棘の家

  • KADOKAWA (2022年5月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041122587

作品紹介・あらすじ

穂刈は、クラスで起こるいじめに目を反らすような、事なかれ主義の中学教師だった。
しかし小6の娘がいじめで飛び降り自殺をはかり、被害者の親になってしまう。
加害児童への復讐を誓う妻。穂刈を責める息子。家庭は崩壊寸前だった。
そんな中、犯人と疑われていた少女の名前が何者かにインターネットに書き込まれてしまう。
追い込まれた穂刈は、教育者としての矜持と、父親としての責任のあいだで揺れ動く……。

感想・レビュー・書評

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  • 中学教師の男の平穏と思われていた家庭が
    小学6年生の娘の学校での飛び降り自殺で
    一挙に暗転する
    娘は大怪我を負うが、一命を取り留める

    前半は小学生児童のイジメ問題から担任や学校の対応の鈍さ危うさが浮き上がってくる
    加えて 父親は中学での担任クラスのイジメへの対応に苦慮していた
    と言うかほぼ何もしていない
    娘の飛び降りの後も 父親として教師として中途半端で苛立ちを感じていたが
    後半、さすが七里さん、イジメ加害者がネットで確定されてから 主犯格の殺人事件へと繋がってミステリーになっていく
    父親が家族を守ろうと教師よりの態度から変わっていくあたりからおもしろい

    教師も自分の子供がイジメ被害者となりうる事を考えるって重要ですよね

    • bmakiさん
      おびのりさんに中山七里ってあんまり見ない気がしますね(^^)
      この本読んでいませんでしたが、面白そうですね。見かけたら買ってみようo(^▽...
      おびのりさんに中山七里ってあんまり見ない気がしますね(^^)
      この本読んでいませんでしたが、面白そうですね。見かけたら買ってみようo(^▽^)o
      2024/09/10
    • bmakiさん
      あ、まだ単行本でしたか。。。
      読んでない筈だ(-。-;
      あ、まだ単行本でしたか。。。
      読んでない筈だ(-。-;
      2024/09/10
    • おびのりさん
      今ならすぐ読めるコーナーに笑
      それでも七里さんは20冊くらい登録してあります
      シリーズが多すぎて諦めた感じです
      今ならすぐ読めるコーナーに笑
      それでも七里さんは20冊くらい登録してあります
      シリーズが多すぎて諦めた感じです
      2024/09/10
  •  いじめ…切ないなぁ…ホントいつになってもなくならないし、ここ最近のは陰湿になってきてる気がします。私が学生の時だって、いじめはあったけど、今みたいに陰湿なものはなかったと思うけどなぁ…。とか、いっちゃう私は年とったってことかなぁ^^;

     この作品では中学教師でもある穂刈慎一とその家族が、娘である由佳がいじめを苦に飛び降りを図ったことを発端にストーリー展開していくものです。もともと慎一は、受け持ちの生徒がいじめに直面していても目をそらしてきた教師だったが、自らがいじめ被害者の親となってしまう…。

     タイトルの「棘のある家」の“棘”は、蕁麻(イラクサ)のことで、もとともは「蕁麻(イラクサ)のなる家」という作品が、単行本化で改題されたらしいです。蕁麻(イラクサ)は、葉や茎に棘があり触ると痛みを感じる穂刈家の庭にある植物です。この作品は、読んでいる間ずっと、痛さを感じました。この家族の行く末が気になるところですが、慎一というより息子の駿が家族思いでしっかりしているから大丈夫でしょう!

