- KADOKAWA (2022年4月21日発売)
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感想 : 7件
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Amazon.co.jp ・本 (784ページ) / ISBN・EAN: 9784041120606
作品紹介・あらすじ
毒ガス・サリン撒布計画を実行に移す――。教祖・十文字の反社会的なエゴは肥大化し、やがて侍従長である幸田のコントロールが利かなくなってゆく。若き幹部・太田慎平は信仰のために自らが犯した罪に苛まれ、苦悩を深める。一方、金蔓と見定めて彼らと手を組んだ警部の児玉は、権力者たちの暗闘に搦めとられていく。負の感情に囚われ、死臭を放ち始めた男たち。向かう先は天国か地獄か。未曾有の巨編が迎える衝撃の結末。
みんなの感想まとめ
人間の業と信仰の脆さを描いた物語が展開され、深いテーマが心に残ります。新興宗教の教祖が自己中心的なエゴを膨らませ、信者たちがその影響を受けていく様子は、現実の社会にも通じるものがあります。組織内の対立...
感想・レビュー・書評
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地下鉄サリン事件はこんな風に起こったのではないかと思えるくらい生々しい。
教祖が狂気に堕ちていることが分かっていながらも、教団内の権力を保つため、考えることを放棄したため、裏切り者として制裁される恐怖、盲信しているためなど様々な理由によって誰も止められなかった。
ものすごいボリュームで、内容もとてもしんどいものですが、一度は読んで良かったかと思います。 -
あのオウム事件に万が一このような背景があったとしたら、とても恐ろしい。
恐ろしいのはヒトの業と正義の揺らぎ
いやいや正義なんてこの世に存在するのか。
さらに正義があったとしても、その実現に道を誤ったら?
深く、悲しく、怖い小説だった。 -
事実は小説より奇なり…かな、と思いながら読み進めました。平成の暗黒史である、オウム事件。ぼくらが“体験した”その恐ろしさ、マスコミの扇動、そして、彼らを“人間”として語ることがタブーだった時代の空気。水面に浮かぶ、そんな表層的な事実の根っこにストーリーを加え、関係する人々の心情を抉り取ろうとした快作だと思う。ノアール小説の巨匠だからこそ、そしてそう言われるからこそ、あの事件の加害者たちの心情をつかもうとするのは、使命にも似たものだったのかもしれない。当事者たちは死刑になり、僕らはあの事件から何も学べなかった。だからこそ、こんな“フィクション”は大きな意味を持っている。
著者プロフィール
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