- 本 ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041118863
作品紹介・あらすじ
身分違いの恋、救いのない終焉。
少女が抱える鉢の中には愛しき人の頭部!?
ルノワール、ミュシャ、ホッパー、クリムトなど
名画に描かれたアイテムをもとに、歴史の謎や闇、社会背景、画家たちの思惑を読み解きます。
サージェント『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』×「提灯」
ホッパー『ナイトホークス』×「煙草」
ファレーロ『サバトに赴く魔女たち』×「箒」
カラヴァッジョ『バッカス』×「ワイン」
ウッチェロ『聖ゲオルギウスと竜』×「ドラゴン」
クストーディエフ『マースレニツァ』×「馬そり」
ミュシャ『メディア』×「蛇の腕輪」
ヴ―エ『時の敗北』×「ラッパ」
感想・レビュー・書評
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表紙の絵が凄いぜ。女性が抱えたバジルの大きな鉢の中にはこの女性の恋人の首が入っているのだ。怖い。勿論、中野京子さんは、なぜそんな絵なのかこの絵の説明をしてくれるし、その背景や作者についても的確に語ってくれる。その語り口の巧みなこと!時々入る自己ツッコミも絶妙。絵の中に描かれた生活用品や食べ物、動物、装飾品、シンボル、楽器を取り上げて、その絵の意味に迫っていく。堪能するのは間違いなし。
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絵画の解説書ですね。
解説書と書きましたが、この本は雑誌に連載されていたもので、一作に四ページしかありません。ですから込み入った美術評論には到っていないので、エピソードが主体に成っています。どこからでも読める比較的軽い内容に成っています。
だからと言って流石に中野京子さん(年齢不詳、北海道生まれ)作家であり、ドイツ文学者、西洋文化史家、翻訳家の多才な叡知で鋭く核心を衝いて語ります。
中野さんだから出来る本ですね。
全部で三十二点、全てカラーですから、作品も観賞出来ます。残念ながら単行本サイズなので迫力はもうひとつです。
手軽に持ち運び出来て、少しの時間で楽しめるのが良いですね。
この本を切っ掛けにして、美術に親しめるようになれば幸いだと思います。 -
『怖い絵』シリーズの作者、図書館で『怖い絵』を探していたら、こちらの本が目にとまったので、ひょいと手を伸ばして読んでみた。
元々は『通販生活』のエッセイだったそうで、『モノ』にこだわった視点での絵の読み解きということらしい。
後半はモノグラムとかが取り上げられていて、ちょっと無理があるんじゃね。と、そう思うところもあるけれども、著者が楽しんで書いていること、絵を鑑賞していることが伝わるので、楽しんで読むことが出来た。
一番気に入ったエピソードは、表紙にも使われている絵のそれ、女性がなにやら意味ありげに花瓶というか植木鉢にしだれかかっている。その鉢には髑髏の意匠が施されていて、いわくがありそう……その通り、実は……という話。青々と茂っているバジルがなかなかに恐ろしい。そして、実に物語的だ。
そう思う。 -
西洋絵画にまったりと浸かって至福の時を過ごした。
絵画に描かれている生活用品、食べ物、動物、装飾品など6つの章に分けて特徴が書かれている。中野京子氏の軽妙な文章は読み物としても面白かった。 -
見て鑑賞して感じる事も必要だが、その歴史や背景も知ると、より深く感じられる。このシリーズはちょこちょこ読みたくなる。
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éclat 2015年10月号~2021年4月号連載を加筆修正したもの。
KADOKAWAの『怖い絵』シリーズ編集者さんから「まだ本になっていない作品があったら出したい」とお話があって、このたびの書籍化となったそうです。
カラヴァッジョが二作品あることで動揺しました。
(ランブール兄弟も二作品あったのですが)
最近読んだ二冊の本
芥川賞受賞作砂川文次さんの『ブラックボックス』は
一見ふつうの人間が切れると大変なことになるものでした。
呉座勇一さん『頼朝と義時』も陰謀が渦巻き…
鎌倉時代だからしかたないのかもしれませんけど。
カラヴァッジョも、すごくドラマチックな絵画をのこしていて、そして喧嘩っ早く、友人を殺したりしているんですよね…。
2月になって一週間経っていないのに、こんなことが続くと
この先どうなってしまうのかな…。
そう思いながら、この後も殺人事件を扱ったノンフィクションを読む私。 -
絵を観る楽しさをたくさん教えてくださっていつもありがとうございます。
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絵のページを見ながら解説を読むと中野さんの口調が思い出されて、まるで直接話を聞いているような感覚がした。
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絵の中の物から絵画を深く知ることができた。思慮深いお話しが面白い。
著者プロフィール
中野京子の作品





