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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041124468
作品紹介・あらすじ
ホラー&ミステリ風味の作品を集めたオリジナル・アンソロジー!
登山客が突然消えるというモンブランの“悪魔の地点(ポワン・ド・サタン)”で観光客が恐ろしいものを目撃する「爪のない男」。日々の仕事に忙殺される雑誌記者が、死刑囚の手記の意外な内容に心ざわめかせる「尺八の音」。ガラパゴス諸島で採取した化石が不気味な騒動を巻き起こす「枯れた枝」など小説のほか、人一倍怖がりな著者の幽霊屋敷探険や、サド侯爵をめぐるエッセイを収録。ミステリとホラー風味ある作品を集めたオリジナルアンソロジー!
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
ホラーとミステリーが融合したこの短編集は、直球の恐怖よりも、じわじわと心に残る不気味さを堪能できる作品です。著者の独特な視点から描かれる物語は、幽霊や怪物が登場するわけではなく、日常の中に潜む異様な出...
感想・レビュー・書評
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遠藤周作の「こわい話」を集めた短編集。怖いと言ってもどストレートに幽霊が出てくるものはほとんどなく、好井まさおさん言うところの「ナニソレ」話が多いのだけど、サブタイトルにもなっている「恐怖の窓」をはじめ、めちゃくちゃ怖いと言うわけでもないけど記憶の隅に残ってしまうようなじっとりした話が多くて良かった。
あと、「戦中派」という人たちがいたことが衝撃だった。簡単に言えば「戦時中の方がよかった」という人たちだと思うんだけど、まあ確かにそういう人もいたかもな…と思わされた。「平和(仮)」の世の中では自分を保てなくなってた人、結構いるのでは。
私が子供の頃は、祖父をはじめ戦争に行った人たちが5-60代だったので、そのへんに昔人を殺した人や戦争で人が死ぬのを見ていた人がたくさんいたのだと思うと、すごい時代だったなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
割と世俗にまみれたお話で、遠藤周作さんのイメージからすると意外。幽霊というより、変な人の話だった。
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2022/8/11 読了
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怪奇小説短篇集。怪奇小説と、怪奇にまつわるエッセイを収録。
しかしありがちな怪奇小説ばかりでなく、「え、これって怪奇小説?」と思ってしまいそうなものも収録されています。が、あえて「怪奇小説」という視点で見たときに、一番怖いのはそういう作品なのかもしれない……と思ってしまったのは、「何でもない話」。さらっと読んでしまえば本当に何でもない話なんだけれど、つくづく考えるとこれほど怖いことはないのかもしれません。もちろんこの時代だからこそあった時代背景というものもありはしますが。この怖さに気づかないまま暮らせることは、幸せなのかも。
オーソドックスに怖いのは「爪のない男」。タイトルだけでも不気味なうえに、ぞくっとさせられる結末でした。 -
講談社文庫版のネーミングを踏襲するなら「第三怪奇小説集」となるのか。ストレートな実体験怪談である「恐怖の窓」なども混じってはいるが、ジャンル小説としての、ホラーや怪談に属する作品はほとんどない。文学よりと言えばいいか、あらすじなどを造ってみると分かるが、筋を追っても、お話のコアが少しも見えないようなものばかりである。だからといって、恐くないかと言えば、得体の知れないオチが付く「枯れた枝」などかなり恐い。一方、鬱屈や閉塞感が、まるで中年男性に固有の呪いであるかのような書きぶりには時代を感じる。個人的ベストは吉行淳之介を思わせる「何でもない話」。関係ないが、本作も含めて、最近よく見かける文豪ミステリー集成、吉行淳之介集がどこかから出ないかな。
著者プロフィール
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