子狐たちの災園 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.48
  • (2)
  • (8)
  • (15)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 162
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041123393

作品紹介・あらすじ

6歳の奈津江には、不思議な能力があった。誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。優しい両親とともに穏やかな日々を送る奈津江だったが、突然、立て続けに両親を失うという不幸が彼女を襲う。さらに、両親は自分の実の親ではないと知らされたのだ。呆然とする奈津江は、実姉を名乗る深咲に連れられ、父が経営する子どもたちの施設“祭園”に引き取られることになる。そこに暮らすのはわけありの少年少女たちだった。周囲を取り囲む黒い鬱蒼とした森、施設内をさまよう狐面の女、廃屋と化した“廻り家”と呼ばれる奇怪な祈祷所。やがて、奈津江の秘密が明かされるとき、惨劇が幕を開ける――。怪異と謎に溢れた極上のホラー・ミステリ。『災園』を改題。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • すごく面白かった!三津田信三先生の建物ホラーはさすが!

  • んんーこんななるのか?

  • 三津田信三らしいホラーミステリ。怪異を解き明かしつつ、決して否定せずにもやもやしたものを残すところが好き。後味が悪いのが逆に良かった。

  • 奇妙な建物×不気味な怪異。ノンストップ・ホラー・ミステリ!両親を立て続けに失い、6歳の奈津江は”祭園”に引き取られる。そこに暮らすのはわけありの少年少女たちだった。鬱蒼とした黒い森、謎の狐面の女、廃屋と化した奇怪な祈祷所――。やがて惨劇が幕を開ける。(e-hon)より

  • 光文社文庫のも読んだのだけれど、加筆修正と図面付きということで購入。
    時間が経っていて犯人が誰だったか忘れていたため新しい気持ちで再読できた。
    子供の施設という閉鎖された世界での話はとても好物。
    6歳でこんなにしっかりした子供が…?と思ったけど、ちゃんと理由もあるんだね。
    最後の終わり方がまたホラーだった。

  • 面白かった。一気読み。最後は驚いた。

  • 終章を読んでゾクッとしました。 
    面白かったです。

  • 2022.8.19読了。


    私はフィクションをよりリアルに楽しむ装置として「法律的な事や世間のルールを都合良く曲げたり疎かにしたりしない」のが重要だと思っているのだが、本書では舞台となる「祭園」という施設の在り方が曖昧で、現実にはちょっと有り得ない(訳アリな子供達と何組も養子縁組をしたり、そこから行方不明になったり逃げ出した子供も居るのに行政の手が伸びていない等)のが引っかかってしまった。

    また、主人公の奈津江の年齢が6歳であるのは良いとしてもあまりにも大人過ぎる。
    物分かりも良ければ頭の回転も速すぎるし、咄嗟の判断が出来すぎて、実際に子育てをしている自分としては「こんな小学1年生は居ない…」としか思えなかった。
    真っ暗な廻り家に午前0時に1人で行くのも無理だと思う。私の知る6歳児なら泣き叫んで絶対に行かない。

    15,6歳くらいならこの思考能力や判断力でも「頭の良い子」で済むのだから、それくらいの年齢設定にしても良かったのでは。

    結局分かりやすいホラー部分に関しては殆どが人為的であることが詳になってしまったし(奈津江の何かを感じ取ったり失せ物を言い当てたりする部分くらいが本物で、深夜に部屋に入って来たり廻り家で追いかけて来たりした異形は偽物だし)むしろ園長と深咲の闇の方がホラーといっても良い。

    居なくなる子供達や奈津江の出生に関する謎や、最後の三紀弥の告白の部分は面白かった。


    ホラーとしてはそこまでの怖さは感じなかったが、ミステリとしてはそれなりに楽しめた、というのが本書の感想のまとめということで。

  • 近所のお稲荷様も近寄りがたい雰囲気があるから、お狐様という存在とその力を有する狐使いがいても不思議ではない気がしてしまう。
    相次いで父母を亡くした6歳の奈津江が引き取られたのは訳ありの子どもたちを養子にしている施設「祭園」。彼女を祭園に導いた深咲、部屋に現れる“灰色の女”、廻り家の廊下を回るもの…謎めいた不可思議な存在が不気味なムードを盛り上げる。
    子どもたちが次々姿を消す展開、最後ガラリと変わる人物の印象に戦慄。
    三津田作品の子どもたちの肝の据わり方は年齢を超越。うちの6歳の息子にあの肝試しは無理だなw

  • 面白い!

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三津田信三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×