濱地健三郎の幽たる事件簿 (2) (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年1月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041123379

作品紹介・あらすじ

年齢不詳の探偵・濱地健三郎には、鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。新宿にある彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の強面刑事も秘かに足を運ぶほどだ。助手の志摩ユリエは、得技を活かして、探偵が視たモノの特徴を絵に描きとめていく―。郊外で猫と2人暮らしをしていた姉の失踪の謎と、弟が見た奇妙な光景が意外な形でつながる(「姉は何処」)。資産家が溺死した事件の犯人は、若き妻か、懐具合が悪い弟か?人間の哀しい性が炙り出される(「浴槽の花婿」)など、驚きと謀みに満ちた7篇を収録。ミステリの名手が、満を持して生み出した名探偵。待望のシリーズ、第2弾!

みんなの感想まとめ

探偵の濱地健三郎が幽霊を視る能力を持ち、ミステリーと怪談の境界を行き来する独自の魅力を持つ短編集です。各話は短いながらも内容は濃厚で、読者を引き込む力があります。特に、探偵と助手のユリエのコンビは、物...

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。

    物理的な一話一話は、短めなのにとにかく内容が濃い。と、言っても詰め込み過ぎの読みづらさがなく、とにかく惹き込まれること間違いなし。
    短時間で切りよく楽しみたいなら、超絶オススメの一冊。

  • 怪談でもミステリーでもなく
    「両者の境界線において新鮮な面白さを探すこと」
    を目論んで書かれたこの作品。

    心霊探偵濱地健三郎曰く
    「こんな探偵がいることも
    みだりに話さないでいただけると
    ありがたい。
    宣伝していただくても
    わたしの存在は
    わたしを必要とする人に伝わるのです」

    今日も彼を必要とする人が
    なぜか耳にした
    この探偵事務所に連絡するのでした。

    「幽霊だのお化けだのの相手ばかりして
    何が面白くて生きているのだろう、
    ときみの目には映っていたとしても
    わたしは生きることを楽しんでいるよ」

  • ホームに佇む
     なるほど。こういうタイプか。やっぱり有栖川有栖さんは人情話(で合ってるかな?)が上手だ。たかだか30頁なのにふっと心が軽くなる。読んでいて気持ちが良い。生霊と言えば、僕が最初に生霊って言葉を知ったのは多分あの話だ。缶カラ集めのおっちゃんが目撃した恐竜の公園に出る女の子のやつ。タイトルは忘れたけど。あのときのぞっとした感じは今でも覚えている。死者の怨念ではなく生者の執念が原因というところがただの幽霊より怖いからかな。超常的な現象を生者が引き起こせるんだから。

    姉は何処
     心霊探偵の醍醐味みたいな作品。霊は見えても万能じゃない。だから推理をする。八雲もそうだけどそこがしっかりしてるから「霊が見える」なんていうあり得ない設定でも面白く読めるんだろう。死者の怨念をトレースするのはとても危険。僕はそれを八雲で学んだ。

    饒舌な依頼人
     ネタはすぐにわかるけど、そもそもの噺が面白い。落語は一回見に行ってみたいなぁ。歌舞伎とかも。

    浴槽の花婿
     史実が元になった殺し方があるらしい。後で調べてみよう。花嫁が犯人なのはわかったが、花婿の思惑まではわからなかった。花婿は何故許していながら弟の元に現れたのか。花嫁のところにいたのは花嫁に会いたかったからか?最愛の人と愛を育めたかもしれない場所にずっといたかったから?何にせよ、花婿がそこにいることは花嫁が銭湯に行っているシーンで気づきたかったな。

    お家がだんだん遠くなる
     いつにもまして緊迫感のある話。幽体離脱するのではなく幽体離脱させる悪霊を追い払え。目的地を絞り混む方法は幽体離脱中の目撃証言だからオカルトなんだけど、犯人の目星の付け方がさすが濱地健三郎。非現実的な話の中にもきっちりミステリーとして伏線を張ってくるところがさすがだと思う。

    ミステリー研究会の怪異
     ミステリー青春小説って感じ。高校生が出てくると俄然読む気が湧いてくる。……年かな。いたずらお化けが突如として怪異に変貌。伏線とかはないけど読んでいて楽しい。「ミステリー」の言葉の広さは僕も知っている。今回は広義のミステリーってことになるんだろう。霊と上手くやっていく。それもまた1つの解決策。R14を彷彿とさせるような怪異だった。

    それは叫ぶ
     霊と上手くやっていく「ミステリー研究会の怪異」の後にこれかぁ。友好的な霊がいたとしても霊はやっぱり超常的なもの。理屈に合わない現象をも引き起こす。時にはそれは理不尽な悲劇をもたらすことも。理由もない。経過もない。あるのはただ結果のみ。ハートフル~とか考えつつあった僕に最後に冷や水を浴びせてゾッとさせて終わらせてくれた。

