女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学

  • KADOKAWA (2022年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784041122037

作品紹介・あらすじ

『舞姫』『こころ』『真珠夫人』etc.
ああも女心をわからないのは、なぜ??
古典文学ではあんなに巧みだったのに(嘆)
日本文学を偏愛し、恋愛下手も自認する翻訳者が文学史の誇る「最もくどくてどうしようもない男」たちから謎に迫る。

近現代文学はロマンチックラブとの格闘史だ!
<愛>の在り方が変わった近代。
名作を誰もが持つロマンスの黒歴史から読み直すと、偉い「文豪」でなく、恋愛下手で頭にもくるけど可愛らしい「男」たちの素顔が見えてくる。
古典文学の超訳で知られる著者だが、最も読み込んできたのは近現代文学。
文学史の誇る「最もくどくてどうしようもない男」たちを、誰もが持つロマンスの黒歴史から読み直し、日本人の恋愛史まで浮かび上がらせる。
未読でも既読でも楽しめる、ロマンスで読み解く日本近現代文学。

【目次】
まえがき
第一部 恋に恋してるだけ 泣き止めばケロッとするオトコたち
 元カノって、忘れなきゃダメですか――『舞姫』
 ママの呪縛――『不如帰』
 妄想こそはオジサンの生きる道――『蒲団』

第二部 結局のところ、俺様が主人公 意識高い系の憂鬱に悩むオトコたち
 大人のこころの謎解き――『こころ』
 妖婦は男性によって創られた――『痴人の愛』
 男性重視はどうにも隠せない――『ヴィヨンの妻』
 女を・棄てた・遠藤周作――『わたしが・棄てた・遠藤周作』

第三部 とことんウザい いつまでも諦めないオトコたち
 ロマンチック・ラブという「病」――尾崎紅葉『金色夜叉』
 「新しい女」まで後一歩は本当か?――菊池寛『真珠夫人』
 ほんとうに怖い恋愛の話――江戸川乱歩『人でなしの恋』
あとがき
参考文献一覧

みんなの感想まとめ

近現代文学における文豪たちの作品を、女性の視点から再評価する内容が魅力的です。著者は、男目線からしか女性を描けない文豪たちの作品を紹介しつつ、彼らの恋愛下手な一面を愛情を持って描写しています。特に、古...

感想・レビュー・書評

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  • 「そう、そう、私も思ってたんだよね!」ということをズバリ言ってくれたイザベラにブラボー
    文豪でさえもしょせん男目線からしか女を書けない
    とりあえず面白かった
    江戸川乱歩は別格かな

  • 「女を書けない文豪(オトコ)たち」イザベラ・ディオニシオ著|日刊ゲンダイDIGITAL
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/315461

    Isabella Dionisioの講師プロフィール | カドセミ
    https://studywalker.jp/lecturer/detail/880/

    「女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学」 イザベラ・ディオニシオ[ノンフィクション] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322109000863/

  • (借.新宿区立図書館)
    女を書けないという切り口で近現代文学の文豪(オトコと読ませている)たちの作品を紹介している。女を理解しきれていないと強く批判するのではなく、そこを含めて文豪たちの作品を愛する熱意が伝わる。著者はイタリア人女性で、ごく一部日本語とその時代の言葉の持つニュアンスをとらえきれていないのかなと思われる部分もあるが、それは瑕疵に過ぎず近現代日本文学の紹介書として良い本だと思う。わたしも読んだことがない作品を理解する参考になった。実は「舞姫」と「こころ」ぐらいしか読んでいない。それもかなり昔なので記憶があいまい(^^;
    近現代文学をこれから読もうとする人には良い入門書となるのではなかろうか。

  • 「こころ」と「痴人の愛」のおさらいとして読みましたが、作者の執筆当時の世情や書物に対する作者の思い、またイザベラさん自身の考えが合わさり、理解が深まったように思います。
    掲載されている物語もまだまだ未読のものが多いのでそれらを読んでからまた読みたいです。

  • 漱石の『こころ』の章が面白かった。
    そうそう!もやもやする。Kって結局、失恋だけが原因で自殺しちゃったの?え、まじで?先生は、自分の内面のことばっかりで抜け駆けしてまで結婚したお嬢さんを大事にしている風でもない感じだし。お嬢さんはどう思ってるの?そもそも、先生って誰…。

