- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041123317
作品紹介・あらすじ
有川浩から有川ひろへ。その理由には意外な「ご縁」があった。子供の頃から愛してやまない「コロボックル物語」新作執筆の裏側、いつも心を寄せる書店や被災地、愛する本への想いなど。エッセイ等41本に加え、本を巡る恋を描いた短編小説「彼女の本棚」、『県庁おもてなし課』のサイドストーリー「サマーフェスタ」を収録。書き下ろしの「文庫版のためのあとがき」も掲載。人気作家の魅力がたっぷり詰まった、エッセイ集第2弾。
感想・レビュー・書評
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このシリーズ大好きなんです。
自分の知らなかった世界を知る事が出来て読書しながら調べてみたり。
作者さんの本や世の中に対する思いになるほどなと素直に感心出来ます。また最後には短編小説もあり、毎日楽しみながら少しずつ読み終えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
就職面接の「趣味」の欄に「本屋に行くこと」と書いた。
「読書が趣味です」と言い切れるほど、読書量にも質にも自信がなかった。
でも、子供のころから本屋は大好きだった。
あの頃のことから、今現在の自分を形作っている様々なことを思い出させてくれた著者のエッセー集第二弾。
「有川浩」から「有川ひろ」に改名した経緯のコラムから始まる。
全編に、本への、本に携わる人々への強くてまっすぐな愛が貫かれている。
巻末に収録された二つの「特別収録小説」。
「彼女の本棚」は、前巻「倒れるときは前のめり」に収録の「彼の本棚」の対になるストーリー。
「サマーフェスタ」は、「県庁おもてなし課」のサイドストーリー。
本が読みたくなる。
本屋に行きたくなる。
本を買いたくなる。
そして、本について大事な人と語り合いたくなる本である。
<本書から>
〇児玉清さんの遺産--偉大な師からの口伝、「思想」を託された。
〇図書館と本の売り上げについて。
〇「生」の字--宝塚で好きな光景。
〇「物語」の先達たちとの幸福な出会い。 -
シアターの続編がなかなか出ない理由がわかりかなりガックリしました。この悲しみを癒してくれる新作が出ることを待ち望んでおります。
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このエッセイでは、SNSでのメッセージについての苦言がありましたが共感できました。 「好き」ど書くのは良いが「嫌い」というのは相手を傷つけるのでやめよう。その通りだと思います。
嫌いと書かれた人が読んだらどういう気持ちになるか考えないないのでしょうか。自分の日記に書くのとは違います。有川さんがおっしゃる通り、ネットは公共の場です。 -
いろんな本や漫画の紹介がすごく面白くて、いくつか図書館で予約してしまった
作者への手紙という学校課題に対する筆者の考えはすごく共感できたし、相手に貴重な時間を割いてもらうということを意識しなければならないということは日常生活でも絶対に忘れてはいけないと感じた
震災のツリーの件は全然知らなくて、これから読んでみようと思った -
数年前に、倒れるときは前のめりを読み、感想を残していた。それを読んで反省しきりである。今回のふたたびには、同一化願望について書かれていた。
自分と嗜好が100%一致する人は、この世に存在しません。
ハッキリと書かれていて、目が覚めた気分だ。著名人に対してもそうだが、私はどうも、周りにいる人に迷惑な願望を抱いて(伝えはしない)周りの人が自分の理想どおりに振る舞ってくれないとストレスを感じてしまう癖がある。馬鹿げた癖だ。もうやめよう。 -
本という存在意義を作家という立場からここまで真正面に描いてきた作家が他に居るだろうか.それ故に?,普通以上に批判も浴びるのかも,と想像していたが,どうも文庫版あとがきを読む限り,当たらずとも遠からずだったようで,お疲れ様でした有り難う御座います,という純粋な気持ちが一読者として込み上げてくる.はい,誰知らず無事消えられることを祈念致します.
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914
学生選書 -
前作の「前のめり」は割とおもしろく読んだのだけど、今回は、わりとイラっとさせられる文章が多かった。小説以外はほぼ流し読みした。
「クリエイターに対してネガティブなコメントをしないで。見るなって言われても、私たち見ちゃうの。でも、わたくしがやってるみたいに、引き際をわきまえて、しつこくしない批判はOKよっ」って、なんだソリャ、とあきれた。
自分が気に入らない意見はNG、忖度ヨロシク、って、戦前の日本の検閲制度と基本方針同じですな。
インターネットにあふれる情報に対して非常に稚拙でナイーブなリアクションをする人だなと思った。
自分のファンの行動は、自分の言葉の力で変えることができる、と信じて疑っていない様子。
でも、最後のあとがきで「今であったら、神戸のツリーにかかわらなかった」というようなことを書いておられて、改めて初出年を見て、ああそうか、と腑に落ちた。
「Post-Truth」という言葉がオックスフォード大学出版局のその年の流行語の大賞に選ばれたのは2016年だった、と、ついこの間読んだマイケル・ルイス「かくて行動経済学は生まれり」の解説に書かれていて、あれ、そうか、トランプが勝った年か、なるほどね、とちょうど当時の世相を思い出していたところだったのだが、確かに、Post-Truthという言葉の意味するところが明確に意識される前は、世間も(そして私も)Post-Truth的なものに対して、もう少しナイーブだったな、とは思う。
とはいえ、この作者の言うように、「昔は意見表明について人々に自制と自律が残っていた」とはぜーんぜん思わないけど。(昔から匿名の下では人とはそういうものだったかと)
いずれにせよ、今は有名人には非常にハードな時代なのは確かなので、そこは心から同情します。
最後の小説は良かったです。
なかなか切なくてリアルで良かった。
ただ、派遣切りのニュースが意味する問題の本質について、著者が理解していないようだったのは残念だった。
あれはワーキングプアを生む搾取のシステムになってしまっていることが問題なのであって、地方経済の冷え込みとか地域格差が本質じゃないのだが。
でも、まあ、物語としては良かった。
あと、もう一つ、那州雪絵さんについて!
久しぶりに思い出して読みたくなった。「月光」、好きだったのだが、内容を完全に忘れている自分にビックリ。
出版社とのトラブルか何かで筆を折ったのかと勝手に思っていたのだけど、今も作品を描かれていると分かって嬉しい。
思い出させてもらえて感謝感謝です。
著者プロフィール
有川ひろの作品





