漆黒の慕情 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041119853

作品紹介・あらすじ

塾講師の敏彦は、誰もが認める美青年。ある日を境に、女性ストーカーと異様な現象に悩まされるようになった彼は、佐々木心霊事務所を訪れる。時同じくして、小学生たちの間に奇妙な都市伝説が広がっていた。

感想・レビュー・書評

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  • 佐々木のもう一人の相棒 敏彦さんの登場

    絶世の美青年というのが

    また中二病心をくすぐります



    でも敏彦さん 実は心は

    かなりのクズでもある

    自分の興味でしかないのに

    なんとなく いい事したみたいに

    なってるのが 

    美青年補正ですね



    美しい容姿に 美しい心は

    決して入ってないんですよね

    前作の笑美しかり

    心は普通 それどころか

    弱いゲスくて

    腕っぷしもない

    普通 そこがいい

  • うーーわ(°д° )おもしろい!

    『異端の祝祭』からすぐ読めば良かった。

    『佐々木事務所シリーズ』第2弾!!




    正直私は、霊の存在を信じる信じない、憑く祓う系の話は、そこまでそそられない。

    小説とは言え、嘘っぽく感じ萎えてしまう気持ちが拭えない。

    民俗学などでいう古くからのしきたりや言い伝え、呪いなどは大好きだし、悪魔『信仰』や宗教モノ自体は好きだ。
    どうしても現実味を求めてしまう。

    このシリーズはオーソドックスなホラーとは違い、登場人物も個性的。

    塾講師の片山敏彦は、神がかった美しさをもつ。
    彼は美しすぎて、普通の日常生活を送れない。

    近頃、彼にいつも注がれるのとは違う粘着質な視線を感じるようになる。

    やがて、俊彦に近づく者に危害が及ぶようになる。

    佐々木るみは心霊案件を請け負う事務所の所長。
    助手の青山はクリスチャンで、父親が神父。

    青山は、信者の小学生、七菜香から、学校の噂話について相談を持ちかけられる。

    「ハルコさんの話を広めないと夢に出る」という都市伝説系の話。


    特殊な霊能力を持つるみの幼少期が凄まじく、母親というものの存在の大きさを感じる。
    美人の天然主人公という感じではないのが好感度高い。
    青山との関係性がまた良い。

    美しい俊彦も、悩める美青年というだけではない所に、更に魅力があってたまらない。

    ただ怖いだけのホラーではなく、意外性を持つ結末に、お見事としか言えない…。

    ハルコさんの都市伝説も、学校の七不思議も、奇妙な雰囲気で独特だ。

    ひと味違うホラー小説を読みたい時、満たしてくれる作家さんだと改めて思った。

    クセになる…♡

  • うーん(^◇^;)

    主たる登場人物の精神が破綻しているようで、私はどうしても受け入れられませんでした。

    で、ラストシーンで私とは合わない作家さんなのだなと。

  • 前作もそうだけど、このシリーズは気持ち悪さが怖さの根本にある。描写も、キャラも、何かと気持ち悪い。いろいろな現象が気持ち悪怖くて、その原因も気持ち悪い。もうちょっと祓う側が活躍して欲しくはあるけど、そういうコンセプトでもないっぽいし、歪んだ人間の描かれ方が重要で楽しむべきところかと思う。この理解出来なさが癖になるかどうかで好き嫌い分かれそう。次も読みます。

  • 今回も泥沼に浸ったような読書ができました…!
    ストーカーや都市伝説、ジェンダーバイアス、性志向…と内容は現代のどろっとしたところが内容の要素となっていました。大学で少しジェンダーと家族について少しかじっていたので内容を先読みできたのですが、そこに至る経緯が当事者の語りを聞いたときのなんとも言えない感じとホラーの怖さが混ざって心がぐちゃぐちゃとされました。
    ラストで心が整ったあとにまたグシャっとされました。何よりも気付くことの難しさを痛感した噺でした……

  • 塾講師の片山敏彦は男女問わず虜にしてしまうほどの絶世の美青年。
    注目される事に慣れてはいたが、一際ねっとりまとわりつく視線とストーカー行為を受けるようになる。
    敏彦を慕う周囲の人間まで被害が及ぶようになり、しかも異様な現象まで起ったため佐々木事務所に相談に訪れる。

