水曜日の手紙 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.81
  • (87)
  • (170)
  • (126)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 2121
感想 : 113
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117743

作品紹介・あらすじ

水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの日常が記された手紙が届くという「水曜日郵便局」。主婦の直美は、職場や義父母との関係で抱えたストレスを日記に吐き出すだけの毎日を変えたいと、理想の自分になりきって手紙を出す。絵本作家になる夢を諦めて今後の人生に迷っていた洋輝も、婚約者のすすめで水曜日の手紙を書くことに。不思議な縁で交差した二人の手紙は、かかわる人々の未来を変えていく――。『夏美のホタル』『虹の岬の喫茶店』の著者が贈る、ほっこり泣ける癒やし系小説!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2023.6.16 読了 ☆9.5/10.0
    2023.10.31 再読

    "誰かの言葉があなたを変える。
    あなたの言葉も誰かを変える。
    そうして世界は変わっていく。
    今日はどんな言葉を口にする?"


    "水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの水曜日が届くという「水曜日郵便局」"

    この本に出会った時、1ページ目と裏表紙のそんな言葉を見ただけでワクワクしたのを覚えてます。




    "家の近所を歩いている猫も、花の上で花を休めているてんとう虫も、道端に咲くタンポポも、大海原でジャンプするイルカも、もちろん僕たち人間も–
    ただ生きているだけで誰かとすれ違い、大なり小なりこの世界に影響を与えているのだ。
    そして、そのご縁がどこまでも連鎖していって、この地球の見知らぬどこかで、見知らぬ誰かに影響を与えている。"




    この本の物語も、水曜日郵便局から送られてきた手紙が、そんな見知らぬ誰かの手紙が、どこかに住む見知らぬ誰かの悩みを解決する手助けをし、彼ら彼女ら自身が自らの人生を変えていくお話です。


    そんな、日常の延長にあるようなファンタジーに、心温まるし勇気をもらえます。


    〜〜〜〜〜〜〜心に響いた言葉たち〜〜〜〜〜〜〜



    "きっと、どれを選んでも正解なのだ。
    大切なのは、どの道を選ぶかよりも、むしろ選んだ道を自分たちがどう感じ、どう生きるか
    そして、誰と一緒にその道を歩むのか。"




    "人間っていう生き物は、ちょっと賢すぎるから、ついつい頭で損得ばかりを考えて行動しちゃって、その結果、後悔することが多いんだって。

    大切なのは、頭じゃなくて、心に従って行動すること。
    そうしていれば、物事がうまく行っても失敗しても、後悔することはないんだって。

    自分の心に耳を傾けて、その感情に素直に従って生きてさえいれば、死ぬ時も、きっと晴れやかな気持ちでいられるよ"
      


    "人生をいちいち深刻に考えている奴は深刻な人生を送ることになるわけだし、人生なんて遊びだと思って楽しく考えていたら、人生そのものが遊びになるわけじゃん?

    せっかく生まれてきたからには遊ばなきゃ損だと思うわけよ。やりたくないことばかりやっているうちに人生が終わっちゃうなんて、絶対に嫌じゃん?"




    "目に見えるモノを誰かと分け合えば、自分の分は減ってしまう。でも、目に見えないモノ- たとえば、やさしさやしあわせは、誰かに分けるほど増えていき、しかも、自分の分は減らない。いや、むしろ増えさえする。"

  • うーん…残念ながら好きになれませんでした。
    嘘の内容が書かれた手紙で感動したり、本来ランダムに送るべき手紙を恣意的に操作したり。何より友人の境遇を妬み自己嫌悪に陥るくだりが長過ぎて。

  • 率直に言えば、登場人物である直美も洋輝も芯の強い人たちだなぁって感じました。

    まずはそれぞれに夢を持っている。そして水曜日の手紙が届いたきっかけで、その夢に向かって進んでいく。到底、私なんかにはそこまでの夢もなければ、あったとしてもそこまでの度胸はないだろう。

    しかし、作中の手紙が登場人物たちの人生を変えたように、この作品を読んで、少しでも自分を変えられたら、少しだけでも素敵な未来が見えてこれたらいいなぁと感じさせてくれる作品でした。

  • *自分の心に嘘をつかない
    *良かれと思うことはどんどんやる
    *他人を喜ばせて自分も喜ぶ
     
    幸せになる三つの法則です

    水曜日の郵便局から来た手紙で、人生が変わる
    人生の変化は手紙を読んだ人の心が変わったから

    森沢明夫さんの本を読むと、人と人との思い遣りがとても大切なことを再度思い出させてくれます

  • 良かったです。
    単純ですが、自分も手紙を書いてみたいし受け取ってみたい。
    実在していたのに参加出来ずに残念です。
    それぞれ繋がりのある短編集でどれも良かったのですが、水曜日の手紙を書いた女性の話が1番読めて良かったです。
    人のずるい所、優しさ、妬み等が丁寧に書かれていて始めはあまり好きになれなかった彼女に共感出来ました。旦那さんも優しく素敵な、、、と思ったら他の作品にも登場されていた方でした。
    この先どうなるのか分からないけれども温かな結末でした。