    • かなさん
      1Q84O1さん
      確かに、大人のいじめもあってはならないこと…
      そして、やっぱ今の時代って陰湿なんですよねっ(+_+)
      子どもたちだっ...
      1Q84O1さん
      確かに、大人のいじめもあってはならないこと…
      そして、やっぱ今の時代って陰湿なんですよねっ(+_+)
      子どもたちだってそんな大人みてたら
      いじめを悪いことだって思わなくなっちゃいますよ、ね!!
      2025/08/13
    • かなさん
      まきさん
      子供のいじめは本当に切ない、心が痛むんですよ…。
      でも、大人でもあったりするから
      子供もそれを正当化しちゃうんでしょうね!
      ...
      まきさん
      子供のいじめは本当に切ない、心が痛むんですよ…。
      でも、大人でもあったりするから
      子供もそれを正当化しちゃうんでしょうね!
      しかも、今の時代のいじめって、質が悪いんですよね。
      まきさんの職場でもあったのですね…今は平和でなりよりです(*'▽')
      2025/08/13
    • かなさん
      しずくさん
      あぁ~懐かしいっ(´▽`*)
      『野の白鳥』ウチの子供たちが小さいころ
      アニメのDVDを観たのか、それとも絵本だったか…
      ...
      しずくさん
      あぁ~懐かしいっ(´▽`*)
      『野の白鳥』ウチの子供たちが小さいころ
      アニメのDVDを観たのか、それとも絵本だったか…
      知ってますよ!でも覚えてなかったみたい^^;
      この作品ではイラクサは穂刈家の庭にあって
      毎日お茶に煎じて飲んでいたんですよ。
      だから悪者ではこの作品でもないんです。
      しずくさんに教えてもらえてよかったです!
      ありがとうございます。
      2025/08/13
  • 「いじめ」って学校にとっては不祥事なのか。
    妙に納得した。
    いじめの発覚した学校ではこんなやりとりが実際に行われているのかな、と思った。

    それにしてもお母さん、良妻賢母だと思ってたのに何やってんだ。

  • 『どんな極限状態あっても崩れることのない“自分の心の軸”を持ち合わせた人、この世に存在するのだろうか?』

    本作のテーマである“いじめ”。
    これは、子供・大人、まして地位などに関係なく起こってしまう陰湿かつ卑劣な行為。
    そして、それは被害者・加害者やその周囲の“当たり前の日常”を簡単に崩壊させる。

    そのいじめがあったとしても、いじめ加害者や傍観者などになることなく、立ち向かう人間は非常に勇敢である。
    ただ、どんな人間にも仮面の裏に隠された素顔を持ち合わせていること、そして一度崩れたものを元の姿に戻すことの難しさを感じさせられる。

    本作は、事勿れ主義の中学教師・穂刈の娘が、飛び降り自殺を図ったことで綻び始める家庭や職場の有様を描く。
    穂刈は、自身が担任するクラスでのいじめでさえ見て見ぬふりを貫くが、小学6年性の娘・由佳がいじめが原因で飛び降り自殺未遂をしてしまう。

    本作で色濃く描かれているのは大きく2つある。

    一つが、学校現場における「いじめ」の扱いだ。
    事勿れ主義を持ち合わせているのは決して穂刈だけでは無い。
    (それを校長・副校長など、学校を代表する立場の者も持ち合わせているのであれば、尚更教員は事勿れ主義から抜け出すことなんて困難だろう)
    そんな教育現場でいじめはまるで地雷の様な扱いをされ、発見されれば隠蔽にかかろうとする。
    子供を守り、教育現場する立場の人がそんな状態であれば、いつまで経ってもいじめはなくならないだろうと感じさせられる。

    もう一つが、穂刈の教師と父親という立場の間で揺れる姿だ。
    事勿れ主義でありながら、最も身近な家族が被害者であると知った時、どちらで居続けるのかを迷い、周囲に翻弄される姿は非常に細かく描かれている。

    「もし、あなた自身や家族、大事にしている人がいじめの被害者、はたまた加害者になれば、あなたはどんな行動をとる?」
    この正解がない問題のあなたなりの答えを考えながら読んでみて欲しい一冊である。

  • スピードが落ちることなく読み進めることができました。
    被害者が加害者になった時の心境、その時の行動がリアルに溢れていてどういう展開になっていくのがドキドキ。犯人は意外な人物に驚きです!!!

  • 子供の間で蔓延っている“イジメ”問題。
    それを、自分の保身のために、隠蔽する学校関係者。
    一度、事件が起こると“他人の不幸は蜜の味”とばかり飛びつく、マスコミ。
    その上、無責任な、ブログにSNS、画像投稿サイトに、巨大掲示板。

    ある日、穂刈は、娘がイジメを受け、それを苦に、学校の教室から飛び降り、自殺未遂をしたと、知らされる。
    中学教師でもある、穂刈は、教師と父親の立場で、揺れ動く。

