吾妻おもかげ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 108
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120019

作品紹介・あらすじ

絵師を目指し、安房から江戸に出て十年。菱川吉兵衛は、吉原と芝居小屋という「二大悪所」に入り浸る自堕落な日々を過ごしていた。
狩野探幽への弟子入りを門前払いされたものの、その面目なさから郷里の縫箔屋の跡を継ぐ決心もできずにいたのだ。
そんな中、ひょんなことから吉原の女たちの小袖に刺繍を施すことに。福良雀と笹の葉、波千鳥、吉祥文様の宝珠、玩具の手毬や扇子に草花。
さまざまな美しい意匠を縫い付けながら、吉兵衛は、未来の見えない辛い日々の中でも懸命に明るく生きようとする彼女たちの心の温もりに励まされ、再び筆を執ることと決意する。
だが、ある日突然巻き起こった大火に吉原と江戸の街が飲み込まれ……。江戸の人々の暮らしを見つめ続けた菱川師宣こと吉兵衛が本当に描きたかったものとは?
浮世絵の祖の生涯を描く、人情と愛に満ちた波瀾万丈の浮世絵師小説。

感想・レビュー・書評

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  • 菱川師宣。
    嫌悪していた狩野派と同じ轍を踏む。息子にも弟子にも愛想を尽かされる。因果は巡るか。先妻の思いも逆効果だったのかも。
    常に遊妓に教えられていた。見返り美人にそんな物語があったならば面白い。

  • 「吾妻おもかげ』by 梶よう子
    

    菱川師宣(もろのぶ)

    江戸前期、浮世絵を確立し「浮世絵の祖」と言われた絵師の若手から晩年までの物語。

    千葉県南房総の縫箔師の息子として生まれながらも後継になることを拒み、江戸で絵師になると言って家を出る。

    実家からの仕送りで吉原、芝居小屋で放蕩を繰り返す。

    辛い憂き世を浮き世として過ごそえとする遊女達に触れ、当時の狩野派などの古い権威的な絵師とは無縁を絵を描き始める。

    下積みの鬱積を重ねながら新しいアイデアで従来の狩野派などとは一線を画す新しい浮世絵を確立。とここまでは順調な話。

    最後の最後、大きくなった菱川派を維持していくために知らず陥ってしまっていた自らの権威との葛藤が面白い。

    それにしても吉原の女性達、太夫や女将達の”男っぶり”が気持ちいい。あっぱれ!

    そこが胸に残る。

  • 浮世絵の父のような菱川師宣。
    元和4年(1618年)月日不詳 - 元禄7年6月4日(1694年7月25日))

    まだまだ生まれたての江戸の町で
    師宣はどんな人生をおくったのか。
    前半の人生にやや力点がおかれていきいき描かれている。
    絵が売れだしてからの師宣は
    あんなに嫌っていた狩野派と同じ道を進みそうになる。
    人とは何とも愚かなものである。
    吉原のお姉さんたちも辛い状況の中でも粋で
    やっぱり絵師者小説は好き!

  • 最初から中盤以降師宣になるまでの上り調子の部分は面白くてあっという間に読了したが、終盤の弟子たちに対する場面は昔の自分をすっかり忘れていて読むのが辛い。でも最近の本の中では圧倒的に読みやすくてサクサク読めた。偶然保田近くを通った後だったので、縁があったのかなと思った。

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著者プロフィール

東京都生まれ。2005年「い草の花」で九州さが大衆文学賞大賞を受賞。2008年「一朝の夢」で松本清張賞を受賞し、同作で単行本デビュー。2016年『ヨイ豊』で直木賞候補、歴史時代作家クラブ賞作品賞を受賞.。

「2022年 『決戦!忠臣蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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