- KADOKAWA (2022年1月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041118962
作品紹介・あらすじ
店を畳む決意をしたパン屋の父と私。引退後の計画も立てていたのに、最後の営業が予想外の評判を呼んでしまい――。日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集!
みんなの感想まとめ
日常の中に潜む人々の不穏な側面を描いた短編集で、登場人物たちの行動は時に笑いを誘い、時に切なさを感じさせます。各短編は現実にありそうなシチュエーションから始まり、思わぬ展開へと進んでいくため、読者は意...
感想・レビュー・書評
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短編集。すぐ読める。どれも、あれーと思う結末。
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かっちゃん、
ゲップしてごらん…
結局、ナミちゃんとナミちゃんのお母さんは何だったのだろうか。
最後、「ゲフゥッ」とかっちゃんではなく、お母さんがゲップした時、私は
え?かっちゃんじゃないの?お母さんが?
と思った。
そして、
そのとき、
あることに気がついた。
私はかっちゃんにゲップして欲しかったんだ…
かっちゃんのゲップを待っていたんだ…
鳥肌がたった。
この本は短編集で、上の文章は「冬の夜」という話。
「冬の夜」はこの文庫にしか載っていない。
そして、この本には今村夏子のインタビューも載っていた。
今村夏子のインタビューでは、
短編一つ一つの作品について
話しているのだが、なぜか
「冬の夜」だけ載っていない。
今村夏子はいつも、
あのような少し切ない物語を
書きたいわけではない。
書いているうちに
段々あのようになってしまう
と話していた。
「せとのママの誕生日」には、
あんな思いがこめられていたなんて…
彼女達は、ママのことをあんな風に
思っていたんだ…
面白すぎる…
かっちゃん、
ゲップしてごらん…
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2023/04/08
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2023/04/12
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些細なことから思わずエスカレートしすぎる、危うい女性たちを描いた短編集。
どのお話も現実にありそうなシチュエーションで始まるのですが、話は思わぬ方向に進んでいきます。
出てくる人たちの言動に意表を突かれ、笑いを誘われ、そしてその純粋さに切なくもなります。
「スナックせと」で働いていた女の子たちが、ママの誕生日に集まる話「せとのママの誕生日」は、「こちらあみ子」に収められていた「ピクニック」を思い出させてくれます。
「モグラハウスの扉」や、「父と私の桜尾通り商店街」は小学生の子どもたちが出てくるせいか、無邪気さが一段と増して、異様な雰囲気も漂っています。
「冬の夜」では、産婦人科の病室でカーテン一枚を隔てた、顔も見えず会話だけが聞こえる隣同士で、お互い勝手に想像をめぐらしているという場面があって、今村さんらしい視点だなと思いました。
今村さんの作品を読むのは3作目なのですが、読めば読むほど愛着が湧いてくるのです。
本当に不思議な作家さんです。 -
『やっぱりこの世界観が好き過ぎる』
大好きな作家、今村夏子さんの短編集、読了。
いやーーー、やっぱ好きだわwwww
今村夏子さん( ̄∇ ̄)wwwwww
この作品の雰囲気、世界観大変に良いなぁと…(´∀`)
ここらへん、もはや「自分と合う」っていうことなんではないかと、小川哲さん曰くの「小説法が合う」っていうことなのかなと思ったり(笑)
今回の作品は、今までの今村夏子さんとは違った「ユーモア」が出ていたのではないかと。
個人的には「せとのママの誕生日」あたりは好みでした。
「でべそを一回見せて五百円」とか、「乳首をつねって合いの手の精度を上げる」とかwwwwww
世界観が謎過ぎてwwwwwww(この文章だけだと、いよいよ分からないと思うけど笑)
「新たな今村夏子ワールド」が見れた感じがして、めちゃくちゃ楽しく読めました(*´ω`*)
解説では、今村さんへの質問も入っていて、小説の作り方等にも言及されていたのが良かったです。
ちなみに「ゴールは決めないタイプ(というか書いてる途中に変わる、全然別の話になる笑)」とのこと、でもなんか不思議と納得したかもしれない…( ´∀`)笑
今村夏子さんファンには、必読の一冊かなと。
<印象に残った言葉>
・アリサは、一回五百円でお客さんにでべそを見せていたのだ。合言葉は「平等院」「鳳凰堂」。(P108)
・こたつに置かれたその袋を見て、わたしとアリサは顔を見合わせた。袋には「カリフォルニアレーズン」と印字してあった。(P126)
<内容(「BOOK」データベースより)>
違和感を抱えて生きるすべての人へ。不器用な「私たち」の物語。
店を畳む決意をしたパン屋の父と私。引退後の計画も立てていたのに、最後の営業が予想外の評判を呼んでしまい――。日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集! -
痛いとこ突くし、野暮でクドいし。意識の中で処理する恥ずいとこ、わざわざ集めてる。スマートな時代に鈍臭い哀愁?みたいなの漂ってる。でもこれってシンパシーかな。自分も生き辛さ感じてるし、結構怯えてるし。
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この人(作者)、変な人やわ〜!、って思った。
けど、わたしは、こういうの好き!
