぞれ全て、違う見せ方で「小説」を表現しているところが凄いの一言でした。
    沢山、小説を読んでいる人ほど、驚きがある本だと思いました。昨今話題になっている生成AIでも、この話はどれも書けないなと、改めて作者に脱帽です。
    中でも、収録されている「文化が違う」が面白すぎました。笑わずにはいられませんでした。

  • 【収録作品】立体的な藪/文化が違う/無小説/曰本最後の小説

    メタ・フィクションということだが、まえがきから遊んでいる。(行頭を横に読むと…)
    相変わらず注が多いなあと思っていたら、それどころじゃない。読みづらいが面白い試みだ。
    最終話は現代日本のような「曰本」を舞台にした近未来ディストピア小説風の寓話。これを笑い飛ばしたいが、その笑いが引き攣るような、シュールな読み心地。
    表紙の表裏に小説を書くというのも贅沢な試みか。

  • カドブンノベル2020年1月号日本最後の小説、小説野生時代2021年5月号文化が違う、11月号無小説、2022年1月号立体的な藪の4つを2022年9月角川書店刊。付録と称してカバーに噛みつき小説SIDE A,B収録。ちょっと実験的な体の小説。各話ともにわけがわからん展開であまり楽しめなかった。

  • いや、もう、ぶっとんだ一冊ですわよ。
    帯にある「神の視点」「検閲対策」「注釈芸の最高峰」だけでもそそられるのに「著者が一文字も書かない」だよ、どういうことよ!!でも本当だったよ、一文字も著者は書いてないよ、この章、すごいよこれ。大変なものを思いつきましたね、似鳥さんって笑ってしまった。
    それから「注釈芸」の、半端なさ。これも笑った。
    んでもって、カバーのお楽しみ。何度楽しませてもらったかわかんないくらい楽しんだ一冊。

  • 似鳥さんらしい、何とも言い難い内容でしたが、頭空っぽにして楽しめました。

    カバーも帯も全てが仕掛けがしてあって、これまた斬新で、確かにルール無用の読み手の常識を取っ払った話ばかりでした。

  • この小説は「小説」というジャンルそのものをフィーチャーした小説すなわち『「小説」の小説』。
    一話目『立体的な藪』人里離れた山間の小屋で密室殺人が起こる。名探偵が推理を披露、事件解決かと思いきや、地の文が推理を繰り出し、カオス状態に。
    二話目『文化が違う』なろう系の様な作品。言葉が違えば文化も違う。普通、小説は読者の想像に委ねられるが、この小説は言葉のイメージ、偏見を捨てないと情景が大変なことになる。
    三話目『無小説』日本、海外の近代文学の文章をそのまま持ってきて繋いだだけの小説。タイトルのつけようがない、タイトルの無い小説であり、まさに『無小説』。
    四話目『曰本最後の小説』情報統制された日本のような国が舞台。いずれ日本もこうなったら終わるディストピア。渦良がなんとかして検閲を乗り越えようとして、文章を支離滅裂にしているのが面白かった。

  • 2作目と最後の話が面白かった。
    おそらく目玉である「小説を切り貼りした小説」は、かなり読みづらくて読み飛ばした。
    最後の話はとても皮肉な内容で、今の日本と未来の日本を記しているように感じる。
    こうなってしまうのは嫌だなあ…怖い。
    とりあえず最後の話だけおすすめ。

  • 純粋に物語を楽しむ本ではないため、万人におススメしづらい作品ではあるが、読書好き、特に趣向を凝らしたミステリが好きな人には是非読んでほしい一冊。
    事前に想像していたよりも10倍はトリッキーな小説だった。

    いわゆる「メタ・フィクション」と言われる、「小説の約束事を利用した小説」の形式をとっていることが「まえがき」で断られている。
    縦書きは上から下へ読む、一行空いたら場面や視点が変わる(ことが多い)、といった本を読んでいくうえでは至極当たり前の約束事さえもネタとして弄ばれている。

    たった2ページの「まえがき」にさえ仕掛けがあって、気づくと「ああ、こういうことね」と思わされた。


    本書は、「立体的な藪」「文化が違う」「無小説」「日本最後の小説」の4編からなる短編集である。

    一作だけネタバレなしの感想を書いておく。

    ◆文化が違う
    4つの話の中では、メタフィクションとして一番わかやすく楽しめるし、話としても面白いかなと思う。

    この話を一言でいうと、
    『サザエさんの指示のもと、ゴリラと一緒に新卒くんを倒しに行く異世界もの』かな。プリッツ対ポッキーのぶつかり合いが一番の見どころだったと思う。

    読みたくなったでしょ笑

    たぶんどんなに感想を尽くしてもネタバレにならないし、細かい説明を求めるくらいならとりあえず読んでほしい。

    残り3作の感想に興味ある方はこちら
    https://note.com/mobi_specialist/n/na1ab98a4cde7

  • 初読の作家さんだが、巻末の著作リストを見ると、各社からなかなかの冊数が出ているようだ。ぼくの守備範囲からは外れた作品ばかりなので、これまでアンテナに引っかからなかったと思われる。本書は大好きな“メタフィクション”を扱ったものだというので手に取った。
    名探偵の推理にいちゃもんをつける「立体的な藪」、ラノベ風の「文化が違う」、古典を寄せ集めた「無小説」、独裁国家曰本(日本ではない)が舞台の「曰本最後の小説」の4篇が収録されている。カバー(そで)、別刷りにもおまけがついていた。
    おもしろかったけれど疲れた。

  • 名作のパッチワーク。
    実験小説、読みにくいよ。
    それなりに楽しんだけど。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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