    一方青山は教会に通う小学生の七菜香から学校で流行っている『ハルコさん』の怪談について相談を受け、佐々木事務所に持ち込むが、敏彦のストーカーと奇妙な符号があり…


    ルッキズムやジェンダーに関しての言及が多めの印象な今作。
    魔は美しいものに惹かれる、ということで前作の被害者・笑美に引き続き敏彦も絶世の美貌持ちだが、だいぶ癖が強い。美しさゆえに不憫だった笑美とは対極の位置にある人柄。
    ストーカーの正体はわりと早い段階で見当はついてしまったけど。

    母と子についての葛藤も多く描かれていて、るみの育ての母とのエピソードも語られる。
    ラストは衝撃だったけど…物部さんもっとわかりやすくヒントくれてもよかったじゃんか‥!

  • 漆黒の慕情/芦花公園
    漆黒のBL。大事なことだから2回。BLです。
    敏彦様が幸せならオールオッケーでーす!
    7つ目だけいやに詳細な学校の七不思議と、化け物系ストーカー(リカ?リカなの?)に悩まされる絶世の美青年という、元ネタの違う話と見せかけて…!?なところが芦花公園さんらしい構成。
    個人的に物部の屈折具合が素晴らしいので、是非スピンオフとして物部主人公の怪異譚が読みたい、希望します!
    異形や怪奇現象のビジュアルを文章で描くのは大変だと思うけど、芦花公園さんは映像や情景が浮かんで相変わらず恐怖を書くのがお上手だなぁと思いました。
    BLごっちゃんでした!(語弊)

    追記
    カクヨムに物部のスピンオフ公開されているそうです!

    最近のルッキズム問題についてもかなり言及されていました。
    絶世の美青年って大変だよなぁって、あらためて。美しいだけが価値観じゃない、それはわかる。で?っていう。モテる=うらやましいという単純図式のいびつさ。
    まぁ私も、もし身近に敏彦様がいてしまったら絶対に間違いなく不可避で好きになるのでなんも言えないです。好きになってすいません。
    警察の人がいい味出してて最高でした。あの警察の人の立ち位置すごくいい。

  • 怖い、よりも不快なホラー。
    第一の感想は、「うわぁ、登場人物みんな壊れてる、、、」。
    終章の感想も、「うぁ・・・」。
    不快の原因はスプラッタな描写とかではなく、かと言ってヒタヒタと忍び寄るジャパニーズホラー的な恐怖だけでもない。
    人の闇(病み)が現実味を帯びて紡がれていて、それが心理的に一番こたえる。
    おかしい人々の心情が、理解できないけど、「わかる」と思う自分が気持ち悪いのかもしれない。

  • 片山敏彦のクセが強すぎる(ほめてます)
    絶世の美青年なのに絶妙に気持ち悪いキャラ造形してるところが良いですね。この先も「良からぬものに目をつけられる美しいもの」の役割を期待しちゃうよね。

    そしてこの読後感。ホラーはこうじゃなくちゃね。

  • シリーズ第2弾は前作より更に面白かった!
    人の歪んだ欲望や願望を詰め込んだ内容なのに、めちゃくちゃエンタメ性が高くて魅せられる!

    目に見えない部分について考えさせられました。
    私たちが見ている世界ってほんの一部でしかないって改めて感じさせられます。
    人は笑顔の下に恐ろしい欲望を抱えているんだなぁ、と。
    自分自身の汚い部分と向き合うのは怖いことだけど、それをしないで逃げていると大切な人を傷つけてしまうんだなぁ…とかいろいろ考えます。

    それにしても相変わらずの後味の悪さ!!笑
    最高です!!ただのハッピーエンドで終わらないところ!!大好き!!
    最後はハッとさせられました…!
    第3弾も読みます(*´˘`*)♡

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著者プロフィール

東京都生まれ。2020年、カクヨムにて発表した中編「ほねがらみ‐某所怪談レポートー」がTwitterで話題となり、書籍化決定。21年、同作を改題した『ほねがらみ』でデビュー。古今東西のホラー映画・ホラー小説を偏愛する。

「2023年 『聖者の落角』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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