狐火の辻 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 55
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120514

作品紹介・あらすじ

土砂降りの雨の夜、湯河原の町で起きた轢き逃げ事件。数年後、またも温泉街で生じた交通事故。どちらも犯人逮捕に至らないまま、再び起きた郊外の交通事故では、なぜか被害者が跡形もなく消えてしまった。連続する事故に興味を抱いた刑事の楢津木は、やがて街中で次々に起こる奇妙な出来事や怪談にも繋がりを見出すが捜査は難航。彼はIQ208の天才棋士、牧場智久の力を借り真相解明に乗り出す。本格ミステリ大賞受賞作、『涙香迷宮』の流れを汲む迷宮的サスペンス・ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 竹本健治さんの作品は「匣の中の失楽」以来!
    今回は温泉街を舞台とした怪談ミステリとなっている。全く関係のなさそうないくつかの怪談話が、徐々に繋がってゆくのが気持ちいい。

    天才棋士が探偵のシリーズらしいのだが、シリーズ感はなく、本作からいきなり読んでも楽しめる。
    本作においては、探偵役の牧場は、神のお告げをするごとく、解決への糸口を刑事たちに告げるだけで、推理の過程は全く描かれない。実際に動くのは刑事の楢津木や薫子たち。
    それゆえ、探偵ものではなく、ライトな刑事小説を読んでいるようだった。

  • 怪談がきちんとミステリーとして解き明かされる快感。牧場智久はいいタイミングでいいアドバイスをくれるbot化していて、あまり魅力が感じられない。

  • 手掛かりから推理を経て、謎が解き明かされるという、一般的なミステリ的な手順からは外れている。何せ、クライマックスは肝心の名探偵(牧場智久)抜きで進行するのだ。けれども意味不明な出来事の意味が、あるとき腑に落ちる、その快感はミステリでしか味わえないものでもある。巻末の解説によると、作者はロス・マクドナルド氏の「さむけ」を引き合いに、ミステリは伏せたカードをめくっていくようなものと規定した上で、本作の意図を語っている。なるほどという感じ。とりあえず、めちゃくちゃ面白かった。

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著者プロフィール

竹本健治:
一九五四年兵庫県生れ。佐賀県在住。中井英夫の推薦を受け、大学在学中に『匣の中の失楽』を探偵小説専門誌「幻影城」上で連載。デビュー作となった同書は三大奇書になぞらえ「第四の奇書」と呼ばれた。
ミステリ・SF・ホラーと作風は幅広く、代表作には『囲碁殺人事件』『将棋殺人事件』『トランプ殺人事件』の「ゲーム三部作」をはじめとする天才囲碁棋士・牧場智久を探偵役としたシリーズや、自身を含む実在の作家たちが登場するメタ小説「ウロボロス」シリーズなどがある。近著に大作『闇に用いる力学』。

「2022年 『竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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