甘夏とオリオン (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 48
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120545

作品紹介・あらすじ

人はいつだって、誰かを待っているんやね。
大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。

感想・レビュー・書評

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  • 人はいつだって、誰かを待っているんやね。
    大阪の下町、玉出の銭湯に居候する駆け出しの落語家・甘夏。彼女の師匠はある日、一切の連絡を絶って失踪した。師匠不在の中、一門を守り、師匠を待つことを決めた甘夏と二人の兄弟子。一門のゴシップを楽しむ野次馬、女性落語家への偏見――。苦境を打開するため、甘夏は自身が住んでいる銭湯で、深夜に「師匠、死んじゃったかもしれない寄席」を行うことを思いつく。寄席にはそれぞれに事情を抱える人々が集まってきて――。

  • 落語小説よみつくし中。佐藤多佳子さん「しゃべれどもしゃべれども」、北村薫さん「円紫さん」シリーズ、大倉崇裕さん「季刊落語」シリーズ(いずれもおもしろい!)に続いて、駆け出しの女性落語家が主人公の本書を手に取る。
    これまで読んだ落語小説が東京の話だったのに対し、こちらは関西弁がとびかう上方落語。桂夏之助師匠と弟子の小夏・若夏・甘夏とのエピソードがどれも味があっていい。励む甘夏を応援したくなる。
    米朝の孫弟子にあたる女性落語家、桂二葉さんに取材したとのこと。女性落語家の噺にも上方落語の寄席にも興味がわいた。

  • (ネタバレあり)

    落語家の師匠・桂夏之助がある日、いなくなった。

    心置きなくバカを演じられる面白さに魅了されて、弟子入りした甘夏を軸に、同じ一門の小夏、若夏の3人の成長物語を描く。

    師匠はラストまで戻らぬままのストーリー展開だったり、若夏の家族が水俣出身であることの葛藤が加わったりだが、落語の修行世界を明るく描いているので、読みやすかった。

    落語好きにもオススメの1冊。

  • 生で落語を聴いたのは両手両足の指の数よりも少ないかもしれへん。でもいま、この本を読んで後悔した。もっと落語を知っておくべきやったと。いやもっと知りたい。
    「代書」も衝撃的だった。朝鮮人が登場する落語。ほとんどの落語家はその部分を割愛するらしいけど、これに登場する師匠はきちんと全部やる。
    曰く「落語は人を笑う噺やけど、その人の存在を否定するのではなく肯定するのが落語や」やと。なんかしびれた!

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、改題した『勇者たちへの伝言』で2013年にデビュー。同作は2016年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した。他の著書に『空の走者たち』(2014年)、『風よ僕らに海の歌を』(2017年)がある。

「2022年 『甘夏とオリオン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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