- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041124109
作品紹介・あらすじ
「俺たちにも才能、あるんじゃね?」
「自分よりすごいやつがそばにいても、差を見せつけられても、それでも絶対めげない才能」
吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任されてしまった中学1年生の早紀(さき)。
内気な彼女が、天才ピアニストの幼なじみ、合唱練習に来ないバスケ部のエースなど、個性的なクラスメイトたちとの関わりを通じて自分を解き放っていく。
しかし本番直前、思わぬアクシデントが起こり ……
仲間とともに何かをつくりあげる達成感、悩みもがきながらも「自分らしさ」を模索する中学生たちの内面、みずみずしい人間ドラマをまっすぐに描いた、珠玉の成長物語。
★感激の声、続々!
チームワーク、友情、恋愛を生き生きと描いた、
これは、あなたの物語。
きっと期待に胸が膨らみます。
ーー岡本沙紀(東大王)
迷いや焦りさえも輝き出す。彼らの歌がまっすぐに胸に響いた
ーー宮下奈都(『羊と鋼の森』『よろこびの歌』)
自分らしさを見つけることの難しさと尊さを見つめた青春小説!
ーー朝比奈あすか(『君たちは今が世界』『翼の翼』)
思春期には悩みが色々あるけれど、この物語が大丈夫って教えてくれる
ーーひこ・田中(『お引越し』『ごめん』)
感想・レビュー・書評
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合唱コンクールに向ける中学生それぞれの内面がきめ細かく描かれていて共感しました!
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青春だなぁ、いいなぁ。何事にも夢中になれない、思ったことが言えない、コンプレックスがある、頑張っても超えられないものがある…どれもわかるんだよなぁ。それぞれが合唱コンを通してつながっていく感じがよかった。恋愛面は一方通行な感じがもどかしかったー…。これも青春か?
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内気な早紀。中学1年生。吹奏楽部に入ったが、
担当楽器を決める時、人気がある木管がやりたいとはうまく言えず、一番やりたくない楽器を押し付けられた。
幼なじみの音心(そうる)はピアノの天才。同じく吹奏楽部。
合唱コンが近づいたある日、早紀は吹奏楽部というだけで、合唱コンクールの指揮者を任された。
物語は、涼万(りょうま)、キンタ、岳、早紀、それぞれの視点で進む。それぞれのクラスメイトの関係性にも注目。
本番直前のアクシデント。
合唱コンの結末は…。
恋と音楽と友情と部活、心の成長。
すごく良い作品でした。あっという間に読了。
たくさんの人におすすめしたい本です。 -
_/_/ ガーナのおすすめ本商会 _/_/ 026
(毎月一回の予定です)
ガーナのおすすめ本商会(26)
今回紹介する本は、「ソノリティ はじまりのうた」というものです。
この本は、恐れ多いことに、ゲラを読んで感想を聞かせてほしいと頼まれたもので、レビューを書くのもいつもより緊張しています。
著者は佐藤いつ子さんというかたで、調べてみると他にもヤングアダルトの系統のものをたくさん書いていらっしゃってて、私も図書館で読んだことあるかもしれない……という本が結構ありました!
話のあらすじは、吹奏楽部なだけで合唱コンの指揮者に選ばれてしまった中学一年生の早紀が、最初は内気な性格なものの、指揮や歌声を通じてクラスメイト達と関わり成長していく……そんな青春真っ只中の話です。
読み進めていくと早紀以外の登場人物のことについても詳しく分かり、いろんな気持ちになれます。
大人が読むとおそらく懐かしい気分になるだろう、そうして子どもが読むと共感できるような、憧れるような気分に……。
クラスのなかで空気みたいな存在に思われていた早紀が指揮者になったことをきっかけに、みんなに認められて自分も変わっていったところは「この世の中に『ただの』で片付けられる人なんて居ない」そう思わせてくれました。
今度中学生になる私が読むと時期の関係もあるのだと思いますが、毎日少しずつ人は変わっていって、その毎日が青春なんだな、なんて確認させてくれるような現実と重ね合わせて、卒業に少ししんみりしたり……。
主人公の早紀もそうだけれど誰でも認められたい!という気持ちがあって、恋したり、友情を築いたり……。
最終的に合唱コンの練習が終わってしまえば前に戻っちゃうのかな、とか思っていたら、早紀が呼び捨てで呼ばれたり、気づいた時にはクラス全員が団結して勝っても負けても良かったと思えるようになっているところに感動しました。
指揮や歌声をきっかけに青春を築いた早紀。
自分に自信がない子でもこういう本に出会ったことをきっかけにできるような、そんな、人に大切にされる本だと思います。
青春とはサイダーみたいなもの。
最初は、爽やかだけど後味は甘ったるかったり、少し置いておくと炭酸が抜けていたり、そんな大事な青春のすべてが詰まっていました。
いろんな人の手に渡っていってほしいです。
2022/04/21 -
瑞々しい中学生の恋、競争、調和、協力、嫉妬、自律を合唱コンクールに合わせて描いた物語。大人にも子どもにも心地よい物語かな。
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さわやかな青春が描かれていてうらやましくなってしまった。
皆が片思いしながらも合唱コンクールに向けて、
心を一つにしていくってすごくいいなと思った。
主人公をはじめ、同級生たちの内情や気持ちの描写も読んでいて心地よい。 -
前作「キャプテンマークと銭湯と」で一皮むけた佐藤いつ子の3年ぶりとなる待望の新作は、期待を裏切らない、いや、期待以上の作品に仕上がりました〜
合唱コンクールが間近に迫った中、思春期を迎えた中学生たちの揺れ動く心情が、みずみずしいタッチで描かれています。今回も、一人ひとりの個性に生命が吹き込まれ、物語の中で、それぞれのキャラクターが所狭しと躍動し、いつの間にか中学生の世界へ引き込まれます。
物語では、ベートーヴェンの運命をはじめ、バスケットボールの響き、早紀の透き通る歌声など、さまざまな音楽や歌声が溢れ、まさにソノリティ、鳴り響く音に包まれます。
クライマックスに向かって、読むのがもったいないと思わせる作品となりました。
読後感は、相変わらずさわやかで、心の中で物語がいつまでも鳴り響いています。 -
高校生の爽やかな歌声が聞こえるいい作品です!
著者プロフィール
佐藤いつ子の作品





