- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041118993
作品紹介・あらすじ
高校二年生の春を迎えた遥は、同じクラスになった考古学部の地味め男子・アルトのことが気になり始める。恋とは言い切れない気持ちを持てあましているうちに、アルトは他の女の子との距離を縮めて……
感想・レビュー・書評
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特別なことがなくても、特別は作られる。
この小説を読んでいると、自分自身が高校生だった時のことや気持ちが、本当に鮮明に浮かび上がってきて、驚いた。
遥やアルト、マーリン、バンちゃん。
毎日毎日、同じようなことを話して、笑って、また明日って言い合っていたなぁ。
そんな中でも、微妙な関係性の変化があったり。
大人にとっては、卒業アルバム読み直すような感覚の一冊だった。ある意味、描写がすごい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
友達でいたい。好きかもしれない。つきあいたい。でも気まずくなるのが怖い。高校生活はあっという間に終わるけど、人生のなかでいちばん凝縮した日々がつまってる。もうあの頃には戻れないけれど、あの頃の色んな気持ちを懐かしく、ほろ苦く思いだした。
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大好きな本だ。
高校2年生って、ほんとに一番楽しい。
その1年間の、揺れ動く気持ち。
初めて芽生えた気持ち。
キラキラと思い出す恋した瞬間。
すれ違ってしまうもどかしさ。
あまずっぱい気持ちをぎゅっと詰め込んである。
もうあの頃のようにうぶなときめき、うぶなかけひきはできなくて、思い出すと照れくさくなってしまうけれど、とっても大切だったあの時間を思い出すことができる、とても貴重な読書体験だった。
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2022/04/07
畑野さんの描く青春系の小説が好きで、文庫化するのを待ってました!
アルト、マーリン、バンちゃん、遥の4人が送る高校生活が描かれていて、ごくごく普通に4人の高校生、特に遥を中心として物語が進んでいきます。そこには一年の中で大半の人が経験しているであろう高校の行事のことや、恋愛についてのあれやこれやもあったりして「青春」という要素がギュッと豪華に詰め込まれているような感じです。
あとがきの方も書いてましたが、大体の小説には山場となる出来事があったり、それを軸として物語が展開していく柱となるものがあったりする中、水槽の中では、特にこれといって大きな出来事や中心となる描写は無く、普通に高校生が高校生活を送る様子が描かれていて、逆に一般的なものをここまで読者を引き込むように描くことができるのは凄い…的な内容にとても共感しました。
この本を読むことで自分の高校時代などを思い出し、理想的な高校生活像として自分を投影しながらこの小説を読むと、もう一度あの頃に戻ったような気分になれると思います。 -
Amazonの紹介より
友情も恋愛も勉強も将来もすべて。誰にでもある、特別な高校2年生の1年間。
桜並木に憧れて入学した海の近くの高校で、遥は二年生の春を迎えた。親友のマーリンと過ごす毎日は楽しくて平和で、恋にも満たない気持ちで憧れの先輩を眺めている。ある雨の日、水族館で同じクラスの地味め男子アルトと遭遇するが……。始業式、学食、学園祭、花火、修学旅行、球技大会。放課後に話した、クラスメイトとの他愛ない会話。誰もが大切にずっとしまっておきたい、きらめく一年間の物語。
高校生活でしか味わえない出来事や友情、はたまた恋愛など、小説としての盛り上がりはありませんでしたが、普通ならではのアオハルが詰まった作品でした。
単純に本当に良い学校だなと思いました。普通だったら、この展開だとイジメに繋がりかねないのに、クラスメイトのファインプレーといったら、素晴らしいの一言です。
小説内での輝かしい高校生活、羨ましい限りです。どこか懐かしさもあって、読んでいて爽やかな気持ちになりました。
小説を多く読んでいるせいか、何か雑味のある展開を期待していた自分がいたのですが、読了後はそんな自分に恥ずかしい限りでした。
心の清涼剤として、おすすめいたします。
小説のような学生時代ではありませんでしたが、友達や学校のありがたみを感じた作品でした。
学生時代に戻って、やり直したいです。 -
スクールカーストではなくて、将来に不安を感じながらも、友達や恋愛などキラキラとしたものが流れていく、限られた時間を感じた。
高校2年の一年間を切り取った作品。
季節の移ろいや海が象徴的。 -
913-H
文庫
著者プロフィール
畑野智美の作品





