インド史 南アジアの歴史と文化 (角川ソフィア文庫)

  • KADOKAWA (2021年11月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041118504

作品紹介・あらすじ

多様な民族、言語、宗教を広大な大地に包摂し、豊かな文化を築いてきたインド。古代インダス文明の萌芽と神話の成熟。今もインド社会を支配するカースト制度の成立。仏教の誕生、イスラーム王朝の乱立。そして西欧列強による植民地化への長い抵抗の歴史を経て、国家としての独立を勝ち獲るまで、争いに満ちた激動の時代を辿る。5000年にわたる悠久の歴史を南アジア研究の大家が描く、礎としての一冊。
写真・解説/大村次郷

みんなの感想まとめ

インドの歴史と文化の複雑さを、コンパクトかつ分かりやすく描き出した一冊です。多様な民族や宗教、言語が交錯する中で、古代から現代に至るまでの歴史的な流れが鮮明に示されています。特に、アレクサンドロスの遠...

感想・レビュー・書評

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  • 本書を読み、インド亜大陸がいかに東西文明の交差点であったかが鮮明になった。アレクサンドロスの遠征がもたらしたギリシャ文化はガンダーラ美術として結実した。それが仏像という「インド的なもの」の原型をギリシャ人彫刻家が残したという逆説はいまの「常識」からすると混乱するが、象徴的だ。

    イランのペルシャ文化がムガル宮廷に溶け込み、イスラームが数学・天文学をインドに持ち込んだのもそう。北西の山岳路から波のように押し寄せた文化が、ドラヴィダ系などの先住の文明と混ざり合いながら堆積してきたのがインド史の骨格だということを理解できた。

    コンパクトゆえに記述は淡白だが、その分だけ歴史の大きなうねりが見えやすい。カースト制度の形成からデリー・スルタン朝の乱立、ムガル帝国の盛衰、そしてイギリス植民地支配と独立まで、北と南で異なる歴史を歩んだ亜大陸の全体像が一望できる。話が1990年代で終わっているのはやむを得ない。モディ率いる今のインドにつなげようと思えば、他の本に頼るしかない。

    「多様なものを束ねる原理は何か」という問いが残る。言語・民族・宗教・カーストに分断されながら、インドは世界最大の民主主義国家として現在も動き続けている。GDPで日本を超え、グローバルサウスの中心となっているインド。インド理解の出発点としてとらえるとよいと感じた。

  • 辛島 昇
    1933年生まれ、東京大学名誉教授、大正大学名誉教授。専門は南アジア史。タミル語刻文研究やカレーの研究で知られ、History and Society in South india(Oxford University Press)によって日本学士院賞を受賞。『インド・カレー紀行』(岩波ジュニア新書)、『インド文化入門』(ちくま学芸文庫)など多数の著作がある。2015年、没。

  • 本書は複雑なインドの歴史が、文庫本の少ないボリュームで簡潔にわかりやすくまとめまれています。主要な王朝と地方勢力の流れだけではなく、その背後にある文化の移り変わりを結びつけて解説してくれるので驚くほど理解しやすいです。

    しかし、それでもやはりインド史は捉えにくいです。ヴァルダナ朝まではまだ北インドの覇権王朝の流れがイメージしやすいですが、ムガル帝国までのラージプート諸王朝とデリースルタン朝の時代はまさに混沌としてます。群雄割拠の戦国時代が700年も続いてるイメージです。ムガル以後も、実際は地方勢力やイギリスが絡んで一筋縄ではいきません。

    この多様な地域と文化をみると、イギリスの支配に立ち向かうための「インド人」というナショナリズムを持つのは難しかったんだろうなと想像します。

    本書は、そんなやっかいなインド史を、細かすぎず大まかすぎずの絶妙なバランスで要約してくれています。ページ数も少ないので、これからも何度か読んで頭に入れたいです。

  • kindle unlimitedとしてあり、中央アジアの歴史本を読んだ際にムガル帝国などのインドに関する記述もあり、これを機にインド史を知りたいと思って読了した。
    元々インドに関してはカースト制度でのカースト間の差や、ヒンドゥー教やイスラム教、仏教が乱立しているなど、複雑な国だなという大雑把な印象しかもっていなかったが、この書籍を読んでなぜ複雑になっていったのかのかが伺い知れた。(正直、複雑すぎて追えない状態だったが、これでも割と端折って説明していると思われ、本気で勉強しようとしたら大変だと思われる。)
    大陸にあり中東からの人の流入が容易であること、インド亜大陸自体が南北にも東西にも広がっていることが、ここまで民族・宗教・人種が入り乱れているのかと思うと、島国日本との違いがとてつもなく大きいと感じた。
    また、18世紀以降の主にイギリスの支配になるまでの経緯を見ても、諸々の対立が原因で団結した組織が作れない状態というのが今も続くインドの悩みの種なのだと理解した。

  • 紀元前3000年前まで遡る。インダス文明などの時代を経て、インドの北と南で文化も交易も栄えた、圧倒的なパワー。そして植民地、分離独立。この本は確かに早送りなので今後ゆっくり勉強する楽しみをつくったということで。

    続きはメインブログで
    https://wp.me/pgG1ce-30e

  • 佐賀大学附属図書館OPACはこちら↓
    https://opac.lib.saga-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC11572966

  • 元々の本は21世紀初頭に出されており、それを文庫化したもの。
    そのため最新の情報ではないことに注意が必要。

    インド史の通史を探したところあまり近年は出版されていないようで、とりあえずコンパクトなこの本を選択した。

    インドと一口にいってもその領土は非常に広大である。
    その面積の通史を古代から現代までカバーしようとするとかなり大変なようで、どうしても時系列にそっての羅列が目立ってしまい読みにくかった。
    とはいえそれでも近代部分はかなりわかりやすく書かれていた。
    この本をとっかかりにして各時代を読み込んでいくにはよいのではないかと思う。

  • コンパクトなインド通史。過去に学んだ内容を思い出しながら読めた。

    中世インドの各国の外交・戦争の箇所は、もっと深く学んだ上で読まないと頭に入らないと思う(本が原因ではなく、勉強不足が原因)。

  • 遠大で濃厚なインドの歴史をコンパクトに概説するのは容易でなかったようで、いまだ謎が多い古代に関する記述こそ興味をそそられたが、時代がくだり、史実が明瞭になるほど、事実の羅列の弊に陥った感があった。

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著者プロフィール

1933年生まれ、東京大学名誉教授、大正大学名誉教授。専門は南アジア史。タミル語刻文研究やカレーの研究で知られ、History and Society in South india(Oxford University Press)によって日本学士院賞を受賞。『インド・カレー紀行』(岩波ジュニア新書)、『インド文化入門』(ちくま学芸文庫)など多数の著作がある。2015年、没。

「2021年 『インド史 南アジアの歴史と文化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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