    あとは、太宰と、

    菊池寛の『真珠夫人』と有吉佐和子の『悪女について』の比較のはなしも。

    確かに、男が男(自分)のことばっかりぐじぐじ書いてるな。
    読んだあとのもやもや、納得できない感というか、消化不良感の原因はここかー。

    でも悔しいことに、文章の美しさの快感で読み通してしまうんだよな…。

  • 文章がすごく読みやすくて、読んだものも読んでないものもあるけどどっちでも楽しめた

    夏目漱石の表現力の巧みさの話は納得
    「月が綺麗ですね」のエピソードが一人歩きしてるけど、そういうことか!って
    他の人にとっては「月が綺麗ですね」ってありふれた言葉かもしれないけど、その時の2人の雰囲気とか距離感とか言い方とか表情で、「I love you」に匹敵するほどの感情のやり取りがあったんだなって

    『ずばり「愛している」や「好き」ではないけれど、そのときの自分にとってそれくらいかそれ以上の意味に感じられた言葉は、誰の記憶の中にでもあるはず。』

  • 2025.4.12市立図書館
    前々から名前やタイトルはなんとなく気になって図書館の予約かごに入れてはいたが、先日読んだ「日本語教師、外国人に日本語を学ぶ (小学館新書 487)」に著者が登場なさっていて、これはやっぱり読まなければと予約でとりよせた(その3)。

    近現代文学の文豪の作品中女の扱いはどうよ、というテーマであれば、斎藤美奈子「妊娠小説」が思い出されるが、そういうバッサリコテンパン路線ではなく、文豪の人生の背景を他の著書や記録などから紐解き、そのダメさをも愛するという路線。どの本も一度は読んでみたくなる紹介になっているのがすごい。
    それにしてもわたし近現代文学ぜんぜん読んでないなあと改めて実感した。既読は漱石の「こころ」ぐらいか。乱歩は「ちくま文学の森」あたりに入っていてもおかしくない気もするが、どうやら入ってはいなかったみたい。

    ***
    森鷗外「舞姫」、徳冨蘆花「不如帰」、田山花袋「蒲団」
    夏目漱石「こころ」、谷崎潤一郎「痴人の愛」、太宰治「ヴィヨンの妻」、遠藤周作「わたしが・棄てた・女」
    尾崎紅葉「金色夜叉」、菊地寛「真珠夫人」、江戸川乱歩「人でなしの恋」

  • 文学作品に登場するツッコミどころ満載の男たちを”斬って”いて、ちょっと溜飲を下げつつ楽しめる。「こんな風に感じるのは自分の文学を味わう素地が足りないから」と思っていた”名作”ついて、ああ、やっぱりそう読んでもいいのよね、という追認というか、時代背景を加味してもなお感じる「割り切れなさ」は多くの人が感じているのだということが分かって、ちょっとほっとした感じ。
    内容とは無関係に、いくら日本文学が専門だといっても、ここまで日本語が軽快に操れる著者の言語能力に敬服。読める、分かるということと、書ける、ということの間にはかなり隔たりがあるはずだから。著者を知らずに読んでいたら、間違いなく日本語ネイティブの執筆だと信じて疑わないだろうと思う。

  • 古典文学をこよなく愛し、少しだけ男性に厳しい目線を持つイザベラさん。
    こんな方と学生時代に知り合いたかったーーー!!

  • 中学、高校のころは漫然と触れていた近現代の文豪たちも作品も大人になって読み返してみると、女性への解像度の低さに唖然とする。読み進めながら(んなわけねーだろ!!)とちゃぶ台をひっくり返したくなるような気持ちになるのだ。

    これはある意味で現代に生きる女性たちから文豪たちへのカウンターとして生まれたブックガイドでもある。私が本書に取り上げられている作品のなかで読んだことがあるのは「舞姫」「こころ」「痴人の愛」「ヴィヨンの妻」あたりだが、やはり読んでいてツッコミどころが満載なのである。女性のことをなんだと思ってるんだー!と叫んでやりたい。イザベラさんが我々に変わって「おいおい!」とキレ味するどいツッコミを入れてくれている。この本は文豪とその作品の主人公にブーブー言いつつも本の内容を的確に紹介してくれているので、もちろん興味をそそられた。個人的には江戸川乱歩の『人でなしの恋『がとても読みたいと思った。こういう意味での「人でなし」なのかと衝撃を受けた内容だった。

