頂上捜査 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 28
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120637

作品紹介・あらすじ

新任キャリアの仁村と叩き上げのマル暴刑事・皆沢。それぞれ知事の贈収賄案件と暴力団抗争事件を追うが、ある女の死をきっかけに2つの事件はつながっていく。絡み合う事件の真相とは。迫真の警察小説!

感想・レビュー・書評

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  • 新任キャリアとマル暴刑事。異色のタッグが「頂上」を捕る!

    キャリアの仁村は山梨県警捜査二課長に着任早々、県知事・有泉の贈収賄事案を手掛けることになる。県の人事委員長の職をあっせんする見返りに、葬儀会社会長・新原から三百万円相当の洋服仕立券を受け取ったというのだ。一方、県警組織犯罪対策室長の皆沢は地元暴力団の抗争事件を追っていた。激化した抗争に巻き込まれ命を落とした女は、仁村たちに情報を上げていたスパイだった……。県を揺るがす2つの事件。その衝撃の真相とは!?

  • 警察モノ、事件モノの小説である…
    山梨県を舞台とするということになる小説だ。実は自身では山梨県を余り知らない。が、それでも物語の中での事件の舞台としてリアリティーを持って迫るものは在った。
    プロローグに、暴力団抗争という不穏な事態の最中、街で発砲事件が在って、女性が救急搬送されるという物騒な場面が描かれる…そして以降、物語の本編が始まる。
    県警の捜査二課に課長として赴任したキャリアの仁村は、着任早々に大きな事案の相談を受けた。県知事が収賄に及んでいる可能性が在るので内偵を進めるという相談だった。
    収賄側の県知事、そして贈賄側の会社の代表者の関係性、贈収賄の事実を明らかにしようとする訳だが、内偵を始めようとした時点で判っていたことだけでは、検察が動いて逮捕に突き進むには「やや弱い事実」という感を免れ得なかった。
    他方、県警の組織犯罪対策部の皆沢室長は、激しくなって行く暴力団抗争の事案に苦慮しながら活動していた。県下最大の組織で非主流派になった組が袂を分かち、主流派と争うようになっていたのだ。組事務所の移転を巡る事や、互いの幹部の襲撃の応酬等、色々な事件が次々に起こっている。
    県知事が関わるとされる贈収賄の事案の捜査に取組む仁村だが、贈賄側の会社内部の情報提供者も紹介された他方、何やら色々と巧く運ばないことや、事案への取組みを推進めようとした幹部が非違事案で謹慎を喰らう等、酷く妙な様子で事態が推移した。
    やがて…プロローグに描かれた発砲事件に至る…
    組織犯罪対策部の皆沢は、撃たれて死亡してしまった女性の正体を探ろうとする。そこに捜査二課の仁村から連絡が入る。死亡した女性を知っているという。
    こうして仁村と皆沢とが共闘することとなる。彼らが手を携えて、見出す真実は如何に…という物語だ。
    仁村と皆沢とが共闘に至って以降は、そこまでに仁村が苦慮した様々な問題の裏や、贈収賄事件の真相が鮮やかに明かされる。東京から赴任して来たスマートなキャリアの刑事と、厳つい風貌の「如何にも…」という感じなベテランの“マル暴”刑事との「急造の異色コンビ」が「深い闇」に果敢に斬り込むという感だ。
    なかなかに爽快な物語であったと思う。

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著者プロフィール

1956年、静岡県生まれ。明治大学卒。94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞、10年「随監」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。本書は捜査一課に対抗心を燃やす生活安全特捜隊班長・結城の活躍を描く、渾身の警察小説。著書に『ソウル行最終便』等。

「2022年 『伏流捜査』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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