カインの傲慢 刑事犬養隼人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041119846

作品紹介・あらすじ

臓器を抜き取られ傷口を雑に縫合された死体が、都内で相次いで発見された。司法解剖と捜査の結果、被害者はみな貧しい環境で育った少年で、最初に見つかった一人は中国からやってきたばかりだと判明する。彼らの身にいったい何が起こったのか。
臓器売買、貧困家庭、非行少年……。いくつもの社会問題が複雑に絡み合う事件に、孤高の敏腕刑事・犬養隼人と相棒の高千穂明日香が挑む。社会派×どんでん返しの人気警察医療ミステリシリーズ第5弾!

感想・レビュー・書評

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  • 貧困ビジネスってヤツか…
    しかも、生活保護費とか目当てでなく内臓…
    更に、本人も合意してる…
    日本では、臓器移植は、厳しい規則があるけど、近所の国では、そうでもないみたい。死刑囚からも臓器提供か…お金は親族に。
    何か、お金あれば、何でもありみたいな世の中には、少し辟易としてまうけど、あながち嘘でもないと思う自分にかもしれん。

    臓器はキレイに抜き取られ、中途半端に縫合された死体発見!それも続々と!
    貧困の為、内臓を売った?
    誰がやったんや!
    誰が受け取ったんや!
    裏には、大きな組織が関与してるんか!
    犬養さん、相変わらず強気で、それに立ち向かって行く!
    こういう猟犬みたいなとこ、カッコ良い!
    今回は、10代が殺されてるだけに、怒りは凄いものがあったんやろな…

    しかし…
    しかし…
    しかし…

    この…あまりにも…短文なラスト…
    短いだけに余計に堪える〜
    辛すぎる〜 犬養さん!大丈夫かな(T . T)

    はぁ〜どうしよ…

  • 臓器を抜かれた少年の遺体発見から話が始まる。
    日本での臓器移植の困難さ、臓器売買、貧富の格差、親子問題。
    内包する問題がとても多く絡み、殺人犯が誰か?というミステリーと同時に、少年を殺した犯人の一つが社会でもあると考えられる。つらい。
    臓器を必要とする人が臓器を得られなかったら死んでしまう。主役の犬養には臓器提供を待つ娘がいる。
    悪の親玉と思っていた人間の裏には…。
    最後の最後まで気が抜けない。
    面白かった。
    中山七里さんにハズレなし。

  • 刑事犬飼隼人。発見された少年の遺体は臓器を抜き取られていた。今回の事件は犬飼にとって娘の病気の事もあり他人事ではない。貧困から不法に臓器提供させられる世の中はあってはならない。

  • 中山七里さんの犬養刑事シリーズ、第五弾。

    臓器を抜き取られた少年の遺体が、相次いで発見される。被害者は、みな貧困家庭の環境にあり、それぞれ問題を抱えていた。
    そして、最初の遺体は、中国人の少年と分かり、相棒の高千穂刑事が、中国に飛ぶ。

    果たして、連続殺人事件の真犯人とは?
    命に値段は付けられるものなのか?

    本シリーズは、臓器移植や尊厳死、子宮頸がんワクチンなど、単純な正義や悪と言った二元論で片付けられない、複雑な問題を提起します。

    まるで、中山さんが、読者一人一人に、貴方はどう考えますか?と問われているような...
    建前は誰でも言えますが、難しい問題ですね。

    本シリーズを読むたびに、色々考えさせられます。
    最後のどんでん返しも、さすが中山さんですね。

  • これは非常に考えさせられる問題。

    日本の貧困問題は今や他人事ではなく身近な問題。
    自分の体を切り売りしなければ生活ができないなんて普通じゃない。
    一方、臓器提供を待つ患者や家族の気持ちを思うと果たして日本の臓器移植法が適切なものなのかという疑問もわいてくる。
    法の遵守とモラル。きっと答えは出ない。

  • 貧困な家庭に生まれ、親からも愛されず、居場所もなく生活に困り臓器売買に手を出してしまう子供たち
    貧困家庭の足元を見て臓器売買を持ちかけるブローカー
    医療技術向上のためにと違法な臓器移植に手を出す医者

    彼らは法で罰される犯罪者だが、自分の大切な人が臓器移植を必要とした時、極端に臓器移植の件数が少ない日本で、あなたならどうしますか

  • 肝臓の一部を抜き取られた少年の死体が次々と発見される。
    その背景に臓器売買ビジネスや、中国それに日本の家庭の貧困問題が浮かび上がる。
    相棒の高千穂明日香とともに、犬養は犯人たちを捕らえ、一連の事件に終止符を打つが・・・
    最終局面で、黒幕と対決する犬養。そこで語られたことは・・・
    黒幕の臓器提供を巡る傲慢な思弁に、犬養は沙耶香を人質に取られたかのよう。いつもは犬養のブレーキ役となる明日香が、中国での出張捜査での経験から、今回はsアクセルを踏むという珍しい展開。
    犯人に関する小さな「どんでん返し」もあり、『切り裂きジャックの告白』及び『ドクターデスの遺産』と、対になる、刑事犬養隼人シリーズ第5弾。

  • 大切な人が臓器移植が必要で自分にお金があって提供する側も納得しているんなら違法でも移植するかもしれない。
    ただこの方法で移植された側は病気が治ったとしても喜んでくれるのかわからない。
    犬飼隼人シリーズは犯人逮捕してもスッキリしない。考えさせられる。

  • 前作に続き、人の生死に関わりつつも倫理観という難しいものを題材にした話
    どんどん犬養が追い詰められている、そんな印象を受けました。テーマが難しすぎる、、

  • 扱うテーマの重さと物語としての面白さとのバランスが良いので、このシリーズも好き。
    でも今回の題材はキツかった。
    被害者である少年達の事情を知るたびに胸が苦しくなる。
    それ以外の選択肢が無い状態で得られる対価に、どれほどの価値があるのかと思う。
    だけど、非道に思える行為の中にも正しさがあり、それを100%否定することもできずにいる。
    自分の正しさの基準が揺らいでしまって、読み終わってからもしばらく放心していた。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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