あわのまにまに

  • KADOKAWA (2023年2月22日発売)
3.38
  • (36)
  • (73)
  • (134)
  • (28)
  • (6)
本棚登録 : 1539
感想 : 106
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041121566

作品紹介・あらすじ

どれだけの秘密が、この家族には眠っているんだろう――
「好きな人とずっといっしょにいるために」、あのとき、あの人は何をした?
2029年から1979年まで10年刻みでさかのぼりながら明かされる、ある家族たちをとりまく真実。

2029年、韓国からきた兄の家出、おばあちゃんのお通夜で通常運転のママ。2019年、クルーズ船で一緒になった夫婦と年若の青年。2009年、クリスマスの夜のダイヤの指輪、1999年、ノストラダムス後も終わらない世界で「ママは、パパが死ぬのを待ってたんじゃないか」と言った幼なじみ。1989年、親友からその亭主の死を知らせる電話。1979年、おなかの中の三ヶ月になる命。

生き方、愛、家族をめぐる、「ふつう」が揺らぐ逆クロニクル・サスペンス。



〈世相をえぐり取る全6章〉
1 二〇二九年のごみ屋敷
2 二〇一九年のクルーズ船
3 二〇〇九年のロシアンルーレット
4 一九九九年の海の家
5 一九八九年のお葬式
6 一九七九年の子どもたち

みんなの感想まとめ

家族の秘密や愛の形が、逆クロニクルの手法で描かれる本作は、2029年から1979年まで10年ごとに遡りながら、各章で異なる視点から物語が展開されます。登場人物たちの関係は複雑で、時には意外な展開が待ち...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 結構気に入ってる作家さんの本を見つけたので借りてきました。
    2029年から10年ごとに時代を遡っていく度にハッとさせられる展開になっていくのですけど50年も遡ると流石に疲れてしまいました。序盤から中盤にかけては興味がそそられる展開でドキドキしたのですけど。
    餃子のロシアンルーレットの話が1番意表を突かれてよかったかな。家族の秘密が解き明かされていく手法はゾクゾクしたし、各章で語り手が替わるのもいい感じだったけど。家族とゆう枠に納まらない関係がニアミスしてて拗れてすっきりしないのに均衡を保ってるところがムズムズします。
    関連図描くとわかりやすいかも3世代が絡んでいて、いのりが1番気になりました。彼女の心境を理解するごとにへんてこな家族関係も因果な宿命なのかって思えてくる。
    いのり、今は何歳になったのかなぁw 

  • 過去へ過去へと遡っていく小説でした。水車小屋のネネと逆だな、と目次を見て思いました。読み応えのある、よい小説でした。

  • 吉川トリコさん最新作。
    ホンタメでも紹介されていて気になっていた作品。

    ある家族の歴史を2029年から1979年まで10年刻みで各章毎に遡っていく。概略をまとめると、普通の家族小説かなと思うが、この家族、とにかく秘密が多くて、複雑で、ぶっ飛んでいる。

    例えるなら、平安時代の源氏物語や、昔の中国の皇室なんかの現代版(含む異性愛)という感じかな…?

    私は2章に入った段階で人物相関図がわからずパニック状態。我慢できず、最終章から巻き戻しスタイルで読了。
    巻頭に家系図があるけれど、参考にできるのは1章だけかな。家系図なんて、見せかけに過ぎないなと思わされる。一方で、家族は血縁なんて関係ないと思わせる力がこの作品にはあり、とても不思議な感覚になった。

    ------------------------------------
    以下かなりネタバレ要注意
    紺ちゃんと美幸の関係(一見仲良さそうにみえて、互いに腹の中で抱えている感情が違う、女性同士の関係ならではの複雑さ)、いのりに対する杏一郎の恋心(彼らは異母兄妹という複雑さ)、いのりと操の関係(しっかりものの妹から見た自由奔放な姉、しかも異父姉妹という複雑さ)、夫と息子の恋仲を知った上で、息子との間に娘を作った(?)いのりの複雑な感情、その複雑な家族関係を外から見守る弥生さんの心境…。
    どこを切り取っても簡単には飲み込めない複雑さがあり、相関図を頭に描きつつ、登場人物たちの感情も想像しつつと、とても読み応えがあった。

    これまで吉川トリコさんの作品はいくつか読んで来たけれど、本作はこれまでのどの作品とも違う新鮮さがあり、また一段好きになった。まだ読んでいない過去作も手を伸ばして見たい。

  • “一族もの”が好きだ。
    犬神家、赤朽葉家、大鞠家、檜垣澤家など、ミステリには数多くの“一族もの”の傑作がある。“一族もの”は、通常過去から未来へと時間軸が変遷するが、本書はその逆。未来から過去へと50年を遡る、“逆クロニクル“構成を採っている。
    第一章の時制は2029年、視点人物の益子木綿(ゆう)は小学三年生。23才離れた兄、仲が良いとはいえない母と叔母、別室で寝る父と母。「ウチの家は何か普通と違う」違和感を感じる木綿…

