棘の街 (角川文庫)

  • KADOKAWA (2023年9月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (544ページ) / ISBN・EAN: 9784041125274

作品紹介・あらすじ

地方都市・北嶺で起きた誘拐事件。県警捜査一課の敏腕刑事・上條元は、事件の捜査中、身代金受け渡しの場でとある重大なミスを起こしてしまう。結果、被害者は殺害され犯人は逃亡、事件は未解決となった。
事件発生から1年後、被害者の白骨遺体の発見を機に、北嶺署に異動して再び事件を追い始めた上條は、ある一人の少年と出会う。彼との出会いをきっかけに、事件は思わぬ方向に動き始める――。心揺さぶる傑作警察小説。

みんなの感想まとめ

誘拐事件を巡る物語は、主人公である敏腕刑事が過去の失敗を背負いながら再び故郷の北嶺市に戻り、未解決の事件を追う姿を描いています。彼が出会う少年との関わりが、事件の真相を明らかにする鍵となり、物語は思わ...

感想・レビュー・書評

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  • 人質死亡、犯人逃亡という失態をまねいた身代金誘拐事件。未解決事件に対するリベンジのため、上條元は故郷北嶺市に戻ってくる。事件関係者が上條のプライベートとも関わりがあったり、上條自身不幸を背負い一匹狼的要素が強かったりと、わかりやすい物語だ。記憶喪失の少年についても、その背景がすけて見えるような設定である。そんな直球ど真ん中の展開には好感が持てた。

    亡き父や顔も知らない息子に対する思いが、主人公の中で交錯する。一方で犯人側の獰猛猟奇的な思考には身の毛がよだつ。このキャラクター設定については、巻末の解説でマライ・メントライン氏による両者を対比させた論述が印象に残る。誰にとっても「これが最善」と思えるような結末に、主人公の滂沱が見えるようだった。

    単行本の初版は2009年とのこと。表現に多少の懐かしさも感じた。どんでん返しや読者を翻弄させる展開に慣れた昨今、本作のように一貫した展開はかえって新鮮だった。

  • 少しも古さを感じさせず、2009年に他社で文庫化されていた作品とは知らず、購読。
    1年前の誘拐事件で、犯人が逃走し、ヘタを打ったとの思いに拘泥される刑事が、被害者の白骨死体発見されたことにより、再び現地に戻り、事件を追い始める。
    その刑事上條元が主人公であるが、もうひとつの主人公といえるのは、『棘の街』と題名にもなっている地方都市北嶺。
    この街が持つ閉塞感に、上條も犯人も捉えられ、それが事件の遠因とも。さらに、父と子の関係が全編を支配する。

  • 未解決の誘拐事件は思わぬ方向へ。心揺さぶる傑作警察小説。

    地方都市・北嶺で起きた誘拐事件。県警捜査一課の敏腕刑事・上條元は、事件の捜査中、身代金受け渡しの場でとある重大なミスを起こしてしまう。結果、被害者は殺害され犯人は逃亡、事件は未解決となった。
    事件発生から1年後、被害者の白骨遺体の発見を機に、北嶺署に異動して再び事件を追い始めた上條は、ある一人の少年と出会う。彼との出会いをきっかけに、事件は思わぬ方向に動き始める――。心揺さぶる傑作警察小説。

  • 未解決の誘拐事件は思わぬ方向へ。心揺さぶる傑作警察小説。

    地方都市・北嶺で起きた誘拐事件。県警捜査一課の敏腕刑事・上條元は、事件の捜査中、身代金受け渡しの場でとある重大なミスを起こしてしまう。結果、被害者は殺害され犯人は逃亡、事件は未解決となった。
    事件発生から1年後、被害者の白骨遺体の発見を機に、北嶺署に異動して再び事件を追い始めた上條は、ある一人の少年と出会う。彼との出会いをきっかけに、事件は思わぬ方向に動き始める――。心揺さぶる傑作警察小説。

    ところどころ、あれこの子、引き取られた息子かな?と思うところもあり面白かった。かなりなハードボイルドな作品であった。田舎ならではのしがらみを描いているのか、主人公の性格ゆえかはよく分からなかったが、登場人物がみんな刺々しい態度出会ったのが印象的な作品だった。

