- KADOKAWA (2023年8月31日発売)
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感想 : 9件
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041123652
作品紹介・あらすじ
「東京を出よう」
世界的な群発火災、異常乾燥と未知のウイルスにより、経済は完全に停止し、無秩序な世界が到来した日本。
略奪が常態化した都会に身の危険を感じた同性カップルの久佐葉イツキと葉子は、息子の貴一とともにショットガンを携え東北の「恵田町」を目指す。
死と裏切りが隣り合わせの旅路の果てに、イツキと葉子が見たものとは……?
感想・レビュー・書評
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★濁流に身を任せ★「民宿雪国」(内容はほとんど覚えていないが)を読んだときのような混乱とキッチュさと勢いを改めて感じた。だから何なのかは別として、構成力が優れているだけにほかでは感じられない洗濯機の中にいるような心地良さがある。エログロには好みが分かれるだろうし、特に必要なさそうな登場人物が散見するのも少し気になった。
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とうとう温暖化なにするものぞというトランプが就任し、この本が現実になる日も近いのではないか。
冒頭はこうだ。"四季は消滅した。"温暖化かが急速に進行し、食料生産が困難となった日本はディストピアとなり無法の世界が到来。イツキと葉子の同姓カップルは子供の貴一と共に東京を脱出する。
その後の成り行きは正に無法なのだが、日本って本当に書かれているように成りかねない雰囲気がある。
"日本人のおおかたが従順な羊だ。どれだけ不満があろうと現状を甘受する才能を有している。"実際フランスでは年金の支給年齢を少し上げようとしただけで大規模な暴動が発生するし、アメリカではトランプ支持者が議事堂を襲撃する。日本では芸人も政治的な発言をする者を嘲笑する始末。
"西洋ではコメディアンは体制や権威を小馬鹿にする恐るべき存在なのだが日本では違った。"奴隷は自らの首輪の出来栄えを自慢したがる。"
最後、ユートピアを得るためにイツキ達が取った方法は、なんとも皮肉なものの力を借りて掴んだのだった。 -
樋口毅宏さん全開の物語だった。万人に勧めづらい。けど、読んじゃうんだよね。
ここまでエログロ暴力と政治社会批判が突き抜けてると、逆にすがすがしい。
最後の葉子のクーデター理由は好き。 -
全く合わなかった。
世界的災害で古いカップ麺を奪い合う世界なのに、ネットや電気がわりかし安定的に供給されていたり、食糧自給率がゼロ%だなんてあったり(世界的大災害なら輸入できず自給"率"は上がるはず)。食い物よりネットが大事な社会だからみたいないいわけあったきがするけれど、飲み込めない。
書きたいストーリーに合わせて整合性のとれない世界観をもってくる小説は苦手だしその辺気になって全く楽しめない。 -
2023年11月30日読了
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しっかりと昔からの作風を残しつつも時代の変化と共に作者の興味や考えも加えられた今作に最大級のありがとうを伝えたい
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単なる悪趣味なんだと思うな。
例のアレの出版自粛も、関係者全員ちょっとアレでしょ。
面白ければいいんだけど、面白くなければ無駄。 -
異常乾燥と未知のウィルスによって荒廃した世界から理想の地を求めて女2人のカップルと子供は旅立つ。広がる格差社会とテロ、3.11以降の日本、そんな苛立ちの現在の日本の状況をカリカチュアした内容、そして現政府(前安倍政権)をシニカルに揶揄したシーンは爽快でもある。結末はやや突飛過ぎている印象。
著者プロフィール
樋口毅宏の作品