    章が変わるたびに10年遡り、視点を変えながら家族の秘密が徐々に明らかになっていく。家族の中でもキーマンが木綿の母•いのり。読み進めるに従って彼女に対する印象が変わっていくのが面白い。

    一方、家族の秘密は一から十まで全て明かされるわけではなく、一部読書の想像に委ねる部分があるので、もやもやが残るのは評価の分かれるところか。意外な人間関係が複雑に交錯する。家系図を描きながら読むべし。

    ほんタメ文学賞 あかりん部門大賞 受賞

  • 時を遡る連作集『あわのまにまに』 少しずつ明かされていく、ある家族の風景とは | ananニュース – マガジンハウス
    https://ananweb.jp/news/472037/

    二度読み必至の吉川トリコ最新小説『あわのまにまに』 TBS系列「王様のブランチ」BOOKコーナーで特集決定! | カドブン(2023年02月22日)
    https://kadobun.jp/news/press-release/entry-47790.html

    home - murasakiyurie
    https://murasakiyurie.jimdofree.com/

    吉川トリコ『あわのまにまに』特設サイト | カドブン
    https://kadobun.jp/special/yoshikawa-toriko/awanomanimani/

    「あわのまにまに」 吉川 トリコ[文芸書] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000581/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      当たり前ってなんだろう?「“ふつう”を問い直す小説5選」 | カドブン
      https://kadobun.jp/feature/book_co...
      当たり前ってなんだろう?「“ふつう”を問い直す小説5選」 | カドブン
      https://kadobun.jp/feature/book_concierge/entry-47966.html
      2023/03/27
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      吉川トリコさん「あわのまにまに」 ある一族の恋愛模様に描かれた、結婚・出産・性自認の半世紀|好書好日(2023.03.19)
      https:...
      吉川トリコさん「あわのまにまに」 ある一族の恋愛模様に描かれた、結婚・出産・性自認の半世紀|好書好日(2023.03.19)
      https://book.asahi.com/article/14862429
      2023/06/16
  • 10年ごとに遡る、家族の話。
    章ごとに話し手を変え、家族の秘密がそっと明かされる。
    それぞれはっきりした結末があるわけではないので、それで、どうなるの?!次の展開教えて!と、白黒つけたい私には章ごとにぼんやり感が残るのがイマイチ。
    でも、そこがこの本の良さであることは明白。

    登場人物がみんな残酷。
    そこまでして家族として集団を構成する意味ってなんだろう?
    どの時代も大人に悪い意味で影響される子供が気の毒だった。

  • 香水瓶
    タバコ
    海の家
    妊娠


    2029年から10年ごとに遡って描かれる家族の秘密。
    ミステリーかと思って読んでましたが、ちょっと色合いが違ってました。
    どことなく匂いを感じる作品
    図書館本

  • 10年毎に過去に遡って行く物語で、タイトルからも最初はお気楽でフワフワした感じの話なのかなと思っていたが、10年戻る度にどんどん秘密の元が明らかになっていって…
    過去から書かれていたらそこまでじゃなかっただろうけど、何ともやりきれない、というか人って恐い。

  • 2029年から始まり1章毎に10年さかのぼって物語が展開されていく。
    だんだんと不穏な空気になっていき、「どういうこと??」って思って、
    どんどんピースがつながっていき、最後に「あー」となる。
    とにかく人間関係が複雑で頭の中がこんがらがる。

    なかなか不思議な読書体験だった。

  • 複雑な人間関係が少しずつ解き明かされていく。読み終わって家系図を書いて頭を整理しいろいろ考えた。もう一度最初から読むと新しい発見がたくさん。指輪の餃子ロシアンルーレットは改めて読み直すと悲しい場面だったんだな。最初に読んだときはいのりの気持ちがわからず、杏一郎に対してひどいことしてると思ったけど、いのりが杏一郎との本当の関係に薄々気がついていたとしたら切ない。
    人間関係は複雑だけど、登場人物たちのたくましさ、しなやかさを感じて読後感はいい。
    畑の弥生さんはクルーズで出会ったあの女性だったんだな。ジンさんも人生で二度にわたりこの不思議な家族と接している。他にも見落としていることがありそう

  • ある2家族の3世代の物語
    2029、2019、2009、1999、1989、1979年
    物語は過去へとさかのぼる
    だんだんと明かされていく家族の秘密

    始めは何が何だか分からないが
    だんだんとピースが繋がって
    不思議な読書感
    後味が深く残る作品
    良い作品なのだと思う
    (ただ好き嫌いは分かれる作品)

    読み返すなら後ろの章から前と読むと
    さらに物語の解釈が深まりそう
    (残念ながら図書館で借りて
    予約待ち図書なので今回は読み直せず残念)

  • 2029年から少しずつ時代を遡ってく逆クロニクルというのが珍しくて、家系図を見ているようで面白かった。

    歴史上の人物じゃなくても、そりゃあいろいろあるよなと思った。
    自分のルーツにも興味が湧いた一冊でした。

  • 構成がとても面白い。
    ある家族の流れを次第に遡っていく。
    後半で、前半を時々めくってこういうことかと納得するのが、謎解き気分にもなって楽しめたのだけど、書かれていることはなかなかにしんどい。
    家族であることと個人であること、その間で押し潰されたり、跳ね返したり。
    愛情とは残酷なものですわ…。