  • 主人公の刑事 上條が独りよがりで少しイラついた

    親父、息子のことを人のせいにして自分も逃げてたくせに〜
    友達にも警察仲間にも強くあたりすぎ!って思った

  • ハードボイルド刑事小説。

    誘拐事件でミスをした刑事。
    挽回したくて一人で捜査しまくり
    警察仲間からは煙たがられ。

    出産で妻を亡くした過去。
    息子は義親に養子に出す。

    ひとりぼっちで執念で仕事。

    父親とは分かり合えないまま
    父他界。
    実家兼カフェ?は父の友人が継ぐ。
    近所で若者の喧嘩。記憶喪失の少年。

    誘拐殺人事件の犯人は?
    若者の、喧嘩?
    薬物?
    ヤクザの同級生?
    別れた息子は?

    という話。

  • 紐解き始めると、頁を繰る手が停められなくなる。少し夢中になる雰囲気が在る。
    色々と“シリーズ”の作品を送り出している作者の作品だが、本作はシリーズではない作品だ。或る刑事が主人公となる物語である。
    北関東のとある県、架空の街である北嶺市を舞台に展開する物語である。“棘”とは、本作の主筋になる未解決事案のことである、主人公にとっての様々な個人的事情や想いを「引っ掛かり、刺さる場合の在る何か」というようなことで、象徴的に表現した語句なのだと思った。
    県警捜査一課で辣腕刑事として少し知られている上條は、或る事件の捜査へ参加することを強く希望していた。北嶺市で発生していた誘拐事件である。
    北嶺市で高校2年生だった少年が帰宅していない様子であったのだが、「誘拐した」という強迫、そして「身代金要求」が在った。身代金の受渡の段階で“問題”が生じ、「取引は止める」という連絡が入る。少年は行方不明であったが、事件発生から十ヶ月程度を経て発見された遺体が、この誘拐された少年であると特定されたのだった。
    上條刑事は、身代金受渡の際の“問題”に関わる羽目に陥り、捜査から外されてしまっていた。その後、事件の捜査が停滞してしまっていることに忸怩たるものを感じながら過ごしていた。そこで捜査への参加を強く希望しているのだが、希望が容れられない様子が続く。
    この事件の解決に邁進する事を諦められない上條刑事は、手を尽くして「北嶺署に異動」ということにして、結局は「発生から1年」ということになってしまっていた誘拐事件の捜査に携わることとなるのだ。
    上條刑事は北嶺市に深い所縁、そして複雑な想いを有していた。上條刑事は北嶺市出身であった。高校卒業後に街を離れ、警察官になっていた。それから20年程を経ている。現在は独身で、只管に仕事に打ち込んでいる。
    本作はこの上條刑事の人生、周辺の人達との関係、意外な展開を見せる「誘拐事件」の真相が明かされる過程が描かれる。「そう来たか?」というような事件の展開と、概ね40年になるであろう職業生活の折り返し辺りで、来し方の様々な事柄を想い起し、その置き土産のような事柄にも出くわすという様子だ。
    本作は2009年に文庫本が初めて登場していて、内容の中では2004年頃というような感じだ。上條刑事の「その後?」というようなことも、読後に少し気になった…
    「手段を択ばず!」という感じで、グングンと事件に切り込む上條刑事の様子が痛快でもあるが、複雑な想いが過りながらの活動が少し切なくもある。なかなかに味わい深い物語だと思う。御薦め!

  • 鬱屈した暗い街。
    とがりすぎてる主人公。
    帯にあるように「心揺さぶる」とはならず
    重い読後感。

    解説が超難解…

  • 人物のキャラクターは面白いが
    説明がくどいことがある!
    また結末がイマイチでした

  • なかなかスリリングでしたが、まあまあ…^_^

  • 凄かった。
    結末は悲しいというか、やるせない感というか…って感じだけど、結局は現実ってこんなものってかんじだと思う。
    最後は凄くヒヤヒヤしたー

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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