さよならに反する現象

著者 :
  • KADOKAWA
3.46
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本棚登録 : 648
感想 : 73
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041120743

作品紹介・あらすじ

心霊写真の合成が趣味の僕が撮影をしていると、一人の女性がカメラに映りこんできた。しかし撮影されたデータには無人の交差点が映っているだけだった。映りたがりの幽霊、悠川さんがこの世に残した未練とは……?(『悠川さんは写りたい』より)
ほか、乙一贈る恐ろしくて切ない出会と別れの短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 乙一さん作家生活25周年記念短編集。
    五つの話が入っていました。

    どの話も少し怖くて、少し切ない。乙一さんらしい安定感がありました。
    さらに今作は、けっこう楽しみながら書いたのかな、という印象も受けました。

    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」は、アニメのおそ松さんに出てきた【なごみ探偵】の世界観はそのままに、オリジナルのミステリ。
    キャラクターの特徴もそのままで、くすっとする場面の連続でした。(以前アニメを見たものの、あまり覚えていなかったのですが、この話を読んで記憶がよみがえりました)

    「フィルム」ではいきなり、星野源さんの曲【フィルム】の歌詞がどーんと登場。
    曲にインスパイアされて書いたのかな、と想像しました。

    25周年記念というには、若干物足りなさを感じましたが、わたしとしてはまあ、そんなことはいいのです。
    これからもずっと書き続けてほしいと思います。

    • ほん3さん
      あゆみりんさん、こんにちは。
      いやいや、そんな。偉そうに言ってしまいましたが、わたしの思い込みの気もしますし。

      あの、突然ですけれど、敬語...
      あゆみりんさん、こんにちは。
      いやいや、そんな。偉そうに言ってしまいましたが、わたしの思い込みの気もしますし。

      あの、突然ですけれど、敬語をやめてもいいですか?
      以前のレビューで、あゆみりんさんの娘さんは中2だとあったような気がします(違ってたらごめんなさい)がわたしの息子は中1で、子ども同士の年齢も近いことですし。
      よかったら、気楽にお話しできたらいいな、と思います。いいかな?


      2022/07/31
    • あゆみりんさん
      ほん3さん、おはようございます‼︎
      私の子供は一人娘中2です。
      是非、これから気楽にお話し出来たら嬉しいです、よろしくお願いします♪

      よろ...
      ほん3さん、おはようございます‼︎
      私の子供は一人娘中2です。
      是非、これから気楽にお話し出来たら嬉しいです、よろしくお願いします♪

      よろしくっ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
      2022/07/31
    • ほん3さん
      ひとり娘ちゃんで中2って、うちはひとり息子中1なんで、ひとりっ子なところも同じ!
      これからもよろしく〜♪
      やったー٩( 'ω' )و
      ひとり娘ちゃんで中2って、うちはひとり息子中1なんで、ひとりっ子なところも同じ!
      これからもよろしく〜♪
      やったー٩( 'ω' )و
      2022/07/31
  • 乙一作家生活25周年記念短編集。

    一番よかったのは「悠川さんは写りたい」。
    コミカルなやりとりが楽しく、最後はじーんときた。

    「家政婦」は、神宮寺親子のスルー力がたくましい。
    それでいてフォローは欠かさない人情味も、よかった。

    どちらも幽霊が登場するけれど、ホラーの怖さはなかった。

    リストラされたことを妻に言い出せない「そしてクマになる」。
    壊れそうな危うさが見えつつも、あたたかみのある話。

    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」は、ギャグ寄りな作品で、意外。
    「おそ松さん」を見てないのであまり入り込めなかった。

  • 作家生活25周年を迎えた乙一さんが贈る、さよならの代わりの5つの物語。

    「おそ松くん」を元に描かれた作品や、星野源さんの「フィルム」にインスパイアされて生まれた作品があったり、今までになかった乙一さんが味わえる

    ホラー要素はあるけど、全体的に優しい感じで怖さはほとんどなかった。
    「家政婦」と「悠川さんは写りたい」が好きだった。
    個人的には、どの話も好きなんだけど、でもどこかインパクトにかけるというか、あっさりした感じだったな〜

    乙一さんでは、山白朝子名義の作品がやっぱり好きなので、新しい1人アンソロジーの作品「沈みかけの船より、愛をこめて」が楽しみ〜!