    一旦途中で、読むのを止めると、続きを読むのが、苦痛になるような、心が澱むような内容だった。

  • いじめをテーマにした小説は、けっこうあるけれど中山七里さんは、初じゃないかなぁと。

    中学教師が、クラスのいじめの相談を受けるが、深く聞くこともせずに穏便に済ます。
    数日後に、娘がいじめを苦にして自殺を図るという…

    教育者としての矜持と父親としての責任のあいだで揺れ動く感情は妻にとってはイライラMAX。

    いじめの首謀者である少女の名前が、ネットで晒されると…
    そこから二転三転…
    「悪意」を見事なくらいみせてくれる。

    ラストも普通ではない工夫がされていて夢中で読破。

  • いじめがテーマだけどやっぱりこれはミステリー。
    いじめを受けた娘も、必死に守ろうとした母も、最初の被害者だった少女にさえも棘があったんだ!そしてそこから流れ出た毒は周りの人たちを巻き込んでいく。庭に繁茂していたイラクサは家族の象徴。
    最後に穂苅が見た枯れ果てたイラクサは、いずれ崩壊してしまうこの家族を暗示しているのか、それともあちこちに刺さった棘もいつかは抜けて毒を洗い流し再生させることができるということか。
    お兄ちゃんの駿くんのためにも後者であってほしい。

  • 表題の「棘の家」。最終章の「そして根は残る」。
    それぞれから連想させられた結末、他人の心の闇の深さを考えさせられた。終始、自分が双方の家族のそれぞれの当事者だったらどうするべきなのか。も、考えさせられた。やはり、何事も窮地に立たされた時に自分以外の人の想いを尊重できる様になりたい。

    • かなさん
      sunnyさん、おはようございます。
      sunnyさんも中山七里先生、少し読まれてますよね。
      私も大好きで、読み漁っています^^;
      この...
      sunnyさん、おはようございます。
      sunnyさんも中山七里先生、少し読まれてますよね。
      私も大好きで、読み漁っています^^;
      この作品も、読み終えてあとはレビューを作るだけなんですけど
      読み応えありましたね!
      遅くなってしまって申し訳なかったんですが
      フォローさせていただきますね(*´∀`)
      これから、どうぞよろしくおねがいします。
      2025/08/09
    • sunnyさん
      かなさん、おはようございます。
      コメントいただきありがとうございます。
      いつも、かなさんの速読かつ多読家な本棚を参考にしています。
      私毎です...
      かなさん、おはようございます。
      コメントいただきありがとうございます。
      いつも、かなさんの速読かつ多読家な本棚を参考にしています。
      私毎ですが、中山七里さんは「カエル男」を友人に勧められたのが、きっかけです。
      また、ベートーヴェンを聴くようになったのも本作が、きっかけです。
      他の作品でも使われている曲を聴きながら読書をするのが楽しくなったのも中山七里さんの、おかげです。
      返事が遅くなり申し訳ありませんが、こちらこそどうぞよろしくお願いします。
      2025/08/13
  • ❇︎
    当たり前のように常にそこにあって
    平穏と安寧に包まれた家庭。

    その中で平々凡々と年を重ねることを
    疑いもしなかった主人公(教師の穂刈)が
    娘の自殺未遂をきっかけに自分自身と
    家族の姿を見つめ直してゆく物語。

    主人公を通して、自分の目に見えている
    家族一人ひとりの姿はほんの一面にすぎない。
    いかに自分という偏ったフィルターから
    家族という存在を見ているかを思い知らされた
    気がします。

    1.穏やかな翠
    2.棘のある葉
    3.毒を持つ嚢
    4.不穏の茎
    5.そして根は残る

    家を棘のある植物に見立てているところに
    妙に納得ができました。

    触れなければわからないけれど、一人ひとりに
    別々の棘や毒がある。
    その毒で大怪我をすることもあれば、毒が薬に
    なることもある。
    棘や毒の悪い面ばかりが気になるけれど、
    それらが深い意味を持っているんだと
    そんな風にも感じました。

    ある意味、やや悲しい部分もありますが、
    多少バットエンドを含んでいても再生への
    淡い芽も感じ取りました。












  • 中学教師の穂刈(父)。
    クラス内のいじめを黙殺しようとしている。
    そんな折、小学生の娘が校舎から転落。どうやらいじめられていたらしい。

    元教師の妻と、中学生の兄。
    父親なのか教師なのかと家族から問われ、自問する日々。

    そしていじめの主犯格が殺されてしまい、なんと息子か参考人として警察に連れていかれてしまう。
    穂刈は父として家族を守れるのか?!

