コープス・ハント (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 113
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041122495

作品紹介・あらすじ

美貌の猟奇殺人鬼による連続殺人事件が発生。事件の真相を追う休職中の女刑事と、「遺体探し」の冒険に出る少年たち、二つの物語が交錯する時、予測不能の真実が浮かび上がる。驚愕必至の冒険ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 下村敦史『コープス・ハント』角川文庫。

    『コープス』とは「死体(corpse)」という意味なので、タイトルの『コープス・ハント』は「死体狩り」という意味か。

    ミステリー小説。終盤の怒濤の展開から明らかにされる真相に読者は大きく二つのことで、見事に騙されていたことに気付く。一つは作者により、もう一つは連続殺人の浅沼聖悟によって……

    相変わらず最後まで面白く読ませる技量は素晴らしい。しかし、結末には少ししっくり来ないところがあるのも事実だ。

    虐待される子供、異常に純粋培養され過ぎた子供。将来を決定するのは自身のはずが、歪んだ心は……

    ミステリー小説にもしばしばユーチューバーが登場するようになった。そういう時代なのか。

    8人の女性を殺害したとして死刑判決を受けた猟奇殺人鬼の浅沼聖悟は、8件のうち1件は自分の犯行ではなく、その犯行の真犯人を殺害し、思い出の場所に遺体を隠したと主張する。当初から浅沼とは違う真犯人が居るのではないかと事件に疑問を抱いていた休職中の刑事、折笠望美は真相解明に乗り出す。

    一方、引きこもり中学生の福本宗太はネット動画配信仲間のにしやんに誘われ、にしやんの知り合いのセイと3人で死体捜しに出掛ける。

    やがて、折笠刑事により明らかにされる事件の真相……

    本体価格740円
    ★★★★

  • 本作品の社会に向けている方向性については共感が持てる!

    毒親、暴力的・性的嗜好が強い漫画、過剰な人権派、振りかざされる見識の狭い正義・・・

    中庸の徳と言う言葉が示すとおり何方かに全フリでは無く、何でも程よく出来る事と、完璧と潔癖を他者に求めない余裕が欲しいと私は思います。


    8人の主婦を殺害し死刑判決を受けた殺人鬼が【7件は自分の犯行で1件は別な奴の犯行!更にその犯人の一人は既に殺して埋めてます】なんて言い出した!
    SNSやYouTubeでは真犯人の遺体捜しが大盛り上がり!

    休職中の女性刑事が事件の真相を追うA面と死体探しの動画を撮影する少年YouTuber達のB面の物語が交互に展開される!!!



    少年YouTuber達のパートは正に現代のスタンドバイミー!

  • プロローグから、読者は一気に小説世界に引き込まれる。
    本章に入ると、猟奇殺人者の告白に、女性刑事が真相を究明せんと捜査を開始する。それを妨害しようと、闇の勢力が彼女の前に立ちはだかる。その戦いは、女性版ダイ・ハードか。
    一方、3人のユーチューバーが「遺体探し」に出かける(現代の出来事に、ユーチューバーの存在は欠かせないようで、テレビドラマでもしばしば登場する)。
    本書では、彼らの行動は途中まで、青春小説かのよう。
    著者は、女性刑事とユーチューバーたちとのそれぞれの行動を交互に描写する。しかしここに、著者の巧みな仕掛けがあろうとは。
    山岳小説、冒険小説、医療小説等々作品ごとに分野を変える著者が、また新しい領域を開いたようだ。

  • あらすじ
     ユーチューバーで不登校中学生の宗太は、人気ユーチューバーのにしやんに誘われて、千葉の森へ遺体を探しに行く。同行するのは、同じくユーチューバーのセイ。正義感溢れる動画が人気だ。
     刑事望美は、連続殺人犯浅沼聖悟の判決を聞いていた。彼は既婚女性ばかりを狙って犯行。しかし、一件の犯行だけは否定し、別の者たちのしわざだという。さらにそのうちの一人を思い出の場所に埋めたという。望美は捜査班の中で唯一別件を主張し、休職に追い込まれていた。

     初めて読む作者。面白かったー。作中にあった、「スタンド・バイ・ミー」なの?と思って読んでいたら、まさかの刑事望美パートとのつながり。後半からさらにスピーディーに読み進めた。他の作品も読む。

  • 異常殺人者による発言により、世間のトレンドは死体探しに。

    YouTuber達による死体探しと、主人公刑事の望による捜査が行われる…

    それぞれの話はテンポ良く進む。
    最後の仕掛けも面白いとは思ったが、この作者の他の作品も知ってるだけにもう一捻り欲しかったというのが正直なところ。

  • 202203/結末や展開でうーんと思う箇所もあるんだけど、設定の独創的な面白さと途中でやめられない巧みなリーダビリティは今作もさすが下村敦史だった。

  • ロジャーかよっ!て感じで始まり、スタンドバイミーかよっ!ていう展開。YouTuber、サイコ、ネットの闇、流行りの漫画ネタなどの要素も加えつつの、ある事件の鍵を握る死体探しの話。仕掛けなども既視感あるけど、飽きることなく読めました。若手俳優を起用しつつ、興業収入はそこそこレベルの映画をみた後のような読後感は、特に考えることなく軽く読み流していけるストーリー展開とか、どこかで既視感のある登場人物のキャラとその扱い方に起因するのかな。

  • 死刑判決を受けた連続猟奇殺人鬼・浅沼聖悟の1件の犯行否定と遺体捜しの告白を受けて、真相解明に動き出す女刑事の折笠。
    一方で三人の少年YouTuberの「遺体捜し」も進んでいく。
    この2つの話、それぞれ謎を絡めてハラハラ緊張感を保って読ませるなぁ。それが見事に交わった時、一気に緊張から興奮へと変わりサスペンス・ミステリの持ち味をたっぷり味わえる。
    異常な人間性は生まれつきなのか後天的なものなのか。答えの出ない重いテーマの中に、過去の自らの罪に向き合う宗太とにしやんという一筋の光を残してくれて救われた。

  • なかなか判断出来ない展開でした。

  • 8人の女性を殺害した連続殺人犯・浅沼聖悟が、1人だけ自分の犯行ではないと告白。彼が「思い出の場所」に埋めたという真犯人の遺体を探す少年たちの話と、女刑事・折笠望美による真相究明の話が、どう繋がっていくかが気になるポイントでした。

    青春ロードムービーみたいな話と、真犯人関係者に襲われるスリリングなお話は、それぞれ引き込まれるところはありつつも、なかなか真相に近づかない展開に少々ヤキモキ。

    しかし、少年たちが目的地で遺体を発見したとき「あれ?もしかして……」と思ったことが次の女刑事のパートでそのままの内容で明かされ、久々にしてやられたというか、作者の手のひらで転がされたようなサプライズ感がありました。

    エンタメとして十二分に楽しませてもらいつつ、有害コンテンツに関する考察も盛り込まれており、その内容に共感するところがあったのも個人的に好ポイントでした。

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著者プロフィール

一九八一年京都府生まれ。二〇一四年『闇に香る噓』で第六十回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。一五年「死は朝、羽ばたく」が第六十八回日本推理作家協会賞(短編部門)の、一六年『生還者』が第六十九回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補、一八年『黙過』が第二十一回大藪春彦賞の候補になる。『真実の檻』『告白の余白』『ヴィクトリアン・ホテル』など著書多数

「2022年 『同姓同名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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