まほり 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 217
感想 : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120521

作品紹介・あらすじ

主人公裕は、膨大な古文書のデータの中から上州に伝わる子間引きの風習や毛利神社や琴平神社の社名に注目し、資料と格闘する。裕がそこまでするには理由があった。父が決して語らなかった母親の系譜に関する手がかりを見つけるためでもあったのだ。大した成果が得られぬまま、やがて夏も終わりに近づくころ、巣守郷を独自調査していた少年・淳が警察に補導されてしまう。郷に監禁された少女を救おうとする淳と、裕の母親の出自を探す道が交差する時――。宮部みゆき、東雅夫、東えりか、杉江松絶賛の、前代未聞の伝奇ホラーミステリーにして青春ラブストーリー! 感動のラストまで目が離せない、超弩級エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 半分からは続きが気になってドキドキしながら読み終わりました。出てくる単語や専門用語が少し難しくて読む人を選ぶかもしれないですが、テーマは非常に興味深く登場人物を含めた『場』の雰囲気を描くのがすごく巧い作家さんだなと思いました。

  • 上巻に続き、前半は幾つかの謎の核心に迫る文献資料を追う長い道のりにペースダウン。
    飢饉や間引きといった悲惨を予感させるワードから覚悟はしていたものの、“まほり”という言葉に隠された陰惨な因習に寒気を覚えずにはいられなかった。
    多くが語られないままの裕の母の形見がもたらす終わりもこれ以上ないインパクト。彼女が何を感じて生き、どういう経緯を辿って裕の父と出会ったか知りたい気持ちは山々だが、母親を苦しめていたであろう辛い過去の鎖を息子が時を越えて断ち切ったことに救われた思いがして、痛ましさと共に胸が熱くなる。

  • もう、何を言ってもネタバレそう・・・
    閉ざされた村の歴史と、今も行われる儀式とは。
    ホラー調だけど、呪いとか霊とかは出ない。
    そして言葉が難しい。世の中には私の知らない言葉がこんなにあるとは。
    語源とか、候文とか、知らないことがいっぱい。
    難しいので躓きつつではあるが、最後の一章は途中で止められません。

  • 古文書部分も慣れると雰囲気は伝わるもので、何となく意味も伝わる。物語の後半先が気になりはじめると読み飛ばしたくなるのを我慢しなくてはならないのが、逆にマイナス要素か。蘊蓄万歳で、京極夏彦的で良かった。ただ超弩級のエンターテイメントって煽るなら上下巻で分冊しないで一巻本にして欲しかった。

  • 話がグッと進み始めた後半。やっとテンポが良くなった。
    まほり、というタイトルが実はどのような意味を持っていたか。そこが判明するまで、主人公と一緒に大変な史料の点検をしてきた感じ。ある意味すごい臨場感。もちろん実際の研究はもっとじっくり文書を読み込むはずだから、読者側の私は楽をさせてもらったと思う。

    伝奇ミステリという分野が昔流行った。似ているが、口伝より史料から謎を読み解く感じが、新しかった。
    作中の古文書の文章は、実在のものなのか、創作なのか。どちらにしてもすごい。普段から作者さんはこういう文書に触れているのだろうと思った。楽しそう…

    準主役の少年淳の出会った着物の少女と、裕のルーツ、両方がスッキリする。
    古い因習による凄惨な過去を明らかにする話、かなり好物なので、楽しめた。

  • 日本語学をかじっている私は種明かしの前に「まほり」の意味を理解してしまったため、衝撃度は低くなってしまったことが残念。

    それよりもストーリー展開がどこかで読んだことがあるように思えてしまうことの方が残念かも。

    大好きな「図書館の魔女」ほどの心の震えには至らず。それがそもそも残念。

    「図書館の魔女」は私の心の中の金字塔だったので、高田さんの次作に期待し過ぎたかもしれない。

    かなり現実に寄せた物語であり、多くの配慮が働いていたように思う。それは…まるで自己規制。表現の無限の自由を奪いかねないような。

    ファンタジーのほうが自由に表現を羽ばたかせられるのではないでしょうか。それができなかった不自由さのようなものを感じました。

  • タイトルの意味がわかったときには背中がぞっとした。
    だけど、やっぱり言葉の一つ一つが難しく、物語が佳境に入り読み手を一気に惹きつけるであろう場面も、説明がやたら小難しく長いせいで、トーンダウンしてしまった。
    作者が「言葉」をとても大事にしてるのは理解できるんだけど、ちょっと辛かったなぁ。
    閉塞した村人の狂気も怖いんだけど、なぜそこに至ったのかも不十分だったし、ちょっと中途半端に感じた。
    裕の母親のことは、何もわからないままなので次作があるのかも。

  • 思わず、映画化したときの配役まで考えてしまった(笑)
    図書魔女も早く続編が読みたい!

  • 図書館の魔女が好きでこの作品にたどり着きました。やはり高田大介さんの世界観や文章はとても素敵だと思う。ただ、この作品は読むのが辛かった、、、本編に関係あるのかないなか定かではない学術的な説明が延々と続くのがどうも耐えられず。ストーリー全体は面白かったけれども。もうちょっと読みやすーくして欲しかったです。

  • 山奥のとある郷で至るところに貼りたくられていたという蛇の目紋の札の謎と自身の母のルーツについて探っていた裕は凄絶な日本の歴史を目の当たりにする。
    そして『まほり』という言葉の意味、由来に辿り着いたとき現れる地獄。
    終盤は一気に駆け降りるようなスリルがあった。
    膨大な史料を読み解いていくことで展開が動き右往左往するタイプのミステリ、このタイプならではのおもしろさがやっぱりある。すごい。

    読み進めるのに教養を求められる内容で、教養どころか中学レベルの日本史も怪しい僕は読むのに2週間もかかってしまった。
    けれど読み終わりの感慨はひとしお。
    裕にとってこの事件がどういうものだったのか分かる最後のやり取り、無性に涙腺にきたな...。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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