- KADOKAWA (2022年4月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784041121696
作品紹介・あらすじ
室町幕府の力が衰えた乱世の時代。八代将軍の足利義政に嫁いだ日野富子は「銭」すなわち「経済」の力で平和をもたらすことを決意する。俊英・伊勢新九郎らの知識を借りて幕府の立て直しを目指すが、未曾有の戦「応仁の乱」が勃発。戦を鎮めようと奔走する富子の努力が、家族である足利の男たちとの間にも亀裂を生んでいく。孤独な闘いの果てに、富子が手に入れたものとは?
北条政子と並び立つ、「強き御台所」日野富子。応仁の乱を鎮めようとした悪女の実像を描く歴史巨編。
みんなの感想まとめ
歴史の中で女性が果たした力強い役割を描いた作品で、主人公の日野富子は、経済の力で乱世を治めようと奮闘します。室町幕府の将軍家に嫁ぎ、戦乱の中で財力を駆使し、家族や周囲との葛藤を抱えながらも、民のために...
感想・レビュー・書評
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読みやすく、面白かった。室町幕府将軍家の話。戦については難しかった。富子の生涯が描かれているので経年の速度をおうとじっくり味わい辛かった。
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室町幕府八代将軍義政の正室日野富子。幕府の力が衰え、天下の大乱、応仁の乱が勃発する。
自ら武力を持たず、右往左往する将軍家にあって、日野富子はその財力、知恵、類まれなるその胆力で応仁の乱を鎮めようと奮戦していく。 -
富子はこの時代にすでに国債や投資信託のような事をやっていた。武力に乏しい将軍家の権威を財力で取り戻そうとするあたり、普通の女、
いや男も含め凡人には思いつかない発想と行動力がある。
戦争を利用して私腹をこやした悪女と言われるが、上に立つものには財力は必要、それを弁えている所がこの人の凄い所だ。幕府にとって、少なくとも足利家にとってはいい奥さんなのじゃないかな。 -
北条政子は、伊東潤の「修羅の都」「夜叉の都」で言われている悪女ではないことがわかった。今回、日野富子も同じく悪女ではない。むしろ最高にいい女だと思った。
夫、息子・・・ったく男どもは!と言いたくなる「駄目ンズ」たちを身を削って操り、天下の民のためにと感動ものです。
一言、タイトルが・・・決して間違っていないですが、別タイトルはなかったのでしょうか。この作品の日野富子のイメージではない気がします。 -
東班衆が出てきましたか、で、新九郎ね
骨皮道賢をそんな使い方するとは!
面白い!ふっきりました(´・ω・`)
物語に引込まれるには主人公の性格設定
が明確でないといけないが、誰もが知る
エピソードに向かう段取りが整っている
ので夜更かしして読んでしまった -
日野富子を描く歴史小説。
日野富子を描く小説を読んだのは永井路子さんの「銀の館」以来かと思います。
TVドラマでも大河の「華の乱」しかないと思いますので、日野富子目線での物語は希少かと思います。
一般的には無能な八代将軍義政の裏で好き勝手していたイメージですが、彼女目線になれば時代に翻弄されながらもがく姿が描かれていると思います。
本作での注目点は実在の骨皮道賢や伊勢新九郎(北条早雲)の史実にはない使い方です。
伊勢家についてはゆうきまさみさんの漫画「新九郎、奔る!」の方が詳しいので、そちらで予習したようなものですが、若き早雲(新九郎)の活躍は面白いですね。
天皇との色恋や義政との和解など女性としての物語もうまいと思いますが、将軍継承問題はいい人に書きすぎとも思いました。 -
応仁の乱は全然興味がなかったが日野富子の生涯に興味を持ち読了。強い女性の一言に尽きるが、最初が肝心と将軍家に嫁いだ時から舐められないように強い女性を演じてきた。重圧に耐えれない夫を持ったので民のために前に出る羽目になり、しかも道楽にふける将軍に愚痴も言わず支える。そして息子も将軍の器ではなく一生に渡り苦労が絶えない人生。多分最後は筆者の願いで夫も息子も富子に感謝の言葉と、晩年は帝との交流で富子の生涯で1番の幸せを描いた事で報われた人生で終わらせたかったぐらいに壮絶な人生だった。
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日野富子の話。
手段はどうであれ、立場を自認し、できることをする。
時と共に感情も変わる。個人としての幸せも、もちろんあって良い。
伊東さんの作品は、どれも感情表現が上手い。それぞれの登場人物に感情移入し、いつも共に悩まさせられる。もちろん、良い意味で。 -
紐解き始めると、頁を繰る手が停まらない、否、「停められない」というようになってしまい、素早く読了に至ったのだった。
「応仁の乱」の時代を背景とした物語である。主要視点人物は、室町幕府の8代将軍であった足利義政の正室、日野富子である。
“室町幕府”の体制に関して、持続していた制度が疲弊、或いは形骸化し、様相が当初とは大きく変わり、様々な混乱が生じていたような時期、方々の有力家門での内訌が折り重なるようなこととなり、東西各陣営が形成されて戦乱が生じてしまうという時代、そしてその戦乱を収拾して「静謐」をもたらすことが難航したという時代の物語である。
そういう時代の中、「将軍家に嫁ぐ」ということを半ば運命付けられていた日野富子が「如何に生きようとしたか?」、「自身の歩みの中で何を見出すか?」というのが本作である。
世に「静謐」をもたらすためには如何にすべきか?日野富子は考える。そして行動する。そういう他方、妻として、母として、女としての生き様が在る。それが活写されていて、実に興味深い物語となっている。
更に、持続していた制度が疲弊、或いは形骸化したが故に混乱が生じていることに関しては、「属人的な要素」が追い打ちを掛けてしまっている側面も在る。それを「高い位置に在る者」として見詰め、行き詰った様相を何とか打開しようと奮闘する日野富子の姿という物語とも言えるかもしれない。
本作に登場する人物達だが、ヒロインの日野富子に限らず、夫の足利義政に息子の足利義尚、兄の日野勝光、細川勝元や山名宗全という人達、或いは土御門帝、その他多くの面白い人物達が登場する。正しく「大河ドラマ」だ。
或いは「この作者らしい?」とも思ったのが、「後の北条早雲」が「伊勢新九郎」として意外に大切な役割を担っていることである。
実は、最近偶々京都を訪ね、一条堀川やら相国寺、或いは御所(京都御苑)の傍を歩き廻る機会が在った。その辺りというのは、本作で描かれる「応仁の乱」の戦いが展開したような場所でも在る。一条堀川の方面は、「応仁の乱」に由来する「西陣」という通称が残っている訳だ。そういう意味でも興味深かった。
地位や名誉を賭しての武力衝突と国土や人民の疲弊という状況に対し、人々のあらゆる営為を支える経済活動というモノが在る。その後者に着目したという女性が、激震した時代をどのように駆けたか?非常に面白い物語だ!! -
千四百年代後半の約五十年間の室町幕府足利義政に嫁いだ富子の生涯だ。全く将軍として又武将として資質の無い義政世は千々に乱れる。応仁の乱を如何に生きるか、民の苦難を考え世の平和を取り戻すかに生涯をかけた女性の話だった。何時も著者らしい作品には感動がある。
著者プロフィール
伊東潤の作品
