ホーンテッド・キャンパス だんだんおうちが遠くなる (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 247
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120644

作品紹介・あらすじ

今年も残すところあと数日。世間は完全に正月ムードの中、雪越大学三年生の八神森司は、アパートの自室でとぐろを巻き、孤独な年越しを決めていた。例のクリスマスイブから数日たち、その騒動でなくしてしまったネクタイをこよみと買いに行く約束をしていたのだが、大雪の心配があった。こんな日は家にずっといたい――と思っていたその時、雪大オカ研のメンバーから召集のLINEが入った。今回の依頼主は、かつてタレント占い師として名をはせていた如月妃映こと蒔苗紀枝だった。その奇怪な相談内容は、「自宅でいつも、自分が死んでいる――」というものだった。大雪の降る中、オカ研メンバーの推理が冴えるシリーズ19弾。

感想・レビュー・書評

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  •  今回も楽しませていただきました。

     いろんな人がいて、いろんなことがきっかけで、不可思議なことが起きるというのはとても納得ができることで、好きだなぁと思うんですよね。

     それに加えて、そろそろ二人をくっつけてあげてほしいなぁとも思ったりもしますね。

  • 年末年始も落ち着かないメンバーである。
    今回は「怒り」が印象的な話が多かった気がする。
    あと複雑な仕様になっている話ばかりで、真相が明かされるドキドキ感も強かった。
    ああ、そうなるのかと。

    怖さという意味では、四谷怪談の話に出てきた某キャラがスルーしていた事実が一番怖かった。
    森司も「真に恐ろしいのは、これだ」と言わしめた件。
    やはり、幽霊よりよほど怖いのは生きた人間の意志の方である。

    そんな中、ちゃっかりこよみちゃん一家の危機に駆けつけ、夜食をいただき、お泊り未遂まで発展した人がいるんですけど。
    これでまだ付き合ってないんですって。
    何回目だろう、このツッコミ。
    ついにみんなに結婚の方が早そうと言われる始末。
    全くだ(こよみちゃん家族公認だもの)

  • ホーンテッド・キャンパスは、怪異よりも、人の方が怖いという感想を持つ話だけど、
    今回の物語の中では、悪意という悪意は無く、人の方が怖いという感覚ではなかったかな。

    もちろん、生き霊だとか、死してなお執着する思いの強さだったりが描かれるので、人の思いの強さや深さが与える影響なんかは感じる話ばかりでは合ったけれど。


    ここからはネタバレ。

    「人の方が怖い」という話が多いホーンテッド・キャンパスで、今回はそれに当てはめるなら、3つ目の話かな。
    劇団員の紫乃譜が、虐待されている隣家の子を知らぬふりしていたその心持ちが1番怖い。
    もちろん、そう至るには紫乃譜の人生に原因があるんだけどね。
    そしてその原因となる心の動きが、3作目の物語の核にもなっている。
    紫乃譜が隣家の子を見殺し(亡くなってないけど)にするのは仕方ない流れにしても、やっぱり砂を噛んだような、うーん、、、というような、怖さというか苦さを感じたな。

    「人が怖い」で、悪意が前面に押し出されることも多い中で、ちょっと種類の違う「人が怖い」でした。


    さて、森司とこよみちゃんの恋愛模様は進展せず。
    とはいえ、これお互いが自分のこと好きじゃないのかって、もはや分かってるよね⁈
    焦ったすぎるけど、焦らさないと、なかなかホーンテッド・キャンパスの巻数稼げないもんね(笑)

    まだまだ櫛木理宇的には、この舞台設定に合うホラーな物語生み出せるってことかな?
    生み出し終わるまでは、森司・こよみの両思いは叶わないかな?

  • 前作のインパクトから変わって今回はテンポ良く読めるお話でした。メインイベントの八神とこよみちゃんとの絡みは全員が拳を握って「!!!」ってなると思います。そこも含めて今回も最高に楽しめました。

  • 19弾!
    今回は血縁が怪奇現象の引き金に

    四谷怪談の章、作り込まれ方が凄いと思ったけど、参考文献の量で納得


    そして相変わらず進展しない、
    こよみと森司可愛いw

  • 冬型の天気の最中に読んだので、まるで現在進行系のことのようで臨場感があった。今巻はかわいそうな子どもがたくさん出てきたな……。それと四谷怪談はお岩さんのあたりのことを簡単にしか知らなかったのでとても勉強になった。

  • シリーズ第19弾。

    3話からなる短編集。
    不満をいいつつもとうとう最新刊。
    ホラーというよりは生きている人間の悪質な部分をテーマにしている部分が強く感じる。

    数日やったアルバイトのお金を少しずつ崩しつつデートをするような森司。
    まともに働いたこともない森司がいっちょまえに将来の家庭像を部員の前で語ったりしちゃったりしちゃって・・・・オイ!
    全力で生活費を稼いでいる鈴木や泉水の前でよく恥ずかしげもなく言えたもんだ。

    小説とはいえ森司が19巻になってもいまだこんな感じな部分が不快な為イマイチ★を高く評価できずにおります。

  • いつもどおり…といえばいつもどおり。前から思っていたが藍さんとか、OGそんな出張りますかね?

  • こわ!森司がんばれ!!早くくっつけ!!まだくっつくな!!!読んでる時いつもこれ

  • 第19弾。だけれど二人の仲の進展は……うーん、ま、こんなもんでしょか。全くの進歩がないわけではないけれど。その他オカ研メンバーの気持ちはよーく分かるぞ。
    ホラーの部分は今回も怖いです。ほんわかムードに騙されずやっぱりどこまでも怖い。しかし実は一番怖いのって幽霊……よりも生きている人間……よりも……雪っ!? これは雪国の人なら共感できるのでしょうか。閉じ込められるって驚愕すぎます。全然ロマンチックじゃないんだ。
    というのはさておき。「四谷怪談異考」が凄いです。ざっくりとしか知らなかった「四谷怪談」も分かりますし。それになぞらえた現実の事件の謎解き、そしてラストの一番恐ろしく惨たらしい真相の解明まで、ぞくぞくが止まりませんでした。鼠と櫛の謎が怖すぎた……。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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