ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論 (角川文庫)
- KADOKAWA (2021年10月21日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041120569
作品紹介・あらすじ
ラノベ作家の杉浦李奈は、新進気鋭の小説家・岩崎翔吾との雑誌対談に出席。テーマの「芥川龍之介と太宰治」について互いに意見を交わした。この企画が
きっかけとなり、次作の帯に岩崎からの推薦文をもらえることになった李奈だったが、新作発売直前、岩崎の小説に盗作疑惑が持ち上がり、この件は白紙に。そればかりか、盗作騒動に端を発した不可解な事件に巻き込まれていく……。真相は一体? 出版界を巡る文学ミステリ!
感想・レビュー・書評
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松岡さん。
本当に色々なジャンルを書きますね。
千里眼
Q
α
ミッキーマウス
高校事変
etc
今回は、芥川や太宰から最近のコンビニ人間などの文学論など、こんな話も書けるんだと愕きました。
これも、シリーズ化するのかなぁ?
と思って巻末を見たら、
2021年12月21日に発売予定詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回は文学界の蘊蓄話。
ラノベ作家が大ヒット作を出版し話題の新進気鋭の作家と対談する事に。それをきっかけに次回作の推薦文を書いてもらう事になったのだか、出版直前に盗作騒動が発生し頓挫。
その後、盗作の疑いをかけられた作家が行方不明になり、成り行きで行方を探し、盗作騒動の謎を探ることになったのだが・・・
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多作な作家さんで、次から次へと新しいシリーズが始まるし、どのシリーズが終わったのか、よく分からなくて、最近では気にしていなかったのだけど、2作目が出たところで、このシリーズの存在を知り、文学をテーマにしているとのことで、つい手を出してしまった…
今シリーズの主人公はラノベ作家の李奈。
新進気鋭の話題の作家・岩崎翔吾と雑誌の対談で知り合ったことで、最新刊の帯を書いてもらうが、発行直前に岩崎に盗作疑惑が持ち上がり、李奈の新刊のプロモーションもとん挫することに。
そんな中岩崎が失踪するが、盗作されたと訴える側の行動も怪しいことから、李奈がこの真相のルポを書く為に取材することになるが、どんどん不可解な事件に巻き込まれていく。
誰が何のために、手の込んだ盗作騒動を起こし、殺人事件まで起こしたのか?
「文学ミステリー」と名付けられているので、ちょこちょこ出て来る文学の蘊蓄が、あまり本編には関係ないようでうざい。
「鑑定士Q」などを読み慣れていると、あまりにあっさり容疑をかけられている人たちが死んでしまうと引く。
太宰や芥川のうんちく話も、そんなに必要だとは思えず・・・引きこもりの設定の李奈も全然そんなことなく、作品自体のブレを感じる。
とりあえず1作だけ読もうかと思ったけど、つい2作目も買ってしまった… -
2021年10月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。ラノベ作家杉浦李奈の探偵譚。文学ミステリ的な話ではじまり、興味津々でしたが、ありふれた探偵路線的な展開になってしまい、ちょっとがっかり。次作もあるようですが、ecritureな世界を書いて欲しいです。
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ラノベ作家の杉浦李奈は、新進気鋭の小説家・岩崎翔吾との雑誌対談に出席。
テーマの「芥川龍之介と太宰治」について互いに意見を交わした。
この企画がきっかけとなり、次作の帯に岩崎からの推薦文をもらえることになった李奈だったが、新作発売直前、岩崎の小説に盗作疑惑が持ち上がり、この件は白紙に。
そればかりか、盗作騒動に端を発した、不可解な事件に巻き込まれていく……。
ストーリーを面白くすることよりも、文学に関する蘊蓄を語ることを優先した結果、つまらない作品になってしまったなあという印象を受けました。
松岡圭祐さんの作品にはありがちなことなのですが、豊富な知識をただひけらかすことだけに終始して、それが物語の中で意味を持っていないように感じます。
言葉はキツくなりますが、文学の蘊蓄などあってもなくても物語には影響せず、ストーリーそのものは半分の分量で語れてしまう程度の内容しかありません。
読了した人はぜひ、文学蘊蓄の部分がないものとして再読してみてほしいです。
それでもストーリーは何の変わりもなく成立するでしょう。
もちろん、ストーリーとは直接関係がない、そういった
知識や蘊蓄が物語を彩るというケースもあるでしょう。
しかし、松岡圭祐さんの作品の多くは知識が上滑りしているだけで、小説を豊かにする効果を上げてはいないように僕は感じてしまいます。
ストーリーの根幹であるミステリ部分(盗作事件)自体はせっかく面白いのだから、そこに注力してもっと膨らませていけばよかったのになあ。 -
久しぶりに松岡作品を読みました。相変わらずすごいスピード感で物語が展開して行く醍醐味を味わいました。
この作家さんはどんな頭の構造をしているのか、書くスピードもものすごく早いですね。次々とテーマの違う作品を発表して読む方が追い付かない程なのに驚嘆します。
本作は作家さんが主役で、出版界の裏話や作家あるある随所に出てくる文学ミステリーです。有名作家の話も盛りだくさんなので本好きには嬉しい作品ですね。
私的には辻邦夫の「夏の砦」が一番嬉しく思いました。
物語も二転三転どころか、展開が次々に変わって行くので引き込まれるように読み進めました。
二作目も出て、三作目も出版の予定がもうすぐです、本当に読むのが追い付きません。兎に角呆れるくらいに稀有な作家さんなので感心します。読むのが遅い方なので選ばせて読ませてもらっています。どれも面白いから。 -
ラノベ小説とかそれ何?だったし、芥川、太宰、、、ほとんど忘却の世界、ちょっとついていけなかった。
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序盤の展開から最後は話が大きく膨らんだ。
主人公が女性だからか、優しい雰囲気が出つつ、しかし最後はきっちりと締めてくる。
新しいヒロインの誕生?今後の活躍に期待したい。 -
この作者の新たなシリーズ!今度は文芸だ。
もしかすると(本物の)聞いたことない作家の名前、読んだことも聞いたことのない本のタイトルなどに圧倒されるかも知れない。
もちろんこの出てくる本を全て読破していればそれに越したことはない。
しかし決して読んでいないから全然わからない、ということではない。
本書を通して、興味を持てばいいだけだ。
さて、主人公はラノベ出身の新人作家杉浦李奈。
雑誌の対談で、同じく新人作家で大学講師の岩崎翔吾と知り合う。
しかし、これに盗作疑惑が持ち上がり、そして失踪。
それを題材にして、ドキュメンタリーを書くというのが、李奈の仕事となった。
登場人物は多いが、少ない登場回数でもしっかりインパクトを残している。
ライターの秋山、李奈の両親との確執など、知りたいことはたくさんある。
すでに第二作も出版しているとのことで、楽しみだ。
本作はトリックではなく、なぜ、誰が、に焦点を当てたミステリだ。
小ネタを入れ、出版界の厳しい現実を描き、人々の心をあぶり出し、そして点が最後に繋がる切れ味。
これだからやめられない。
著者プロフィール
松岡圭祐の作品






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