水曜日の手紙 (角川文庫)

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  • 本 ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117743

作品紹介・あらすじ

水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの日常が記された手紙が届くという「水曜日郵便局」。主婦の直美は、職場や義父母との関係で抱えたストレスを日記に吐き出すだけの毎日を変えたいと、理想の自分になりきって手紙を出す。絵本作家になる夢を諦めて今後の人生に迷っていた洋輝も、婚約者のすすめで水曜日の手紙を書くことに。不思議な縁で交差した二人の手紙は、かかわる人々の未来を変えていく――。『夏美のホタル』『虹の岬の喫茶店』の著者が贈る、ほっこり泣ける癒やし系小説!

感想・レビュー・書評

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  • 「目に見えないモノー たとえば、やさしさやしあわせは、誰かに分ければ分けるほど増えていき、しかも、自分の分は減らない。いや、むしろ増えさえする」
    水曜日の手紙の内容が、嘘でも本当でも、この二人の本心が表れている。なりたい自分が、なりたかった自分がそこにある。
    それを受け取った二人が大いに誤解し、新たな一歩を踏み出すきっかけになればいい。

    「遺書」という言葉にまんまと騙された。
    嬉しい裏切りがあたたかい。
    誰のために何のために表現するのか
    それを考えるきっかけになった。

    ありがとうございます。
    森沢明夫さん。

  • 隣の芝生が青く見えたり、我慢してしまったり。人生ままならないと思う時、見知らぬ人の手紙にしたためられた「日常」の中に、そっと背中を押してくれる何かを見付けることができるのかも。今日よりも良い明日を送りたい

  • 森沢明夫さん作品は裏切らないなぁ。
    手紙を通して緩やかに繋がっていく短編集。
    自分の水曜日の物語を綴り手紙を投函すると、見知らぬ誰かの水曜日の物語が届くという「水曜日郵便局」。
    なんて素敵な取り組みだろうと思ったら、実際に宮城県に存在していたんだね。今は閉局されたみたい。
    隣の芝生は青いもの。主人公たちは、友人を羨んだり、理想と現実の差に悩んでいたが、水曜日の手紙がきっかけとなり、大切なことに気づいていく。
    今作も、心に染みる言葉がいっぱいあった。
    「頭じゃなくて、心に従って行動すること。そうしていれば、物事が上手くいっても失敗しても、後悔することはない」
    「どの道を選ぶかよりも、むしろ選んだ道を自分たちがどう感じ、どう生きるか」
    どの言葉も、うんうん、そうだよね、と頷きながら読んだ。
    自分の人生は自分で決めるしかないんだよね。また、水曜日の手紙を書いた彼らのように、何気ない日常にある小さな幸せを見逃さずに生きていきたいな。

    • 1Q84O1さん
      ほんと心に染みる言葉ですね
      (*˘︶˘*).。.:*♡
      自分の人生をしっかり進んでいきましょ!
      ほんと心に染みる言葉ですね
      (*˘︶˘*).。.:*♡
      自分の人生をしっかり進んでいきましょ!
      2024/10/29
    • ひろさん
      森沢作品は沁みる言葉がいっぱい詰まってますね
      (*˘︶˘*).。.:*♡
      はい!自分の人生しっかり進んでいきましょー!
      森沢作品は沁みる言葉がいっぱい詰まってますね
      (*˘︶˘*).。.:*♡
      はい!自分の人生しっかり進んでいきましょー!
      2024/10/29
  • 「水曜日郵便局」というのがあったのを知らなかった。もう数年前に閉局しているらしい。今更ながらだけど、なんて素敵な企画だったんだろう。

    思いを文字にするという作業は、案外難しい。このレビューも然り。形にこだわるのか、上手く書こうとする微妙な気持ちがそうさせるのか。

    でも手紙で思いを綴るのは、私の場合は意外にサラサラと書ける。特に夜に興奮してがーーっと書いて、朝見るとちょっと恥ずかしい...なんて若かりし頃の経験多々あり。1番心に近い文字がペンを通じて溢れ出てくる。日記も書いてたなあ。