    近現代の文豪が描くまるで絵空事みたいな女性の捉え方に文句を言いたい人や、それを理解してもらいたい人は楽しく読めると思う。

  • 語り口が明瞭爽快の一言に尽きる。

    冒頭、過去の恋に対する男女の温度差を一言でぶった切っていたのには思わず吹き出して笑ってしまった。
    女性は上書き、男性は保存。どの国でも共通なのであれば、性別の差は深い。

    読んだことがある文学もない文学もあったけど、様々な文献、書籍に基づいた文豪の半生と、その文豪が紡いだ文学を当時の世相も踏まえて語ってくれてるので知識がなくても楽しめた。
    異国の文学をここまで熱を持って語ってくれるのは深い愛に満ちていて感服する。

    当時の日本の世相を踏まえて様々な男女を描き、恋を生み出した明治大正昭和の文豪たちが、今の世に生きていたらどんな言葉を紡いだのかな。

  • 言葉選びがすごく分かりやすくてとても面白かった!
    アウトオブ眼中って久しぶりに聞いたんでびっくりしました(笑)
    イタリア人も知ってるのか…ってそこでグッと掴まれた気がします。
    日本人とは違う目線がやっぱりあるのかなぁ?と感じました。と言いつつ、日本人視点の意見が分かりませんが…( ´・ω・` )
    ご本人もあとがきで書いてますが、この本の中で扱われなかった文豪たちのも是非読んでみたいです!
    この方の他の本も読みたいなと思いました!

  • 作者イザベラが近現代文豪たちの拗らせた恋・人間模様にツッコミを入れながら作品の奥へと切り込んでいくが、テンポが良くて読みやすかったしあんまり楽しそうに語るものだから作中で扱った作品を読みたくなった!

  • アマゾンのレビューでイタリア版斉藤美奈子とあったのがいい得てる。

  • なかなか楽しく読めました。
    この本で取り上げられている文学全てを読んだわけではないけれど、私自身も、なんだかなー、だめんずやんなこやつら、と思ってたことをスパッと指摘してくれてて。スッキリw
    二部、三部と後半になるにつれて面白くなってきます。うわー、最悪やなこいつら、どうしようもねぇなー、と著者と一緒にムカつきつつも、かわいそうな女性達に肩入れしたり、時折挟まれる小説にさすが!出てくるやつはクズメンズやけど、作品は最高やな!と感心したり。
    谷崎潤一郎の痴人の愛、遠藤周作のわたしが捨てた女、菊池寛の真珠夫人についての考察が特に面白かった。
    読んでないやつ、まずは読みたいです。

  • 金色夜叉と真珠夫人読んでみようかな?

  • 『痴人の愛』の章まで、本書全体の半分ほどのところでギブアップ。
    文学ファンの著者から「文豪たち」へのちょっとひねったファンレターのようなものだった。
    タイトルの「女を書けない」の方に注目して図書館で借りてみたが、「非実在女性」を書いた文豪たちおもしれ〜ぇ妄想強過ぎて引くけど文学的表現すげ〜ぇみたいな感じで、期待とは異なる内容だった。
    出てくる作品を読んだことがなくても、要約と引用があるので、それなりになるほどねと思って読み進められるが、著者と同じファン目線で読んだ方が楽しいだろうな。

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著者プロフィール

1980年、イタリア生まれ。ヴェネツィア大学で日本語を学び、2005年に来日。お茶の水女子大学大学院修士課程(比較社会文化学日本語日本文学コース)修了後、現在まで日本でイタリア語・英語翻訳者および翻訳プロジェクトマネージャーとして活躍している。日本の古典文学、近現代文学を偏愛し、研究対象としていたのは森茉莉、幸田文。東洋経済オンラインでの連載「イタリア女子がはまった日本人の知らない古典の読み方」の超訳が話題となり、『平安女子は、みんな必死で恋してた イタリア人がハマった日本の古典』を刊行。

「2022年 『女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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