テウトの創薬

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 157
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041123294

作品紹介・あらすじ

新技術でのバイオ医薬品生産を目指すトトバイオ社はある事件を機に新技術の開発者である教授と袂を分かつ。以来、同社の経営には暗雲が……。経営と先端学術、ビジネスマンと研究者が相剋し共闘する人間ドラマ!

感想・レビュー・書評

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  • バイオベンチャーの雰囲気がわかる。

  • 2022/8/21 読了
    余り聞かない創薬業界を舞台にした小説ということで、期待値はそこそこあったけど、読後感は今一つ。
    思うに、カイコを使った高分子化合物も合成(加えて、衰退していた養蚕業を立て直す可能性がある)というアイデアは素晴らしかったが、エンタメとして、“連続殺虫事件”のミステリだったり、敵対的買収を扱った経済小説だったり、ラブストーリーだったりと、てんこ盛り過ぎて、話の焦点がボケた事によるのではないか?

  • 08月-19。3.5点。
    創薬バイオベンチャーの物語。カイコを使って創薬する会社。カイコに雑菌が入り込み、大量死。犯人は社内なのか。

    勧善懲悪のストーリー。単純だが結構面白かった。

  • 世界の新薬の6割を生みだす、創薬ベンチャ―の知られざる世界!
    カイコを利用する新技術でバイオ医薬品の生産を目指すトトバイオサイエンスの研究開発部長の進藤颯太郎は、工場で起きた事件をきっかけに同社の科学顧問で上州大学医学部教授でもある加賀義武の本性を知る。
    事件後、加賀と袂を分かったトトバイオと進藤は、新たな科学顧問探しと新薬開発を進めるが、加賀の妨害工作でトトバイオの株価は下落する。
    さらに帝央製薬と手を組んだ加賀の狙いは――。
    (アマゾンより引用)


  • 新薬の開発を題材にした小説。

    これまでに類のない新たな着眼点で
    がん細胞に効果を発揮する医薬品開発に
    情熱を注ぐバイオベンチャー企業と、
    それを全力で支える研究者や支援者の姿が
    詳細に描かれた物語。

    思わぬ事件が発生する中、諦めず立ち向かう
    人々の誠実な姿が素敵でした。









  • なんか無駄に長い

  • 新薬というと大手製薬メーカー...というイメージが強いが、世界の新薬の約6割は創薬ベンチャーからの誕生。
      
    創薬ベンチャー業界の内情や製薬メーカー、アカデミアの関係性、そして投資機関であるベンチャーキャピタルなどを絡め、物凄く分かりやすく書かれていてサクサク読めた。
     
    又、PMDA(医薬品医療機器総合機構)や、製薬モダリティ(医薬品の物理的分類)などについても物凄くわかりやすかった。

    蚕でつくる創薬の未来。
    新薬誕生までにはまだまだ莫大な時間と資金がかかり、数々の困難があるかもしれないが、難病患者さんの為、なんとか踏ん張って欲しいな...と願いながら読んだ。

  • バイオベンチャーの新薬開発をめぐるトラブル。
    もくじで連続殺虫事件という章題を見たときは正直笑ってしまったんだけど、内容を読んでいったら全然笑えなかったな…
    直江がまるで普通に主人公の相棒みたいな関係性だから、副社長ってことを思い出すたび「べ、ベンチャーの距離感~!」となった。

    この話の絶対的な悪役である加賀、なんかこう…クズだな~カスだな~最悪だな~という感想はいくらでも出てくるんだけど恐怖を感じる存在ではなかったというか、なんか小物感すらあったので周囲の怯えようがあんまり理解できなくて残念。いやそういうあからさまなヤバさを感じさせず人を支配しているサイコパスなんですよって言われたらそっかぁ~としか言えないんだけど。
    友部の加賀への怯えよう、最初は上田の研究を盗用したとか加賀に指示されて直接手を下してそれをネタに脅されてるとかを疑ってたんだけどなんというか悲しい事件だったな…
    ずっと上田のお母さんに言えなくて、でも言えなかった年数で世間の流れがだいぶ変わったおかげもあり真実を受け入れられた、もしも当時言われていたら受け入れられなかったかもというのは皮肉というか不幸中の幸いというか。

    上河内と進藤、最初はもっと愛憎がドロドロしてるのかと思ったらなんか最終的にトムとジェリーみたいな感じになってたので笑った。片桐とかもう面白がってんじゃん、進藤とのことを。
    加賀のおそろしさといい、上河内の進藤に対する感情といい、大学の研究室という閉じた世界特有の感じが強くて(留学推薦に負けたら院進諦める上河内とか、研究室の後継者問題とか)そういうものに縁がなかったせいもあってちょっと想像しにくかったな。

    進藤とリンはまあなんか…このふたりならなんかうまいことやるっしょ!感があるので幸せになって欲しい。
    リンが指輪だと思ってたものがUSBだったのはあまりにも進藤らしすぎて笑った。

  • 97新薬というか創薬というか、たった一人の難病を治す薬が作れないことはわかる。生命がコストと比較されることへのもどかしさも分かる。ただ過去に大きな誤りをした役所の怠慢で迅速な対応が出来ないのはなぜ?本書を読んで考える。

  • 図書館本

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著者プロフィール

1976年、埼玉県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修了。国立がん研究センター、放射線医学総合研究所で研究に従事。現在、医療系出版社に勤務。第15回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2017年に『がん消滅の罠 完全寛解の謎』でデビュー。他の著書に『時限感染』(以上、宝島社)、『テウトの創薬』(KADOKAWA)がある。

「2022年 『がん消滅の罠 暗殺腫瘍の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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