展覧会の「怖い絵」 (角川文庫)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041118931

作品紹介・あらすじ

記録破りの大ヒットとなった美術展覧会「怖い絵」展。
いったい何が、そこまで人々を「恐怖」に駆り立てたのか?
名画に隠された物語・背景・人間の闇を、当該監修を務めた中野京子が再び、深く濃く解説!
社会現象を巻き起こした、異色の美術展の「恐怖」と「興奮」がよみがえる!
オールカラーで読みごたえも充分。「怖い絵」がおもしろかった人には絶対満足いただけます!

感想・レビュー・書評

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  • 【角川文庫 2月の新刊本日発売!】 | カドブン
    https://kadobun.jp/news/entry-45308.html

    舞台「怖い絵」 | 関西テレビ放送 カンテレ
    https://www.ktv.jp/kowaie-butai/

    「展覧会の「怖い絵」」 中野 京子[角川文庫] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322106000364/

  • 中野京子さんの絵画解説はとても面白い。
    展覧会でもガイドがあるとより楽しめるようになって世の中進化したなと思うが、通り過ぎてしまう細かな部分の因果関係まで解き明かし推理小説のよう。

    絵画が素晴らしいのは最もだけど中野京子さんの解説でより掘り下げられ成る程と思うものだ。
    アンニュイについての表現があり、欧米の言語と日本語のニュアンスの違いを感じた。

    この本は特に怖い絵を取り上げているが、中野京子シリーズはどれも読み応えありです。

  • 相変わらずの面白さ。
    本物の絵を見に行きたかった。

  • 中野氏の絵画の解説は面白く為になる。鑑賞には知らなくても良いかもしれないが、知る事によってより深く味わう事が出来る。第一章の「モッサ」の作品は初めて。これがいまから120年まえの作品とは驚いた。

  • 件の「怖い絵」展は実際に観に行ったし、あの重くて分厚い図録も買って帰った組だが、新たな発見も多い一冊だった。
    こうして改めて展覧会後の反応等を交えて絵を振り返る、この楽しさと興奮よ。
    当時本物の絵を間近にした時の感動を追体験しつつ、更なる解説に興奮しっぱなしという。
    (図録の解説は中野先生ばかりではなかったこともあって)
    先生がTwitterの反応をかなり気にしておられたのと、その反応を受けての解説文にもなっていたのが、特に面白かった。
    まさに新感覚の、今の時代の展示だと思ったので。

    巻末には「怖い絵」展の裏側を知れるエッセイも。
    別のところでも読んだが、改めて数々の縁と奇跡でもって開催された凄い展覧会だったのだなと感謝しきりである。

  • 絵が見開きの為、よく見えないです…泣

  • 作品1  モッサ「彼女」
    作品2  ウォーターハウス「オデュッセウスに杯を差し出すキルケ―」
    作品3  ラウー「ソロモンの判決」
    作品4  セザンヌ「殺人」
    作品5  フェーリス「ミズガルズの大蛇を殴ろうとするトール」
    作品6  ホガース「娼婦一代記:ロンドン到着のモル」
    作品7  グッドール「チャールズ一世の幸福だった日々」
    作品8  ジョン・マーティン「ベルシャザールの饗宴」
    コラム ロンドン塔、ジェーン、夏目漱石
    作品9  モロー「ソドムの天使」
    作品10  クリンガー「行為」
    作品11  ローランス「フォルモススの審判」
    作品12  ターナー「ドルバダーン城」
    作品13  ワッツ「発見された溺死者」
    作品14  シムズ「そして妖精たちは服を持って逃げた」
    作品15 フェースリ「オイディプスの死」
    作品16 シッカ―ト「切り裂きジャックの寝室」
    作品17 ムンク「マドンナ」(リトグラフ)

    「怖い絵」展のできるまで

  • 絵を見て直感的に感じることも大切にしたいけど、
    知識があるからこそ深くまで理解できるというのもある。
    特に神話系は全然馴染みがないから、知識があると見え方が全然変わる!

    最後の『「怖い絵」展ができるまで』がとっても面白かった。
    実際にはもっと多くの苦労があったと思うけど、
    一つの展覧会にどれだけの労力と時間がかかっているのか。興味深く、それぞれの展覧会でもっと知りたいなと思った。
    有名絵画が日本で見られるのはこういう方々の努力のおかげ。

  • 中野京子さんの本をおすすめするとしたらどれがいいかな、と考えていたけれど、断然怖い絵シリーズがいいですね。色々読んでみたから他のシリーズも楽しめるけど、始まりは絶対これ。
    怖い絵展は上野の森美術館に朝イチで行ったのに長蛇の列で諦めて神保町に行ったのが懐かしい。こんなに豪華なら並べばよかった。
    最近小林の現代美術の話とかタイトルの話とかも聞いているせいか美術館に行きたくなっていたのでポーラ美術館へ。
    こんな豪華なメンバーが日本にいるなんていいのかな?と思うくらいだったけど、やっぱり、古い絵が好きっ。
    聖書とか神話とか戯曲とかテーマにしたやつ。
    あと、とにかく大きい絵が好き。わかりやすいから。めっとのジャンヌダルクとか。もーまの巨大睡蓮とか。
    となると海外の美術館に行きたいな。
    広々してて、若い子もいて、写生してる子もいるような。日本の美術館は、この本にもあった通り中高年の女性がメインなんですね。やっぱり輸送の問題とか、まあ価格の問題とかもあって小さいのが多いのかな。
    紹介されてる絵だと、いつも意外とイギリスのものが好きかも。
    あと今更だけど、中野さんの歴史観あんまり好きじゃないかなー、と思ってた理由は、この方ドイツ文学者だからなのか!なんとなく、塩野さんから読んでいるせいか、陽光眩しいイタリアの明るくゆるーい気候の人間が好ましく思えてしまうのかも。宗教改革とか、暗くない?!みたいな。いや、言ってることは正しいけどさ、真面目だね、みたいな。
    当時を生きていないから無責任な発言ですが。
    とは言えまだまだ読みたいものがたくさんあるので、あれもこれも楽しみ。

  • 原著はもとより、展覧会自体も幸いにして観に行けたので結構懐かしい気分に。覚えていないのもちらほらあるなぁ。
    表紙のモッサは大出世じゃなかろうか。確かに滅茶苦茶インパクトがあった。その分、あまり作品が残されてないのが残念だったけど。
    あとがきに等しい、「怖い絵展のできるまで」も面白い。結果的に大成功だったとはいえ、現場では「際物」扱いだったとは。開催にこぎつけた皆様方に感謝するばかりだ。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野京子の作品

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