- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041118504
作品紹介・あらすじ
多様な民族、言語、宗教を広大な大地に包摂し、豊かな文化を築いてきたインド。古代インダス文明の萌芽と神話の成熟。今もインド社会を支配するカースト制度の成立。仏教の誕生、イスラーム王朝の乱立。そして西欧列強による植民地化への長い抵抗の歴史を経て、国家としての独立を勝ち獲るまで、争いに満ちた激動の時代を辿る。5000年にわたる悠久の歴史を南アジア研究の大家が描く、礎としての一冊。
写真・解説/大村次郷
感想・レビュー・書評
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本書は複雑なインドの歴史が、文庫本の少ないボリュームで簡潔にわかりやすくまとめまれています。主要な王朝と地方勢力の流れだけではなく、その背後にある文化の移り変わりを結びつけて解説してくれるので驚くほど理解しやすいです。
しかし、それでもやはりインド史は捉えにくいです。ヴァルダナ朝まではまだ北インドの覇権王朝の流れがイメージしやすいですが、ムガル帝国までのラージプート諸王朝とデリースルタン朝の時代はまさに混沌としてます。群雄割拠の戦国時代が700年も続いてるイメージです。ムガル以後も、実際は地方勢力やイギリスが絡んで一筋縄ではいきません。
この多様な地域と文化をみると、イギリスの支配に立ち向かうための「インド人」というナショナリズムを持つのは難しかったんだろうなと想像します。
本書は、そんなやっかいなインド史を、細かすぎず大まかすぎずの絶妙なバランスで要約してくれています。ページ数も少ないので、これからも何度か読んで頭に入れたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コンパクトなインド通史。過去に学んだ内容を思い出しながら読めた。
中世インドの各国の外交・戦争の箇所は、もっと深く学んだ上で読まないと頭に入らないと思う(本が原因ではなく、勉強不足が原因)。 -
遠大で濃厚なインドの歴史をコンパクトに概説するのは容易でなかったようで、いまだ謎が多い古代に関する記述こそ興味をそそられたが、時代がくだり、史実が明瞭になるほど、事実の羅列の弊に陥った感があった。
著者プロフィール
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