  • 【収録作品】 そしてクマになる/なごみ探偵おそ松さん・リターンズ/家政婦/フィルム/悠川さんは写りたい
    切ないホラー・ファンタジー。
    「そしてクマになる」は、リストラされたことを家族に言えないまま、着ぐるみに入るアルバイトをしている男性が主人公。中年男性の切なさがあふれている。
    「なごみ探偵…」は、「おそ松さん」を知らないこともあって、よくわからない。ミステリ風味のパロディなのかな。
    「家政婦」は、ヒロインのとぼけたキャラがサスペンスを盛り上げない感じがいい。
    「フィルム」は、星野源さんの歌詞が冒頭に掲げられている。ちょっとだけ生きてみてもいいかもと思わせる仕掛けがうまい。
    「悠川さんは…」は、心霊写真を作ることに没頭している青年・烏丸が、出会った幽霊の話。あとからわかる烏丸の事情も切ない。
    著者は容赦ない作風のものもあるのだが、これはちょっと明るめの温かい作品が集められているようだ。それにしても切ない。

  • 「そしてクマになる」
    「なごみ探偵おそ松さん・リターンズ」
    「家政婦」
    「フィルム」
    「悠川さんは写りたい」
    という5つの短編小説。ダークだったりホラーだったりしながらも、どこかコミカルな文体でさらっと読める。
    乙一さんの小説は昔も今もずっと大好きだけど、欲を言えばまた初期の頃のような唯一無二の異彩を放つ話が恋しい。

  • 五つの短編集からなります。
    オススメは最期の章です。さよならに反する話しでした。

    『悠川さんは写りたい』
    心霊写真加工が趣味な烏丸君に本物の地縛霊の悠川さんと出会います。烏丸君が心霊写真加工をしている意味が判り切なくなります。そんな悠川さんの恩返しも素敵でした。最期に可愛いキャラの悠川さんが、ギロっと写ります。

  • わー、久しぶりの乙一さん新作だ♪

    著作を全て読んでしまいがっかりした記憶が蘇る。こんなに面白い作品達を読み終えてしまった後悔たるや。まずGOTHで出会い没入し、16才の時のデビュー作から読み漁った。それから後に山白朝子や中田永一、越前魔太郎の別名義があることを知って興奮した。

    まぁそれはさておき、今作は作家生活25周年の記念短編集。「そしてクマになる」の悲しみからの変身の恐怖と最後のほっこり感とのギャップ。私の好みは「悠川さんは写りたい」だ。幽霊なのに怖くない悠川さん。なんならかわいらしい。しかし哀しみは深かったのか、最後はゾクッとさせる。

    これはこれで面白かったけど、もっとダークな長編を欲していた。

  • 「家政婦」をベッドで寝る前に読んでしまった。
    確かに、恐ろしくて切ない話たち。誰にとって恐ろしくて、誰にとって切ないのか。

  • 本格的なホラーではないが、思わず後ろを振り向きたくなるようなふと感じる怖さや日常にありそうでなさそうな怖さを味わえた。
    悠川さんは写りたいが一番面白かった。どの話も、一悶着ありながらもスッキリするラストを迎えたと思ったら、最後の一文でゾッとした。モヤモヤ感が残るところがどんでん返しになってて大変面白かった。
    乙一さんの作品を初めて読んだけど、恐怖度の薄いけど、最後にゾッとするような怖さがあって面白いと思った。
    ホラー好きの私としては少し物足りない感じもした。

  • まず、手に取った瞬間に装丁の美しさに圧倒されました。
    5編の短編集です。久々の乙一さん、やっぱり良かったです。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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