  • ほんタメであかりんがお勧めしていたので読んでみました。

    2029年から1979年までの50年に渡る家族の様子を描いた作品で、10年ずつ時間を遡りながら進む新しい形の作品でした。

    幸せな家族の中に見えてくる些細な違和感の正体が時間を遡る毎に明らかになっていき、前提を覆された時の驚きや納得する瞬間がとても面白い作品でした。

    ここまで前提が覆されるともう一度読み返さないとと気が済まなくなり、また読み返しています。

    謎が解けてスッキリした!という感じではなく、人によって解釈がいかようにも取れる作品だと思いますが、小説は本来こうでなくちゃな、と思った作品でした。

  • 三世代にわたる拗らせとかこんな至近距離での同性愛、共依存、不義のオンパレードってある?なのにみんな片想い?
    どうやったら10年好きで追いかけた人の妹と結婚することになるんだろう、好きすぎて親戚でもいいから繋がってたいとか?
    わからなさすぎる世界だけどおもしろかった

  • 50年という時間を逆に辿っていき、家族の秘密が少しづつ明らかになっていくという物語。ミステリーではないけど過去に遡るにつれて家族の謎がひとつひとつ解明されていく。時間軸が逆だし、登場人物や相関が複雑で途中迷子になる。もう一度今度は逆から読んでみたい。

  • これはすごい。ある家族の3世代渡る物語を10年を区切りとして逆行していくサスペンス調の連作集。遡っていくので前の話で出てきた結果の真相が次の話で分かる構成なのだが、なにせ10年のスパンなので真相も曖昧で答えが出ているようで出ていない。ある一部分だけを切り取っているだけで後は読者の判断に任せてあるように書いてある。その切り取り方が上手い。白眉は「2009年のロシアンルーレット」全体の主役である姉妹を妹側からの視点で描いているのだが、女性の心情が巧みに描かれている。それが深く暗く重たい。うーむ唸らされる。

  • ある家族の歴史を10年ごとに遡っていく不思議な小説です。複雑でだんだん頭がごちゃごちゃしてきますが、一個一個の話はシンプルです。相関図書きながら再読したい小説です。再読の方が面白いかもしれない。

  • 著者初読み。
    世代を巻き戻していく物語、今までも読んできたけれど良い意味で異質である。
    読み進める毎に謎をつまびらかにするのではなく、さらに疑問が湧いていき、想像力を掻き立てる。

    そうなのだ、自分の気持ちも含めて、人の行動は不可解なのである。真実など本の一握り、ようやく少しわかってきた歳に差し掛かってきたと実感させられた。

  • 小学3年生の益子木綿(ゆう) の語り
    母(いのり)の結婚を反対した絶縁状態の祖母(紺)が亡くなった
    家出した23歳年上の兄しおんが、派手な格好で彼氏と葬式に顔を出した
    怒る叔母の操(みさお)…

    とても深い本
    話としては文句無しなのだが、LGBTの関係する家族で、読了後、なんだこの家族は、と不快感が残ってしまった

    皆さんの感想を読むと、自分の読みが浅かったことに気づき再読
    遡るからわかりにくいのだが、丁寧に読み込むと疑問が確信に変わった
    あの人だけでなく、この人もそうなんだ
    「100年の怠惰」の意味がとても染み渡った
    怠惰の結果、辛い!
    隠すための、ある意味、偽装結婚ではないか
    いのりは辛かっただろうに、なぜ繰り返してしまったのか
    健気な子供がかわいそうだし、自分も含め、犠牲者といっても過言ではないのだろうか
    自分の立場も気付き、悲しかっただろうに
    考えすぎかもしれないが、人権的にも良くないような気がした

    この発想力は凄かった
    家族のテーマがお好きな方は、はじめから読んで考察してみて欲しい
    健気なこの子も、きっとそういうことなんです…

    題名の由来
    あぶくみたいな、今この場にしかない空気感に生きているけど、50年の間に過ぎ去っていくもの
    流れるままに、くぐっていくという意味
    (ほんタメ20230821本人談)

全95件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1977年生まれ。2004年「ねむりひめ」で<女による女のためのR-18文学賞>第三回大賞および読者賞を受賞、同作収録の『しゃぼん』でデビュー。著書に『グッモーエビアン!』『戦場のガールズライフ』『ミドリのミ』『ずっと名古屋』『マリー・アントワネットの日記 Rose』『女優の娘』『夢で逢えたら』『あわのまにまに』など多数。2022年『余命一年、男をかう』で第28回島清恋愛文学賞を受賞。エッセイ『おんなのじかん』所収「流産あるあるすごく言いたい」で第1回PEPジャーナリズム大賞2021オピニオン部門受賞。

「2023年 『コンビニエンス・ラブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉川トリコの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×