    という展開。
    まさかあそこまで穂刈家が壊れかけていたなんてね。
    兄は立派だったけど、母よ...安直でお手軽すぎないか。
    これから穂刈家はどうなるんだろう。
    完全に分解するか、無理やり円満な家族を演じるかのどちらかでは。

  • 登場人物皆何かしらリアルで嫌な感じ。中盤から読む手が止まらなかった。一見普通でも、いじめられる側も家庭を守る妻も皆棘があるってことかも。
    テーマがイラクサなので植物を使った表現が多い気がした。(種を蒔く、根も葉もない)

  • イジメがテーマの社会派ミステリー。すごくリアルでそのまま現実でもありそうな話だった。誰もが棘を持っているし時には人を傷つけてしまうんだと思った。とても読みやすい作品ではあるが、予想通りの犯人で物足りなさが残った。

  • いじめの被害者と加害者。
    その立場が変わることで、周りの目が一気に変わるところが恐ろしい。
    ほとんどの登場人物(駿君以外)の性格が好みではないからか、なんとなく陰鬱な気分で読んだ。
    でも、内容自体には引きこまれて一気読みした。

  • 中学教師の穂刈は娘がいじめを理由とした自殺未遂を行ったことについて、対応を迫られ、マスコミに加害者を売る。

    その後、加害女児が殺害され、穂刈の息子が疑われる。

    最後の展開まで一気に読んでしまった。

    マスコミがハイエナのようだということを改めて認識させられた。自分の子供がこのような目に遭うかもしれないと思うと痛ましい

  • 中学校で教師として働く穂苅。
    クラス内のちょっとしたイジメに悩んでいた時、自分の小学生の娘が飛び降り自殺を図る。
    原因はイジメ。
    イジメられていた子を守る為に、逆にターゲットにされて、衝動的に校舎から飛び降りた。
    一命を取り留めたが、今度はイジメの加害者である少女が公園で遺体を遺棄されて見つかる。
    イジメがさらなる不幸を呼ぶ負の連鎖。
    殺人容疑で逮捕されたのは穂苅の長男。妹の仇を討つため、加害者である少女を殺したと疑われた。
    しつようなマスコミの追い回しなど、最近違う作家さんの作品で読んだ内容とかなりオーバーラップするが、何の作品なのか、思い出せなかった。
    今作の登場人物も、どこか淡々としていて、人間らしさが感じられず、読んでいて苦痛を感じる。
    学校を休職することになった穂苅が真犯人に迫るが、そこまで驚きもなく、何かまとまりのないままエンディングを迎えてしまった。そんな感じが否めない。

  • 自分の弱さや卑怯な深意、時にそれを正義か不義かも思い違えるのが人間。
    善意も悪意も渦巻く複雑な人間心理がよく描かれているなと思った。

    最初は煮え切らない父親にイラッとしたけど全てが明らかになって見えていなかった家族の本当が見えた後の父親を信じたい。

    そして「まだ間に合う、お互いを思っているうちは」この刑事の言葉を信じたい。

    中山先生の本に出てくる刑事が私は好きなんだなと思う。

  • 蕁麻の表題の方が自分的にはしっくりとくるような気がした。人の心に巣喰う闇がどんどんと表在化してくる後半はなんともやりきれない気持ちでいっぱいに。様々な立場で役割を全うすることや何を優先するのか、自分が立たされた状況で一変することの怖さをひしひしと感じた。犯人は予測できなかったなぁ。棘からの毒は侮れない。人は身勝手であるものなのか、自分で矜持を持っていないと壊れてしまいそう。正義感とは、なんなのだろう。

  • 追う者と追われる者、加害者と被害者が入れ替わる構造の作品は、中山先生の作品だけでも3作目かな。3作に共通しているのは無責任な大衆とSNSの怖ろしさ。

  • -家族全員が、容疑者だ。- 『あんたは親父なのか、教師なのか、どっちだ』 なんだかなぁ。なんだかなぁ。大好きな七里先生の新刊だったんだけど、イマイチ物語が心に届いて来なかった、残念。被害者と加害者の家族〈父親同士〉の会話が、そんなに気持ち通じ会えるもの?って思っちゃったり、小学生の子供たちが話す言葉が考えがあまりに大人びてないか?と思っちゃったりとっても些細なところでひっかかっちゃってなかなか読了に時間がかかったぞ。また自分が今と別の心持ちの時に読めたら新たに思うことも有るかもね。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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