油絵は謎をささやく

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 171
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041124567

作品紹介・あらすじ

大学で日本文化史の教授を務める小宮山香織の元に、教え子の星野はるかから相談事が持ち込まれた。実家の旅館が所有していた明治期を代表する洋画家・高橋由一の油彩画を美術館へ売りに出したところ、贋作の疑いをかけられたというのだ。旅館の経営維持のためには売却が必要で、香織にその絵が真筆であることを鑑定してもらえないかという。関山の隧道を描いたその油絵《隧道図》は、はるかの祖父が地元の名士から譲り受けたものだった。《隧道図》を調べ始めた香織はやがて、明治期の山形での道路事業に絡む、女性失踪事件が鍵を握っていることにたどり着き――。

感想・レビュー・書評

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  • 謎だらけの一冊。

    明治時代の隧道を描いた一枚の油絵は贋作なのか、大学教授らが迫るミステリ。

    真贋どちらかの謎、描かれた時に前後して起きた女性失踪事件、隧道建設を取り巻く騒動は関係するのか謎だらけの油絵に隠され秘められた意図が次第に浮き彫りになっていく過程は明治と現代を行き来し終始惹きつけられた。

    裏向きの意味、遺された言葉の意味といい細かな点も謎の輪を大きく広げ真相へ導いてくれた気がする。

    さまざまな心情をも閉じ込める絵画の奥は想像するほど興味深い。

    巧みな一計にはなるほど。
    そして手紙が動かす人の心、そこにほろり。

  • 現在と過去、様々な人の絡み合い、さらに起こる事件、全てが糸の絡まりが解けるように、真っ直ぐになっていく最後の章は圧巻。

    隧道が作られる前の光景も、鮮やかに甦るように想像でき、登場人物の心情も細やかに描かれ、良い本を読めて良かった…

  • 若き大学教員に依頼された、高橋由一の油絵の真贋鑑定。その調査は明治12年の、未解決の令嬢失踪事件へと遡る。当事者が残した日記などを基にその事件を調査するが、その最中、敵対する名誉教授が殺害される。明治と現在が交互に展開されてページが進む毎にジワジワと面白さは加速する。史実を絡めていたり、当時の関係者の子孫を巻き込む構図が面白い。ラスト50ページの事件の解明と真贋を見極める公聴会のシーンに興奮しながら読み終えた。

  • サクサク進んだ。

  • 教え子から相談を持ち掛けられたのは、油絵の真贋。文化史の准教授、小宮山香織が、調査していく中で明治12年に起きた豪農家の次女失踪事件と、明治期の道路拡張事業が絡み合っていく。油絵の持つ謎が、新たな事件を呼び込んでいく。少し切ない。

  • 読み途中でしばらく積んでしまっていたのだけれど、過去編から一気に読了。絵画の真贋の話から、思わぬ事件や史料との関わりが意外だけれど、丁寧に積み上げられていてとても面白かった。

    高橋由一、寡聞にして存じ上げなかったのですが、実在の画家の方だったのですね(「鮭」は見たことあった!)

  • 見事

  • 話がちょっと複雑で、最後まで読まないと謎は全く分からない。

  • ちょっと専門的だけど、そんなに読み難いことなくて悪くない。全体のストーリー構成もいいし、終わり方も好き。この手の美術品物は早逝された北森鴻さんを思い出す

  • 現代の油絵の真贋問題が明治に起きた女性失踪事件にリンクしていく感じがいいですね、面白かったです。その謎のアプローチみたいなものがとても好みだったんですが、真相は「こうなんです!」と提示されても・・・いまいちピンとこないというか。有無を言わせない物的証拠!みたいなものじゃなくて想像が結構補完してないか?と思ったりも。

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。2000年「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。01年「奈落闇恋乃道行」で第54回日本推理作家協会賞(短編部門)候補となる。08年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞受賞。14年「墓石の呼ぶ声」で第67回日本推理作家協会賞(短編部門)候補に。17年『真犯人』で第19回大藪春彦賞候補になり、18年にWOWOWで連続ドラマ化。他の著書に『人さらい』『左遷捜査 法の壁』『左遷捜査2 迷宮入り事件』『冤罪犯』など多数。

「2022年 『時効犯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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