大好き!
なんか、、やんなっちゃうくらい好き!
そこまで、やるか〜!、って思った。
けど、好き!
でも、
ひとには、あんまり好き好きって言わないほうが良いかもしれない。
だから、わたしがこの本を好きなことは忘れてください。
そんな本です。 -
あー、惹かれる今村夏子作品!
へんてこな話の7話短篇集。読んでいてどこへ連れて行かれるのか、全く予想だにしない、これぞ文学作品!
今村夏子氏では珍しい、三人称の物語りもあるが、相変わらず説明なんてないのだ。
インタビュー形式の解説で、1作品ずつ(文庫化で加筆『冬の夜』除く)何をモチーフにしたのか今村氏の説明が入り、自分の読解と答え合わせできた。
「健気で懸命だけどズレしまっている人、痛々しくて見てられない」
著者本人曰く、いつも同じ人を書いているような気がしてる、と。表題の『父と私の…』が特に好き♡ -
「父と私の桜尾通り商店街」というタイトルと表紙からほのぼの系を想像したけど、良い意味で裏切られる。
短編集で全て、ぞわっとするようなムム?みたいな感じがあるのだけれど、個人的にはひょうたんの精が一番好きかな。良い話になるかと思いきやぐぐっと方向転換しちゃう感じがいい。
せとのママの誕生日も、書き方によってはかなり事件性のある話なのに淡々と綴られてるからか、やり過ぎーって思いながらも何かこわ面白くなってしまう。
解説も含め、今村さんだなぁって本だった。 -
少し不器用であっても、ひたすら一生懸命な人に感じる魅力って、人を惹きつけるんだと思うとやっぱり少しホッとする自分がいる…
7つの短編集。
表題作の、焼きたてのコッペパンで作るサンドウィッチが美味しそう。 -
少々不器用でかなりズレた女性たちを描いた短編集。
ホラーあり、ファンタジーあり、そして不条理あり。今村夏子ワールドを堪能できる7話を収録。
* * * * *
特に気に入ったのは第3話「ひょうたんの精」。こんな話は大好きです。
それにしても、七福神ってみんな神様じゃなかったの? なんか怖いよ。
それから、ほのぼのした展開で進む6話目の「モグラハウスの扉」。
珍しくハッピーエンドかと思いきや……。
みっこ先生の目には本当にモグラハウスが映っていたのか!? 気になります。
そして表題作となる最終話。
商店街組合の中で村八分の状態に置かれたパン屋父娘の話で、娘の視点で描かれます。
パン屋父娘といえば、最近読んだばかりの『じゃない方の渡辺』を思い出し、斜陽傾向の商店街にある小さなパン屋を娘さんが父親を盛り立てつつ繁盛させていく話かなあと、(半ば希望的な)予想を立てて読んでいきました。
まったく違いました。娘さんのパン屋魂に火がつきはするのですが……。
そこはやはり今村夏子さんでした。
思えば、7つの話すべてが予想外の展開になり、呆気にとられているうちに締めくくられているのです。(いや、そもそも物語に収拾をつけようとしているフシすら感じられないのだけれど……。)
ああもやもやする。この気持ちをどうしてくれるのかと、今村さんの作品を読むたびにいつも思います。
けれど、しばらく時間が空くと今村ワールドを覗いて見たくなるのが不思議です。
ある意味、期待通りの作品でした。 -
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ヒィーっと心の声を上げつつ、もう一回読んでみたくなるほどに、謎スパイスが効いている。
「父と私の桜尾通り商店街」
商店街というコミュニティにいて、そこから外れたパン屋さん親子。
小さい頃から店にネズミが出るといじめられ続けた「私」は、父が店をようやく閉め、故郷に帰ろうとすることに、確かに安堵したはずだった。
その最後に、出会ってしまったお客さん。
彼女が「誰」であっても、「美味しい」と〝分かってくれた〟そのことが「私」を変えた。
実は敵だったとか、ライバルだったとか、そんな概念よりも強固な〝お客さん〟という聖域に向けて、ひたすら新種のサンドイッチを作り続ける「私」が奇異に映るのは何故なんだろうか。
