- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041120514
作品紹介・あらすじ
土砂降りの雨の夜、湯河原の町で起きた轢き逃げ事件。数年後、またも温泉街で生じた交通事故。どちらも犯人逮捕に至らないまま、再び起きた郊外の交通事故では、なぜか被害者が跡形もなく消えてしまった。連続する事故に興味を抱いた刑事の楢津木は、やがて街中で次々に起こる奇妙な出来事や怪談にも繋がりを見出すが捜査は難航。彼はIQ208の天才棋士、牧場智久の力を借り真相解明に乗り出す。本格ミステリ大賞受賞作、『涙香迷宮』の流れを汲む迷宮的サスペンス・ミステリ。
感想・レビュー・書評
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最初は不気味かつ断続的な話が続いて少し混乱するが、それが段々と結び付き、最後に筋が通るのが面白かった。
初めは心霊やオカルトかと思った部分が伏線になっているのも驚きがある。 -
怪談がきちんとミステリーとして解き明かされる快感。牧場智久はいいタイミングでいいアドバイスをくれるbot化していて、あまり魅力が感じられない。
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手掛かりから推理を経て、謎が解き明かされるという、一般的なミステリ的な手順からは外れている。何せ、クライマックスは肝心の名探偵(牧場智久)抜きで進行するのだ。けれども意味不明な出来事の意味が、あるとき腑に落ちる、その快感はミステリでしか味わえないものでもある。巻末の解説によると、作者はロス・マクドナルド氏の「さむけ」を引き合いに、ミステリは伏せたカードをめくっていくようなものと規定した上で、本作の意図を語っている。なるほどという感じ。とりあえず、めちゃくちゃ面白かった。
著者プロフィール
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