月に吠える: 萩原朔太郎詩集 (角川文庫 し 1-6)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041121061

感想・レビュー・書評

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  • 月の初めに生まれ「朔」の字を名前に持つ朔太郎、荒削りの詩を通して彼の描く月は、単なる抒情にとどまらず、「死にゆくが故に生きている」肉体とは対極にある、静かで永続性を持ったものとして象徴的に登場する。彼の月に対する怯えは生に対する怯えの鏡写しのようでもある。(みやつき)

  • 5月19日読了。萩原朔太郎の詩集、iPhoneの青空文庫アプリにて。詩集のタイトルからか「青白い」印象を受ける詩集、純粋で痛々しいが目を背けたくなるような露悪的なものではなく、読後感は悪くない・・・詩は感傷的な独白ばかりではいやらしくて胸焼けがしてしまうが、この作品では情景を観察して描写た「写実的な」詩が多く、かえって読んでいてイメージが喚起される。(「およぐひと」短いが強く印象に残った)声に出して読めばまた感想も変わるかな。切れ味鋭い短詩もいいが、終盤に収められた二編の長編も、ちょっとした小説のようで興あり。

  • 萩原朔太郎がどう世界を見ているか。それも含めた言葉の美しさ、描き方が面白かった。萩原朔太郎の人物像を分析した解説も相まってまた読んでみたい作品となった。

  • 北原白秋からの推薦文と本人の解説も含めて全て朗読していただきたい。

  • 一遍のみ、などできちんと一冊読んだことがなかったので
    手に取ってみました。

    詩の技巧的なところなどは正直あまり理解できておらず
    雰囲気で読んでしまうのですが、
    口語体で詩を書くということが画期的だったことや
    32歳のときの自費出版であったなどの
    時代背景ともあいまって、
    孤独が淡々と綴られている感じが
    胸に染みてくる感じがしました。

    解説の
    芸術家の創作活動の厳選はたいていトラウマに見出すことができる
    という言葉に頷いてしまいました。

  • ちょっとよく分からなかった…

  • 祖父所持の創元文庫にて。
    北原白秋の序文、初版の序、室生犀星の跋文がすごくて、三人の関係が知りたくなる。

    月に吠える
    竹とその哀傷
    雲雀料理
    悲しい月夜
    くさつた蛤
    さびしい情欲
    見知らぬ犬
    長詩に篇
    蝶を夢む(抄)

  • 後半に収録されている、詩集 純情小曲集と氷島が印象的だった。

  • 家に萩原朔太郎全集があったのでその中から一番有名なこれを。萩原朔太郎、初めて読んだけど、凄いわ。 何か病んでるって言うか……天才と狂気は紙一重って本当だと思う。 狂気の向こう側に、きっと見たこともない世界が広がってるんだろうなぁって思う。 朔太郎は竹にまつわる一連の詩を残しているが竹シリーズは特に朔太郎の暗部が浮き彫りになっていると思う。 読み終えた後病んだ。 名作は何かを消耗させるものだと改めて感じた。2010/099

  • 静かに腐っていくような綺麗な膿を抱えた詩集。
    「悲しい月夜」「ありあけ」「死なない蛸」が印象に残っています。

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著者プロフィール

萩原朔太郎
1886(明治19)年11月1日群馬県前橋市生まれ。父は開業医。旧制前橋中学時代より短歌で活躍。旧制第五、第六高等学校いずれも中退。上京し慶応大学予科に入学するが半年で退学。マンドリン、ギターを愛好し音楽家を志ざす。挫折し前橋に帰郷した1913年、北原白秋主宰の詩歌誌『朱欒』で詩壇デビュー。同誌の新進詩人・室生犀星と生涯にわたる親交を結ぶ。山村暮鳥を加え人魚詩社を結成、機関誌『卓上噴水』を発行。1916年、犀星と詩誌『感情』を創刊。1917年第1詩集『月に吠える』を刊行し、詩壇における地位を確立する。1925年上京し、東京に定住。詩作のみならずアフォリズム、詩論、古典詩歌論、エッセイ、文明評論、小説など多方面で活躍し、詩人批評家の先駆者となった。1942年5月11日没。

「2022年 『詩人はすべて宿命である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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