誰かのために、一生懸命何かを生み出すこと。
それによって、廃れたお店が復活を遂げること。
素敵なドラマだ。
その誰かが「ライバルのパン屋の店主」であり、「単に商店街にあるもう一つのパン屋に偵察に来ただけ」であるという、強烈なディスコミュニケーションが生じていること以外は。
この果てしないズレをしっかりと匂わせながら、どの作品の主人公も、そのズレを増幅させる方向に意識を集中させていく。
よく考えてみたら、何かに惜し気もなくハマる姿って、誰しもどこか奇異なのだろう。
そして、そんな世界に浸っている人間を、「見ている側」はどこか自分が主流ぶったような、呆れや笑いを浮かべている。
気持ちの悪い合わせ鏡のように。
「白いセーター」「ルルちゃん」
「ひょうたんの精」「せとのままの誕生日」
「冬の夜」「モグラハウスの扉」 -
短編集。
表題作と「ひょうたんの精」、「モグラハウスの扉」がいいなと思った。語り手のストレスをあまり感じないというか。
いや別に他の作品がストレスフルなわけではないのだ。全編通じて人間の陽じゃない部分が魅力なのだと思う。
傍から見たらおかしなこと、ちょっと危ないように思えることは、その本気度というか一途さが肝で、本人だけが抱える事情や心の内を知ればなるほどと思えることも、知らなければ痛々しく映ってしまう。そういうところが共通していると感じた。
そして、そういう人の発言をそのまま受け止めて進む会話が私は好きだ。
「せとママの誕生日」も癖になりそう。
自分の望みが世間の目にやや異常に映るとして、それを行動に移したらどうなるだろう。
実際にはやらないことだからこそ、彼女たちの顛末を見届けたいのかもしれない。 -
いつのまにか話の中に引きずり込まれて、思ってもみない結末に連れていかれた感じがした。今村夏子さんの世界は、独特だった。そのときの自分の気持ちの持ちようで、味わい方が変わるような感じがした。
『父と私の桜尾通り商店街』
残りの材料が終わったらお店を閉めることに決めていて、終わりに向かっていた父娘。出口に向かっていたはずなのに、いつのまにかまた入口に立とうとする娘。そのきっかけは、「ありがとうございました。おいしくいただきました。」という言葉と楽しい時間だった。楽しく終わりそうな感じが一転、最後は少し怖さも感じた物語だった。
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おはようございます。フリージアさんも今村夏子さんにはまった1人ですね。読書家なんですネ。本棚の数が多くてビックリしてます。時間があると活字が...おはようございます。フリージアさんも今村夏子さんにはまった1人ですね。読書家なんですネ。本棚の数が多くてビックリしてます。時間があると活字が欲しくなるのは学生の頃からだったけどもっぱら推理小説でした。今は子共達も巣立ち夫婦水入らずで仕事の合間にお互いの趣味に没頭する毎日です。夫にこんなアプリがあるよと紹介されたブクロブは何を読んだか整理するために使い始めましたが、最近では他人がどんな感想を持って居るのか知りたくなってコメント重視にブクロブ活用しています。本棚に同じ本があると親近感が湧いて来ます。これからもフリージアさんの本棚覗いても良いでしょうか?よろしくお願いします。2024/05/27 -
shokomamaさん、初めまして。
フォローありがとうございます。
私は、子どもの頃から本を読むことが大好きで、今は読んでいなかった時間を...shokomamaさん、初めまして。
フォローありがとうございます。
私は、子どもの頃から本を読むことが大好きで、今は読んでいなかった時間を取り戻すかのように、読んでいます。読みたい本がたくさんあって、追いつきそうもないですが(笑)ブクログは、自分が読んだ本を記録しておきたくて始めました。皆さんの本棚を参考にさせていただいたり、素敵な感想に出会えるのも楽しみです。shokomamaさんの本の感想も、いいなと思い読ませていただいています。これからもよろしくお願いしますね♪2024/05/27
