虚魚 (1)

  • KADOKAWA (2021年10月22日発売)
3.21
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784041118856

作品紹介・あらすじ

“体験した人が死ぬ怪談”を探す怪談師の三咲は、“呪いか祟りで死にたい”カナちゃんと暮らしている。幽霊や怪談、呪いや祟り、オカルトや超常現象。両親を事故で亡くした日から、三咲はそんなあやふやなものに頼って生きてきた。カナちゃんとふたりで本物の怪談を見つけ出し、その怪談で両親を事故死させた男を殺すことが、いまの三咲の目標だ。
ある日、「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という噂を耳にした三咲は、その真偽を調べることにする。ある川の河口で似たような怪談がいくつも発生していることがわかり、ふたりはその発生源を求めて、怪異の川をたどっていく。“本物”の怪談に近づくうち、事情を抱えるふたりの関係にも変化がおとずれて――。
選考委員の絶賛を浴びた第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>受賞作。

みんなの感想まとめ

体験した人が死ぬ怪談を追い求める怪談師と、自らの死を願う少女の物語が展開されます。彼女たちは、釣り上げた人が死ぬという不気味な魚の噂を調査するため、怪異の川をたどります。物語の中で、二人の関係や心の変...

感想・レビュー・書評

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  • 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。

    怪談師の丹野美咲は身元不明の自殺志願者だったカナちゃんが酔っ払って倒れているのを拾って、一緒に暮らしています。

    美咲は車の事故で両親を中学生の時に亡くしその交通事故を起こした犯人を本当の怪談によって殺して復讐したいと思っています。

    美咲とカナちゃんは狗竜川に現れるという釣り上げた人が死んでしまうという魚を探そうとします。

    一方、カナちゃんもとある目的から、偶然ではなく美咲に近づいてきたことがわかります。

    カナちゃんの目的はこの世に呪いが実在しないことを証明することです。

    オカルトって本当にあるのか。あることを証明するより、ないことを証明する方が難しいとこの本にあります。私はオカルトはない方が絶対いいと思います。

    前半の四分の三は魚に関する怪談と美咲とカナちゃんの関係などですが、後半の方はとある人物の過去が絡みミステリー的な展開になります。

    私はオカルトやホラーよりミステリーの方が好みなので、後半の展開の方が断然面白く読めました。
    後半のミステリーとホラーの絡みにはかなりぞっとしました。

  • ホラーミステリの一冊。
    "体験した人が死ぬ怪談"を探す怪談師の美咲と"呪いや祟りで死にたい"カナちゃんが魚に纏わる怪異の真偽を調べていく物語。

    新名作品の中では一番サクサク読めて楽しめたかな、という印象。というか、改めてこの作家さんのバラエティに富んだ筆力を感じた時間でもあった。

    源流を求めて怪異の川を辿っていく、徐々に苦しみの過去を背負った二人の心に変化が訪れていく、その重ね合わせが巧い。

    終盤はホラーミステリとして、数々の言葉、あの時…を回収しながら楽しめたのも良かった。

    怪談の根っこって想像以上に深いのかも。

  • 怪談師と少女は,釣人が死ぬ魚の噂の真偽を調査。二人は怪異を辿っていくうちに,危険な事件に遭う。怪談より現実に遭遇する事件の方がリアリティがあって怖い。

  • 自分の両親を事故死させた相手を呪いの力で殺したい主人公と、呪いで死にたいカナちゃんの話。
    途中まではテンポもよく、少しずつ分からなかかったことが繋がっていく感じがよかった。どんな終わり方になるんだろうと期待していたら昇の妹がキリコで~の辺りから途端に面白くなくなってしまった。
    あれ?これって続編があるのか?というくらいに中途半端というがぶん投げた感じ。ということはマンションの人達が自殺したのも昇の死もホテルの話も河童みたいなものも全部よく分からなくて柱の怪談が生み出したのかも知れないということなのかな?
    カナちゃんと友人の件だけは、偽物の儀式だったとしても恐れがあると見えないものが見えたり、集団心理が働くので彼女が呪いを作ってしまったというのも理解できる。
    全体を通すと煽るだけ煽って調査はまだまだ続くと最後に出てくるホラー番組みたいなモヤモヤさ。ホラーにしてもヒトコワにしてももう少しなるほどなと思わせられる要素が欲しかった。

  • 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞受賞作に加筆修正して2021年10月角川書店刊。三咲とカナちゃんの怪談を追いかけるそれぞれの理由が明らかになって行く語り口に興味を惹かれ夢中になった。怪談師をやっている三咲と謎のカナちゃんに魅力があって面白い。本物の怪異はあるのかどうかという点が気になり、一気読みでした。


  • 第41回 横溝正史ミステリ&ホラー大賞
    大賞受賞作

    両親を事故で失い、人を殺せる怪談を探す
    主人公の三咲。

    自殺願望を抱く身元不詳のカナちゃん。

    怪談探しに加わる三咲の元カレの昇と
    三咲を見守りサポートする弁護士の松浦。

    都市伝説や怪談に伝承的な要素も加わって、
    目に見えないうすら怖さがじわじわと
    這い寄ってくる感じが不気味です。

    三咲とカナちゃんが手繰り寄せた怪談は
    偶然か何者かに仕組まれた必然なのか。

    人間のさまざまな感情が折り重なって作る
    不可視な何かと、登場人物が胸に秘めた思いが
    複雑に絡まり合ったホラー感漂うミステリー。

  • 「人を殺す怪談」を探す主人公と呪いで死にたい相棒の設定に引き込まれました。
    ホラー小説というよりかはミステリー要素が強く、怪談の謎に迫っていく描写もテンポがよく、非常に読みやすかったです。ただモヤッとしたところもあったので評価は3くらいかなと思いました。

  • 怪談師の三咲は、呪いや祟りで死にたいと願うカナちゃんと知り合い一緒に暮らすようになった…2人は「釣り上げた人が死んでしまう魚がいる」という話を聞き、そのルーツを辿る旅をする…そんな中それまでお互いに触れようとしなかった過去が怪談のルーツとともに徐々に明らかになっていく…。読みながら怖いなぁ…と思いました。怪談を作るのも怪談と捉えるのも人間であって…でもそれによって関わる人の人生が変わっていく…そんな風な落としドコロかな~とか、漠然と感じました。ラストは意外でしたが、読みやすい作品でした!