    この本に出てくる人達も、自分の気持ちに正直に、誰に向けてというわけでもないけれど、水曜日の自分の気持ちを手紙にしたためる。何の鎧も着ていない心に近い言葉は、どこにいるかも分からないある人の心に響く。それを読んだことで、自分の人生の舵が大きくきれるなんて凄いこと。
    誰が読むか分からないところが、自分を素直にしてくれるのかな。

    このブクログも似てるな、とふと思った。
    実際の友に読後感想を言うのが恥ずかしいなあ...なんて思って始めたこのブクログ。ブクログレビューを書くようになって、自分の気持ちを確かめることも出来たし、人のレビューを見て心動かされることも沢山ある。文字だけなのに。文字って凄いな。自分のレビューを読んでもらえること、皆さんの思いを読むことが出来ることに感謝。

    初森沢さん作品、一気読みでした。
    これから、郵便局繋がりの本を続けて読んでみようっと。

    • へぶたんさん
      わ〜Manideさん!こんばんは♪

      いつの間にか秋を通り越し、寒い冬になろうとしているこの頃、こんな時こそほっこり森沢さん作品ですよね(^...
      わ〜Manideさん!こんばんは♪

      いつの間にか秋を通り越し、寒い冬になろうとしているこの頃、こんな時こそほっこり森沢さん作品ですよね(^-^)この本、とてもよかったですよ〜オススメです♪

      そうだ!郵便局しばりしてた笑
      登録し忘れてた本を思い出しました!
      折角だし、再読してレビューします〜*\(^o^)/*
      2024/11/04
    • Manideさん
      ありがとうございます〜

      この本、読んでみま〜す(^^)
      ありがとうございます〜

      この本、読んでみま〜す(^^)
      2024/11/04
    • へぶたんさん
      是非〜〜♪o(^o^)o
      是非〜〜♪o(^o^)o
      2024/11/04
  • 水曜日郵便局が現実にあったら素敵だなぁ…
    自分の書いた水曜日が知らない誰かの元に届けられて、自分の元には知らない誰かの水曜日が届く。
    最近はSNSが便利すぎて手紙を書くってことが減ったけど、久しぶりに誰かに手紙書いてみようかな!

    ほっこり優しい気持ちになれる1冊だった。

    • ひまわりめろんさん
      こんちは

      つか実際にあった「水曜日郵便局」をモデルにしてこのお話が書かれているんですよん
      今は閉局しちゃってますけどね

      森沢明夫さんは実...
      こんちは

      つか実際にあった「水曜日郵便局」をモデルにしてこのお話が書かれているんですよん
      今は閉局しちゃってますけどね

      森沢明夫さんは実在する人や場所をモデルにして書かれていることめちゃめちゃ多い作家さんですちなみに
      2024/07/19
    • みたらし娘さん
      ひまわりめろんさん

      こんにちは。コメントありがとうございます!
      そうなんですね!送って見たかったなあ…

      情報ありがとうございます\( ´...
      ひまわりめろんさん

      こんにちは。コメントありがとうございます!
      そうなんですね!送って見たかったなあ…

      情報ありがとうございます\( ´ω` )/

      森沢明夫さんの小説は実際に存在するモデルが多いんですね…それも知らなかったです(´・ω・`)
      2024/07/19
  • 2023.6.16 読了 ☆9.5/10.0
    2023.10.31 再読

    "誰かの言葉があなたを変える。
    あなたの言葉も誰かを変える。
    そうして世界は変わっていく。
    今日はどんな言葉を口にする?"


    "水曜日の出来事を綴った手紙を送ると、見知らぬ誰かの水曜日が届くという「水曜日郵便局」"

    この本に出会った時、1ページ目と裏表紙のそんな言葉を見ただけでワクワクしたのを覚えてます。




    "家の近所を歩いている猫も、花の上で花を休めているてんとう虫も、道端に咲くタンポポも、大海原でジャンプするイルカも、もちろん僕たち人間も–
    ただ生きているだけで誰かとすれ違い、大なり小なりこの世界に影響を与えているのだ。
    そして、そのご縁がどこまでも連鎖していって、この地球の見知らぬどこかで、見知らぬ誰かに影響を与えている。"