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商店街の話、んっ話なのか。現実なのか、閉店時間がお父さんの体調次第で交流もなくて何故か桜尾通り新聞の子供達が出てくるしライバル店のメガネのお姉さんとどうこうせずに終わるんだ。たしかにどれもズレてるが、どういった落とし所なのか、全てが謎でした。生まれて間もないたっくんは生きてたの?おばあちゃんは台所で転んで天井を見上げてて結局どうなるの。たっくんと同じ日の生まれた黄疸と診察されてた赤ちゃんは無事なの、たっくんとどういう関係性なの。読めば読むほど難しい。次はむらさきのスカートの女を読むけど、受け付けるのだろう
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作者さんの本は好んでよく読ませてもらっていますが、今作はあんましのめり込めなかったです。
以下、各短編の感想。
◼️白いセーター
なぜ主人公の女性は、周りからぞんざいな扱いを受けるのか。その辺りの情報は一切なく、モヤモヤしたまま終了。今村夏子っぽくて、良かった。
◼️ルルちゃん
ルルちゃんを盗んだ主人公はもとより、ルルちゃんの元の持ち主の安田さんもかなり参ってしまっている描写が随所にあるものの、それについてやはり深く触れることなく、物語が終わる。
自分たちの日常についても、きっと誰しもあるような、人には話していないことや見せていない姿をそれとなく演出していて、何が起こるのでもないけど、見入ってしまう。
◼️ひょうたんの精
うーん、なるみ先輩はどうしてしまったんだろう。
主人公は、なるみ先輩をおとしめたいわけではなさそうで、途中の一文から、なるみ先輩に心酔しているように思える。なるみ先輩の言葉を盲信しているのだろうか。セミを炙って食べてた住職が印象的で恐怖(笑)
◼️せとのママの誕生日
ホラー(笑)
せとのママは、明らかに従業員のことを思っての行動ではなく、利己的なもの。
そして、従業員たちは精神的、身体的に傷ついてるはずなのに、ママを嫌ってはいないように見える。
どういうことだったのか誰か教えてほしい。
◼️モグラハウスの扉
うんー?
みっこ先生はどうしちゃったの?
なんであんな行動を取るのか、もぐらさんを忘れられなかった恋愛行動の行き過ぎた行為?
よくわからない。
◼️父と私の桜尾通り商店街
主人公は、「友達が欲しいからパン屋を続けたい」、お父さんは「パン屋を続けること自体は嫌じゃない?でも、商店街の組合員にはなりたくない」で、父娘の目的と気持ちの違いを感じる。
あたりまえだけど、人間って何を大事にしてるか、価値観がバラバラなんだよなーと思った。 -
今村夏子さんっぽい、優しい文章なのに何かゾワっとする短編集。巻末のインタビューにもある通り、一生懸命なのにズレている人達の物語は何だか痛々しくヒヤヒヤするが、何だか惹きつけられる。
自分自身が一生懸命でも何か周りとはズレてる事が多かったからなよかな?それともこういうずれてる感覚は程度の差こそあれみんなに普遍的に存在する感覚なのだろうか。
「白いセーター」ではちょっとしたズレが重なってどんどん大きくなっていく流れにハラハラして最後は物悲しい。「ルルちゃん」も登場人物が微妙に怖いし「ひょうたんの精」は不思議なファンタジー。「せとのママの誕生日」はこの短編集で一番の不気味な物語。愛なのか復讐をなのか曖昧な誕生日の祝い方が滑稽でもあり怖くもある。
一番のお気に入りは表題作かな。やる気のなかった娘が変なタイミングでやる気を出していく様が一見健気ながら何とも自分勝手。最後はどうなったのか…
全体的に今村夏子さんのテイストに溢れていてとても面白かった!「あひる」や「むらさきのスカートの女」で興味を持たれた方は是非。
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著者プロフィール
今村夏子の作品