     やらかした。これは2作目だったか。江神二郎、火村英生、空閑純に続く第4の有栖川有栖の名探偵。濱地健三郎。彼も彼とて得体の知れない存在だが、その探偵としての能力は本物。認めよう。彼もまた僕の好きな名探偵の仲間入りだ。

  • 年齢不詳の濱地健三郎と助手のユリエが魅力的で話が盛り上がるのかも。謎めいた人物というのは惹きつけられる。

  •  第一作目は「本格ミステリに推理にホラーの味付けがしてある」という印象が強めでしたが、今回はホラーの味がかなり濃くなっていたように感じました。ホラーが大の苦手である自分には、読むべきか読まざるべきかぎりぎりのラインになってきた……(涙)

     特に怖かったのは「浴槽の花婿」のラストの描写。真相だけでも、思い込みって怖いなぁ、と驚かされるのですが、最後の約二ページがもう……そして犯人のメンタルが強靱すぎてさらに怖い……。
     今巻では一番本格ミステリっぽい推理展開の「姉は何処」も、最後しっかりホラーだし……。
     そして最後の「それは叫ぶ」は、シリーズの今後に大きく影響する重要な話なのだと思いますが、もうミステリはどっかいっちゃってますね。「通り魔」との対決という捉え方であれば、探偵物の一部と考えられなくもないのか……?
     
     このシリーズのメインキャラクターは濱地・ユリエ・進藤・赤波江の四人で固定になってきましたが、全員が常識的で、落ち着いた雰囲気がありますね。とは言え拝み屋が登場したりもしていますし、心霊探偵ものである以上、今後個性的なキャラクターが増えたりもするのかなぁ。

  • ハードカバーで買ったような気がしたけれど内容を覚えていないし実家のどこにしまったかも覚えていないので文庫版を購入しました。どれも面白い話でした。個人的には「ホームに佇む」が好きです。

  • なかなか良かった。
    3011冊
    今年239冊目

  • 濱地健三郎シリーズ第2弾の短編集。
    前作よりも怪談度が増してるがミステリー好きも楽しめる。怪談度がより濃い「それは叫ぶ」と学園モノのような「ミステリー研究会の幽霊」が特に面白かった。ミス研はキャラが良くスピンオフがあってもいいと思う。幽霊に臆すること無い「浴槽の花婿」のラストも印象的。
    ユリエの能力向上は活躍の場が増えるのか危険なフラグか、次作も楽しみ。

  • 内容(ブックデータベースより)

    江神二郎、火村英生に続く、異才の名探偵の事件簿、待望の第2弾!

    年齢不詳の探偵・濱地健三郎には、鋭い推理力だけでなく、幽霊を視る能力がある。新宿にある彼の事務所には、奇妙な現象に悩む依頼人のみならず、警視庁捜査一課の強面刑事も秘かに足を運ぶほどだ。助手の志摩ユリエは、得技を活かして、探偵が視たモノの特徴を絵に描きとめていく―。郊外で猫と2人暮らしをしていた姉の失踪の謎と、弟が見た奇妙な光景が意外な形でつながる(「姉は何処」)。資産家が溺死した事件の犯人は、若き妻か、懐具合が悪い弟か?人間の哀しい性が炙り出される(「浴槽の花婿」)など、驚きと謀みに満ちた7篇を収録。ミステリの名手が、満を持して生み出した名探偵。待望のシリーズ、第2弾!

    令和6年2月26日~29日

  • 『霊なる事件簿』から2年、待望の続編文庫化。本作を読む限り、濱地健三郎には強力な除霊能力もあり、素直に成仏してくれない霊でも“強制排除”出来るようだが詳細は不明のまま。第3弾『呪える事件簿』でその辺は明らかになるのだろうか? 楽しみにつぎの文庫化を待つ。

  • ホラーミステリーは心霊現象を論理的に解き明かしてしまうものが多い。それも面白いけど、このシリーズは怪異は怪異のまま推理に組み込まれるのが新鮮で楽しい。『姉は何処』はこれぞまさに心霊探偵。アリス&火村シリーズみたいに、長編も読んでみたい。

  • なんか人間て怖いねではなく、とても怖いし気味が悪い。だけど、登場人物の生が感じられ、不快どころかより温かな気持ちが味わえる。探偵もののミステリとしても、さすが有栖川有栖先生と思いました。
    短編集なのでいろいろな幽に出会えます。


    柄にもないことを言うが、恋に破れた男の気持ちは、わたしだって知っている。

  • ソフトホラーです。私的にはもう少し怖いと嬉しいのですが、濱地さんと志摩さんのキャラクターが好きで読んでおります。
    最後のお話だけ結構緊迫感があって、特にオススメです。

  • 怖いの苦手だけどこれくらいならギリ読める。
    ちゃんと解決するからかな。

  • ちょっと怖い話も微笑ましい話もあって、「不思議」を楽しみました。「ミステリー研究会の幽霊」のミス研メンバーにまた会いたいな。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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