贄の花嫁 優しい契約結婚 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 114
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041118733

作品紹介・あらすじ

私は今日、顔も知らぬひとのもとに嫁ぐ――。
雨月智世(うづき ともよ)、20歳。婚約者の玄永宵江(はるなが しょうえ)に多忙を理由に結納をすっぽかされ、一度も会えぬまま今日に至ったのだ。
初めて顔を合わせた彼は、恐ろしいほどに整った顔と、美しい黒曜石のような瞳を持つ美丈夫だった。
智世を見つめる彼の目に浮かんでいたのは紛れもない歓喜。「嫁に来てくれて本当に嬉しい」――。

何故宵江がここまで想ってくれるのか分からぬまま、智世は玄永家での生活を始めるが、宵江は相変わらず多忙らしく、すれ違い生活が続く。
この結婚について、そして自分のことを本当はどう思っているのか、何も話し合えぬまま、智世は不安な日々を過ごす。
だが、宵江は常に智世に優しく、また玄永家の屋敷のものたちも智世に気軽に話しかけてくれるため、智世の心もほぐれ、新生活を楽しめるようになってきた。

そんなある日、屋敷の書庫で智世は玄永家の秘密を知ってしまう。
実は玄永家は人間ではなく狼の一族。先祖代々時の政権に仕え、国の平和を乱す異形に対処する「異形専門」の警察部隊だったのだ。
しかも、そこには自分の生家・雨月家の家系図も。なんと雨月家は代々、神に仕える巫女――神凪(かんなぎ)の家系だったという。自分はもしかして、宵江に捧げられた生贄なのか……。
疑問が頭をうずまくなか、何も教えてくれない宵江に智世は不安を覚えるが、宵江の溺愛ぶりは全く変わらずで調子が狂ってしまう。
その頃から、智世が嫁ぐ前から横行していた辻斬りが激しくなり、宵江の周りもきな臭くなり、智世は自分に出来ることはないか苦悩するが……。

これは、優しい旦那様と一生懸命な花嫁の、幸せな物語。

イラスト/烏羽雨

感想・レビュー・書評

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  • こんな風に優しく丁寧に大事にされてみたいもんです。どんな秘密があろうと惚れてまうでしょう!? 宵江さんのような旦那さん、いいな。控えめだしクールな印象なんだけど、全身から好きが溢れてる感じ。でもグイグイくるわけじゃなく、恐がらせないようにゆっくりとゆっくりと…。
    とびきり優しいです、この旦那!!

  • 旦那さんが初手から智世を好きで好きで仕方ないのを全く隠していないし、周囲も賑やかなキャラクターで満ち溢れているので、タイトルに『贄』とある割にはほのぼのしていた。
    『贄』と言いつつも、実態が分かってみると、命を脅かされるほどのことでもない。
    自我をなくした旦那に噛みつかれたことはあったけど、三日ほど寝込んだけど、命を奪われるほどではない。
    寧ろ魑魅魍魎に襲われる方が命の危険性があった気が。

    途中までは和気藹々としてほのぼのしていたけれど、辻斬りの犯人に近付き出した頃から、雰囲気が変わった。
    智世が拐われて、旦那さまもピンチの状態。
    そこでやって来るのがお兄様とは。
    結局、犯人を倒したのはお兄様、主役二人は無事を確認しあっただけで、直後に数ヶ月後に話が飛んだので、その展開には非常に驚いた。
    え、『贄』の力を使って旦那さまを癒して、敵を倒す展開かと思っていたのに、美味しいところはお兄様が持っていくのかい!とツッコミを入れてしまった。
    肝心なところで主役が活躍しないという珍しいパターンだった。
    抱き合っている場合ではなかったのでは、お二人さん……

  • 気持ちはわからなくもないけど、早く事情を話してあげてよーとヤキモキした。続編も出るようなので、読んでみよう。

  • 来光さん、意外にツンデレでいい人(人……?)じゃんねw きっと、彼にもそのうち大事な人ができるよ。
    主人公夫妻はらぶらぶなので、考えなくても大丈夫でしょう。

  • モフモフ祭り

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著者プロフィール

東京都杉並区生まれ。2019年、第5回角川文庫キャラクター小説大賞《優秀賞》を受賞し、同作を加筆・改題した『鬼恋綺譚 流浪の鬼と宿命の姫』でデビュー。脚本家としても活動している。

「2022年 『贄の花嫁 黒い夢と願いの子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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