  • 今日は水曜日。
    何かいいことが起こりましたか?
    それとも、つらいことがありましたか?
    あなたが水曜日の物語を書いて送ると、
    世界のどこかであなたの水曜日の物語を読む人が生まれます。
    そして、世界のどこかで暮らす、知らない誰かの水曜日の物語が、あなたの手元に届きます。

    『水曜日郵便局』実在しているそうです。

    登場人物は、
    パン屋をやりたい夢を持っていたナオミさん。
    絵本作家になりたい夢を持っていたヒロキさん。
    そして、水曜日郵便局の職員、健さん。
    それぞれの日常が描かれています。その中には誰もが経験をしたことがあるであろう暗く醜い感情も描かれています。
    それでも、読んだ後は爽やかで、
    「あぁ、私も前を向いて歩いていきたい」と思えた作品でした。

  • 誰かの綴った想いが知らない別の誰かの背中を押す、一つの手紙が幸せに変化してゆく水曜日郵便局。

    誰かと自分を比較して落ち込んだり羨んだり。その癖わかるな…
    そして "3章 光井健二郎の蛇足" から展開する物語、父と娘の物語に涙。
    この系統の物語には弱い…

  • 感想
    「大事なのは、頭じゃなく、心に従って行動すること」良い言葉だなぁ。しみじみ感じた。

    あと物語は虹の岬の喫茶店とリンクしてるんだなぁ。読んでいて優しい雰囲気を感じた。

    本当にある水曜日郵便局。見知らぬ誰かからちょっと背中を押されて、新たな決心できるかも。ちょっとホッコリする話。

    あらすじ
    井村直美は、子供が二人いる主婦。義父母と夫が経営する工場の業績は悪く、義父母との関係も上手くない。中学と高校に行く息子とは話すこともあまりない。自分の人生に疲れ果てた直美の口グセは「最悪」そんな直美が友達に紹介された水曜日郵便局に手紙を出してみることにした。

    水曜日郵便局はそこに集まった手紙をシャッフルして届けるサービスで、他の人がどんな水曜日を過ごしているかが書かれている。直美は自分の理想の水曜日をしたため、投函した。

    今井洋輝は文房具会社に勤める課長。昔はデザインの仕事をしていたが、営業職に異動になり、イラストレーターの夢を追えずにいた。同期で早々に会社を辞めて、ギリギリの生活ながらもイラストレーターの夢を追いかける友を眩しくも感じていた。モヤモヤした気持ちを手紙にぶつけ水曜日郵便局に投函する。

    光井は水曜日郵便局に勤める元漁師。妻を震災で失い、高校生の娘と暮らしていた。彼は夢を叶えた井村の手紙と夢を追いたい今井の手紙を交換することにした。また、娘には夢を諦めてほしくないことからこの手紙を読んでもらうことにした。

    今井からの手紙を受け取った直美は、少しずつでもいいから自分を変えようと、パン作りを始める。夫に夢を打ち明けたところ、夫も工場をたたみ、自分の夢である喫茶店がやりたいと語り、ちょっぴり家族が幸せな方向へ転換した。

    直美から夢を叶えた手紙を受け取った今井は、決心してサラリーマンを辞めてフリーのイラストレーターとして活動する。絵本作家になるため作品を描き、息子のために自分の遺書となるような絵本を描くことを決意する。

  • とても優しく温かい話。
    1通の手紙が背中を押してくれる。字を書くと、言霊が吹き込まれる。もらった方が頑張ろうと思うのはもちろん、送った方も手紙にしたためることで前向きになれる。
    最後の話は遺書の意味合いも持つ。「手紙は相手のことを想いながら書くから基本的にラブレター、でも上手くいかなければ相手は去ってしまうかもしれず、相手に読んでもらえる最後になるかもしれない、逆遺書的な意味合いもある」という言葉とこの本のリンク。もらった側が負担に思うのではと思うと、手紙を書きたくても書けない葛藤があったけど、この本を読むと私も手紙を書きたくなってきました。

  • 「水曜日郵便局」
    水曜日の出来事を綴った手紙を出すと、同じ様に何処かの誰かが綴った水曜日の手紙が届く…
    決して出会うことのない誰かの水曜日と巡り会う奇跡と、その奇跡を通して、日常にほのかに生まれる奇跡…

    それぞれの登場人物の日常が、水曜日の郵便局を通じて巡り合い、少しずつ変化していく。
    また水曜日の郵便局の運営側についても、物語の中で触れられており興味深く読めた。

    手紙だからといって、自分の書いた内容に対する返事はない。その代わりに、誰かの水曜日が綴られた手紙が届く。

    確かに自分の人生、最後に答えを見つけるのは自分しかいない。答えが無くても、道を選んで進んで行くことも自分にしか出来ない。
    その意味では、手紙に書くことで自分の気持ちを整理したり発散させることも、誰かの手紙を通じて勇気付けられたり共感することも、自分の人生のヒントになったり道標になったりするのだろう。

    森沢明夫さんのあとがきにて、水曜日の郵便局が実在していたことを知った。
    既に閉局したようだが、こんな素敵なプロジェクトが発足して本が出版されるという奇跡!なんともこころ温かく勇気付けられた。

全113件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森沢明夫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×