カインの傲慢 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 593
感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041119846

作品紹介・あらすじ

臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった一人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。
臓器売買、貧困家庭、非行少年……。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。社会派×どんでん返しの人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!

感想・レビュー・書評

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  • 中山七里さんの犬養刑事シリーズ、第五弾。

    臓器を抜き取られた少年の遺体が、相次いで発見される。被害者は、みな貧困家庭の環境にあり、それぞれ問題を抱えていた。
    そして、最初の遺体は、中国人の少年と分かり、相棒の高千穂刑事が、中国に飛ぶ。

    果たして、連続殺人事件の真犯人とは?
    命に値段は付けられるものなのか?

    本シリーズは、臓器移植や尊厳死、子宮頸がんワクチンなど、単純な正義や悪と言った二元論で片付けられない、複雑な問題を提起します。

    まるで、中山さんが、読者一人一人に、貴方はどう考えますか?と問われているような...
    建前は誰でも言えますが、難しい問題ですね。

    本シリーズを読むたびに、色々考えさせられます。
    最後のどんでん返しも、さすが中山さんですね。

  • これは非常に考えさせられる問題。

    日本の貧困問題は今や他人事ではなく身近な問題。
    自分の体を切り売りしなければ生活ができないなんて普通じゃない。
    一方、臓器提供を待つ患者や家族の気持ちを思うと果たして日本の臓器移植法が適切なものなのかという疑問もわいてくる。
    法の遵守とモラル。きっと答えは出ない。

  • 肝臓の一部を抜き取られた少年の死体が次々と発見される。
    その背景に臓器売買ビジネスや、中国それに日本の家庭の貧困問題が浮かび上がる。
    相棒の高千穂明日香とともに、犬養は犯人たちを捕らえ、一連の事件に終止符を打つが・・・
    最終局面で、黒幕と対決する犬養。そこで語られたことは・・・
    黒幕の臓器提供を巡る傲慢な思弁に、犬養は沙耶香を人質に取られたかのよう。いつもは犬養のブレーキ役となる明日香が、中国での出張捜査での経験から、今回はsアクセルを踏むという珍しい展開。
    犯人に関する小さな「どんでん返し」もあり、『切り裂きジャックの告白』及び『ドクターデスの遺産』と、対になる、刑事犬養隼人シリーズ第5弾。

  • 刑事犬飼隼人シリーズ5作目。このシリーズはいつも重い。
    今回は貧困と臓器売買がテーマでやっぱり重い。
    最後の逮捕者は多少すっきりしたものの、犬飼が背負ってるものが増えるエンディングにやるせない気分になった。

  • 犬養刑事と高千穂刑事のコンビが貧困と闘う。
    解説が俳優の谷原章介、、、御子柴ファンってビックリ。

  • 犬養隼人シリーズ五作目
    今作も警察医療ミステリとして魅力を存分に発揮している

    やはりシリーズを通して言えることだが法整備の不十分さ、諸外国と比べての死生観、文化の違いから来る考え方の相違等、社会派ミステリとしての側面も強い

    ただ今作のラストは暗く、また犯人が一気に小物臭めいた感じになったのがなんだかなぁ
    犬養との当初のやり取りでは大物ぶりを発揮していたがラストで結局は「犬養が殺した」的ニュアンスは詭弁以外の何物でもないのでは?

  • 理屈も手口も傲慢そのものだったなあ。

  • 臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった1人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。臓器売買、貧困家庭、非行少年…。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!

  • Amazonの紹介より
    命の値段を考えたことがありますか? 警察医療ミステリ!
    臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった一人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。
    臓器売買、貧困家庭、非行少年……。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。社会派×どんでん返しの人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!


    シリーズ第5弾。個人的にはシリーズとしては「ドクター・デスの遺産」のみ読んだ事があるだけなのですが、普通に楽しめました。より警察における犬養と高千穂の立ち位置や活躍をもっと知りたい方には、シリーズ一作目から読むことをお勧めします。

    どんでん返しといったミステリーとしての面白みだけでなく、「命とは何なのか」色んな社会問題が絡み合って、考えさせられました。
    生活による貧困が招く悲劇。悲劇の末に臓器を売買するというなかなかの重いテーマでした。遠い存在だと思っていた臓器売買が、すぐ近くに迫っているとは驚きと共に今後どうしていかなければいけないのか考えさせられました。

    大人達の表向きは「正義」、裏では「身勝手」な考え方に憤りを感じつつも、もしも関係者と思うと…複雑な気持ちで心が苦しかったです。
    周りに回って、「罪」も無い子供にまで影響を及ぼすことに何かできたんじゃないかと悔やんでしまいます。

    借金をしないためにどうすればいいのか。倒産や解雇といったものはともかく、自分自身の欲望で借金を招かないでいただきたいと思います。

    社会問題に切り込むだけでなく、中山さんお得意のどんでん返しも面白かったです。展開というよりは犯人が誰なのか?に驚きでした。

    最後の展開では、犯人逮捕でスッキリしたかと思いきや、命の尊さとして、犬養とある人物との対話に重くのし掛かりました。命のために奔走する人達。それが、例え一線を超えてでも救いたい気持ちもわかります。果たして、それは当事者が知った時、どう思うのか。

    色んな意味で、深く考えさせられた作品でした。

  • 違法な臓器売買に絡む事件が立て続けに起きる。死体遺棄、口封じの殺人はともかく、合意の上で貧困者が臓器を売り、それを金持ちが買う。ある意味での医療過誤がなければ、表面化もせず丸く収まっていた闇のビジネス。国家レベルで適法性の線も異なり、倫理観で単純に◯✕がつけられる話でもない。経済的格差や治療機会とか、色んな形での公平性の議論も含めて、何を問題にするかで意見は様々だと思う。そこに臓器移植を必要とする娘を持つ刑事の苦しみと職業倫理的な葛藤も加わり、自分の価値観を諸々と問いかけられます。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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