  • タイトルの読みは「そらざかな」です。

    本当に人が死ぬ怪談を探している怪談師の三咲と、その同居人である呪いか祟りで死にたいカナちゃんが、釣り上げた人が死ぬという魚の怪談(どちらかと言うと都市伝説みたいな話)の真相を探し出そうとすることから話が始まります。

    まずは、とても柔らかい文体で書かれていることに驚きました。

    主人公たちが、現代的なSNSではなく、古いインターネット掲示板や個人ブログなどで情報収集しているのが、懐かしい感じがしました。

    怪談というより都市伝説的な話の伝播の謎を中心にした物語でしたが、そこそこ面白かったです。
    もっとも、怖くはなかったです。


  • 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞受賞作。
    怪談が苦手だけど、彼女たちの過去と未来が気になって夜中に一気に読んでしまった。
    本当に人が死ぬ怪談を探している三咲と、呪いか祟りで死にたいと思っているカナちゃん。二人の一致した利害がたどり着いた「見たら死ぬ魚」の怪談。とある川をさかのぼり追い続ける噂。
    怪談を探し続ける二人の旅、少しずつあらわになる噂。そしてたどり着いた「真実」。
    そこからの展開の見事さよ。
    子どもの頃、誰もが怖がりながらも心惹かれた「怪談」の、その源にあるもの。
    本当に怖いのは…
    最初と真ん中と最後の、「ぞわ感」の変化にしがみつきながら読む。
    ホラーのようでミステリ。トンデモ話のようで民俗学的、と思わせておいての伏線回収。
    コワ面白いったらありゃしない。

  • 何冊か新名さんの本を読んだけど
    今のとこ、この本が一番面白い。
    確かにミステリーでもあり
    ホラーでもあるO━d(*´ω`*)b━K

    怪談師の丹野三咲は、
    両親を殺した人物に復讐したいがため
    「本当に人が死ぬ怪談」を探していた。
    そんな時に"呪いや祟り"で
    死にたがってるカナちゃんと出会い、
    利害が一致した2人は”本当に死ぬ”怪談を探していた。
    三咲の元彼・西賀昇(大学院生)も協力的で情報を提供。

    『釣り上げると死ぬ魚』とは?

    三咲の心情、
    カナちゃんの過去、
    そして昇の事情。

    怪談の起源を辿った先にあるものは……

  • ホラーだと思っていたが、途中からもっと壮大な内容だった。
    主人公が怪談師ということもあって、中盤まではあちこちで聞いてきた怪談話がたくさん出てきたりして、情報量が多いな…と思っていた。
    怪談の成り立ち、そしてそれがどのように脚色され、どのように広まっていくのか。
    怪談の内容にスポットを当てがちだが、怪談自体に目を向けるのは新鮮だった。
    登場人物の関係性があらわになるのも驚きだし、最後は思いっきりホラーというのも面白い。
    怪談に取り憑かれた人達の行く末は幸か不幸か。

  • ホラーなのか、これは。
    ホラーミステリーというジャンルだったので、ホラーは苦手でもイケるのではと思い購入。
    結果、怖くない。ホラー苦手でも読める。
    むしろどこがホラー?という気分。
    読みやすかったし、3人の関係もなるほどねとは思うけど、もうひと捻り欲しかったな

  • 意味わかんない

  • 怪談→事件になっていくストーリーで面白かったです。設定がまず怖かったです。タイトルの「魚」というのはこの本を読んでそういうことだったのねと理解しました。人間は過去に受けたダメージの犯人を復讐したい生き物だということを改めて実感した本でした。

  • 事情を抱える怪談師の三咲とカナちゃんがとある怪談・怪異に迫るお話で、満足度の高い素晴らしい作品でした。
    非常に読みやすい文章であるのと帯の通り受賞作品でもあり、描かれているホラーとミステリが凄く良かったです。

  • 怪談の出どころを探す。そんな中で登場人物の関係性が暴かれていく。
    ホラーの要素もミステリの要素もあり楽しめました。

  • 着地、構想が良い。テンポの良さも際立っている。良作。

  • 怪談師の三咲は、体験した人が死ぬ怪談をカナと探している。呪いか祟りで死にたいと言うカナ。
    ある日、釣り上げた人が死ぬ魚の噂を聞いた二人は、その真偽を確かめるために調べるが…。

    「その怪談は真実か」
    その過程がミステリーっぽくて、ホラー苦手な私でも読み終えられた。
    あと三咲とカナの関係性と、その背景。
    三咲の成長譚としても読める。
    もう少し驚きがあってもよかったかなとも思うけど、怪談を扱う以上はきっちりくっきりさせない部分もある程度必要なのかな。

  • 魚の怪談を追って行くとどんどん川を遡っていくのが面白かった。
    少しずつ怪談の輪郭がはっきりしてくるところに気を取られていたら、オチでそうくるかぁとびっくりしました。

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著者プロフィール

1992年生まれ。長野県上伊那郡辰野町出身。2021年『虚魚』で第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>を受賞し、デビュー。

「2023年 『きみはサイコロを振らない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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