さえづちの眼 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 290
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117361

作品紹介・あらすじ

長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

◆あの日の光は今も
1981年に大阪府東区巴杵町で2人の少年がUFOを目撃した、巴杵池(はぎねいけ)事件。
母とともに小さな旅館を営む昌輝は、かつてUFOを目撃した少年のうちの一人だった。
事件も遠い記憶になり始めたころ、湯水と名乗るライターが事件の記事を書きたいと旅館を訪ねてくる。
昌輝は湯水と宿泊客であるゆかりに向けて、あの日何が起こったかを語り始めるが――。

◆母と
真琴のもとにず助けを求めにやってきた杏という少女。
彼女が暮らす民間の更生施設・鎌田ハウスに「ナニカ」が入り込み、乗っ取られ、結果的に住人たちがおかしくなってしまったらしい。
杏を救うために真琴と野崎は、埼玉県にある鎌田ハウスへと向かう。

◆さえづちの眼
郊外にある名家・架守家で起こった一人娘の失踪事件。
「神隠し」から数十年後、架守の家では不幸な出来事が続いていた。
何かの呪いではないかと疑った当主は、霊能者の比嘉琴子に助けを求めるが――。

感想・レビュー・書評

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  •  今回は中編ということで比較的するすると読ませてもらいました。

     タイトルの『さえづちの眼』は民俗学込で楽しかったです。こういう話は大好物♪

  • 3編とも導入と中盤はおもしろくてわくわくするんだけど、終盤でしぼんでしまう印象があった。怪異は理不尽なもので、人間の思惑や心情に関係なくふりかかってくる、というのはわかるんですが、物語として唐突な感じがしました(それも理不尽を表現しているのかも、とも思いつつ)。

  • 全体のテーマみたいなものがあるとしたら「親子」だと思う。
    どれもあまり怖くなかった。
    標題の「さえづち」は、おろちっぽくていいけど、怖いか?と訊かれると…
    前半、家政婦の綴った手紙で内容が展開していく様子が、古典ホラーっぽくて好き。でも怖くない。

  • 比嘉姉妹シリーズの中編集です。
    3つの話が収録されており、どれも読みやすく面白い内容でした。
    そう、面白い。読んでいて面白いのです。
    単純に面白さを追及した読み物です。
    ホラーが大丈夫な人なら、めっちゃ楽しんで読めると思います。
    ホラーテイストの中に、人間の持つ陰の部分やドロドロとした心情、人に打ち明けられない罪などが描かれています。
    人間ってやつは、お化けよりもずっと怖いなぁ…となる話たちです。
    それがとても面白いんですよね!

  • 今回も好きだった。一つ一つ単独でもも楽しめるけど、過去作の登場人物や関連するシーンが出てくるのはシリーズ読者としても嬉しい。あと、これは他の作品でも思うけど、澤村さんは男性なのに女の苦しさをリアルにわかってくれてるところがあってそれもひとつの物語の要素としてぽんと置いて、それでも敢えて救うようなことをしない、その冷徹な距離の置き方がいいなと思う。
    個人的には一作目の叙述トリックにニマニマしました。(幸せになってほしい。メインの二人。)

  • ただのファンです

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『さえづちの眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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