    この本の物語も、水曜日郵便局から送られてきた手紙が、そんな見知らぬ誰かの手紙が、どこかに住む見知らぬ誰かの悩みを解決する手助けをし、彼ら彼女ら自身が自らの人生を変えていくお話です。


    そんな、日常の延長にあるようなファンタジーに、心温まるし勇気をもらえます。


    〜〜〜〜〜〜〜心に響いた言葉たち〜〜〜〜〜〜〜



    "きっと、どれを選んでも正解なのだ。
    大切なのは、どの道を選ぶかよりも、むしろ選んだ道を自分たちがどう感じ、どう生きるか
    そして、誰と一緒にその道を歩むのか。"




    "人間っていう生き物は、ちょっと賢すぎるから、ついつい頭で損得ばかりを考えて行動しちゃって、その結果、後悔することが多いんだって。

    大切なのは、頭じゃなくて、心に従って行動すること。
    そうしていれば、物事がうまく行っても失敗しても、後悔することはないんだって。

    自分の心に耳を傾けて、その感情に素直に従って生きてさえいれば、死ぬ時も、きっと晴れやかな気持ちでいられるよ"
      


    "人生をいちいち深刻に考えている奴は深刻な人生を送ることになるわけだし、人生なんて遊びだと思って楽しく考えていたら、人生そのものが遊びになるわけじゃん?

    せっかく生まれてきたからには遊ばなきゃ損だと思うわけよ。やりたくないことばかりやっているうちに人生が終わっちゃうなんて、絶対に嫌じゃん?"




    "目に見えるモノを誰かと分け合えば、自分の分は減ってしまう。でも、目に見えないモノ- たとえば、やさしさやしあわせは、誰かに分けるほど増えていき、しかも、自分の分は減らない。いや、むしろ増えさえする。"

  • うーん…残念ながら好きになれませんでした。
    嘘の内容が書かれた手紙で感動したり、本来ランダムに送るべき手紙を恣意的に操作したり。何より友人の境遇を妬み自己嫌悪に陥るくだりが長過ぎて。

  • *自分の心に嘘をつかない
    *良かれと思うことはどんどんやる
    *他人を喜ばせて自分も喜ぶ
     
    幸せになる三つの法則です

    水曜日の郵便局から来た手紙で、人生が変わる
    人生の変化は手紙を読んだ人の心が変わったから

    森沢明夫さんの本を読むと、人と人との思い遣りがとても大切なことを再度思い出させてくれます

    • まいけるさん
      MRさんの影響を受けて読見ました!
      芯からあったまるいい話でした。
      3つの人生訓、守れるかな?笑
      MRさんの影響を受けて読見ました!
      芯からあったまるいい話でした。
      3つの人生訓、守れるかな?笑
      2024/04/04
    • MRさん
      まいけるさん、こんばんは!
      コメントありがとうございます♪
      森沢明夫さんの本は心に響く良い本ですよね!
      まいけるさん、こんばんは!
      コメントありがとうございます♪
      森沢明夫さんの本は心に響く良い本ですよね!
      2024/04/04
  • 率直に言えば、登場人物である直美も洋輝も芯の強い人たちだなぁって感じました。

    まずはそれぞれに夢を持っている。そして水曜日の手紙が届いたきっかけで、その夢に向かって進んでいく。到底、私なんかにはそこまでの夢もなければ、あったとしてもそこまでの度胸はないだろう。

    しかし、作中の手紙が登場人物たちの人生を変えたように、この作品を読んで、少しでも自分を変えられたら、少しだけでも素敵な未来が見えてこれたらいいなぁと感じさせてくれる作品でした。

  • 水曜日の出来事を綴った手紙を送ると見知らぬ誰かの水曜日が届くという「水曜日郵便局」。実在したプロジェクトがモチーフの物語。

    毒を吐き出してはより心が真っ黒になったり、夢があるものの今後の人生に迷い、踏み出さない理由を探しては自分を納得させようとする様に近年の自分が重なってすぐに感情移入。
    そんな2人の手紙が縁あって交差し、互いに一歩踏み出す勇気になり、未来を変えていく。

    不安も苦しさもあるけれど、心根が変わった行動で掴んだ小さな光に、やさぐれた心が癒される。不思議な縁の力、気付ける自分でいたいな。

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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