おいしい旅 想い出編 (角川文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 518
感想 : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041125977

作品紹介・あらすじ

昔住んでいた街、友人と出かけた思い出の土地、子どもの頃の懐かしい旅の記憶……。大切な思い出と記憶を巡る旅を描いた7作品を収録。魅力あふれる旅先と、その土地ならではの美味しいものがたっぷり詰まった、実力派作家7名による書き下ろしアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 想い出編は、昔の想い出のある土地、食べ物を巡る旅です。


    「あの日の味は」柴田よしき
    20代の時、京都の花園会館という集合住宅で一緒だった美奈、ムーちゃん、テラが三十年ぶりに京都で再会し、懐かしいラーメン店やウクライナ・ロシア料理店など巡ります。ムーちゃんは離婚。テラは病気を抱えており、美奈は独身の作家です。ムーちゃんが本当に皆に会いたがった理由は…。
    京都には美味しいお店がたくさんありますね。


    「幸福のレシピ」福田和代
    パテェシエだった夫を病気で亡くした琴子が、神戸で人と会う約束をして、立ち寄った神社で出会った青年一樹とケーキ屋巡りをすることになります。
    そして、またしても偶然が重なり…。


    「下戸の街・赤羽」矢崎存美
    彼氏と別れて実家に帰った美琴がカフェを開く夢を持っている同級生の梨亜と赤羽のカフェ巡りをします。次から次へと出てくるスイーツが全部美味しそう。フィナンシェ、シフォンケーキ、クッキー、パウンドケーキ、マフィン、ショートケーキ、ティラミス、チーズケーキ、軽食&ブランチカフェ、アボガドトースト、パウンドケーキ(バナナ・キャラメル)純水のかき氷etc。これだけ全部本当に食べられたら嬉しいと思います。
    そして最後に梨亜がカフェを開こうとする経緯がわかります。


    「旅の始まりは天ぷらそば」光原百合
    ラジオのパーソナリティの永瀬真尋が局長と語り合う旅の途中の糸崎駅で買って食べた想い出の天ぷらそばの味。天そばの味と香りが漂ってくるようで、凄く美味しそうでした。


    「ゲストハウス」新津きよみ
    小田切誠は「あなたの娘より」という手紙により、2歳の時に離婚した妻との間にできた娘の沙織に会うために、信州のスイス人夫妻が経営するゲストハウスに行きます。果たして娘は四人の宿泊客のうちの誰か?スイスの国民的鍋料理、チーズフォンデュが美味しそうでした。


    「からくり時計のある町で」秋川滝美
    矢野七緒が親友だった六花と一年前にケンカ別れして、七年前に六花と一緒に訪ねたドイツを訪ねます。
    そんな時一人で七緒がヴァイスヴルストを食べていると、母から六花から結婚式の招待状がきていたと連絡が入りますが…。そして…。


    「横浜アラモード」大崎梢
    広告代理店をコロナ禍で辞めた明穂が母の友人の姑の83歳になる清子を頼まれて、地元高知から生まれ故郷の横浜に連れて行く旅。清子は実は観光に興味がなく中華街には行ったものの実家の墓参りに行き、ホテルニューグランドで結婚相手とその家族と昔、食べた想い出のナポリタンを食べます。心温まるお話。


    今回の想い出編は、想い出というストーリがあり、食べるだけではなくストーリーにも味がありよかったです。
    私が一番食べてみたかったのは、スイーツもいいけど糸崎駅の天そばです。京都にはもう一度行ってみたいです。

    • ほん3さん
      そうですね。外で食べる天ぷらはなんであんなに美味しいんでしょうね。

      わたしは大葉の天ぷらが一番好きです。
      まことさんは何がお好きですか?
      そうですね。外で食べる天ぷらはなんであんなに美味しいんでしょうね。

      わたしは大葉の天ぷらが一番好きです。
      まことさんは何がお好きですか?
      2022/08/03
    • まことさん
      ほん3さん♪
      大葉の天ぷら、美味しいですよね。私も好きです。
      どれも、美味しいけど、茄子とか海老とか、蓮根なんか、かなあ?
      ほん3さん♪
      大葉の天ぷら、美味しいですよね。私も好きです。
      どれも、美味しいけど、茄子とか海老とか、蓮根なんか、かなあ?
      2022/08/03
    • ほん3さん
      ああ〜、茄子いいですね。海老も蓮根もいいなあ。
      明日は天ぷら作ることにします。
      お邪魔しました〜ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
      ああ〜、茄子いいですね。海老も蓮根もいいなあ。
      明日は天ぷら作ることにします。
      お邪魔しました〜ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
      2022/08/03
  • 女性作家7人の旅をテーマにしたアンソロジー。
    行先は京都、神戸、赤羽、広島、長野、ドイツ(ミュンヘン)、横浜。

    初めて編に続いてこちらも読んでみました。
    それぞれ友達や家族とのふれ合いが描かれていて、優しい雰囲気でとても良かったです。
    住んでいた所や行ったことのある所と、食べ物の記憶は深く結び付いているものなのかも。
    美味しそうな料理がたくさん出てきました。

    個人的に長野は好きで白馬へスキー旅行したばかりだったので、「ゲストハウス」に知っている地名が次々出てきて、おぉ!っとなりました(笑)
    この作品はミステリーっぽくて印象的でした。

  • 7名の作家による、旅と思い出に関する7篇の短編小説。私が読んだことがある作家さんは、秋川滝美さん、大崎梢さん、柴田よしきさんの3名だった。温泉町の食事や処、地域コミュニティーの移動図書館や、高原のカフェなど、読んでいてほっこりする話を書く作家さんたちの書く記憶をたどる旅の話は、どの人にも歴史ありということを実感し、どれもじーんときた。舞台はドイツや京都や横浜など様々で、そういう意味でも章ごとに色々な場所を旅した気になり楽しめる。初読みの作家さんである矢崎存美さんの「下戸 の街・赤羽」が特に良かった。赤羽はほとんど訪れたことがないが、この話で書いてある通りの街ならばかなり魅力的。街中に点在する隠れ家的なカフェでおいしいスイーツを食べ歩く散歩を赤羽で是非やってみたいと思った。

  • 【収録作品】「あの日の味は」 柴田よしき/「幸福のレシピ」 福田和代/「下戸の街・赤羽」 矢崎存美/「旅の始まりの天ぷらそば」 光原百合/「ゲストハウス」 新津きよみ/「からくり時計のある町で」 秋川滝美/「横浜アラモード」 大崎梢

    旅とおいしいものは切っても切れない間柄。というわけで、旅もしたいし、おいしいものも食べたくなるアンソロジー。

  • 心がきゅっとなってホロッときそうなお話。
    神戸の話や、最後の横浜の話なんかは特に。

    ゲストハウスの話も好きかも。
    なんとなく娘さんはわかったけど、そっちかって感じで。

    どれも結構好きでした。

  • 前作ほどではありませんがこれも最後まで読むことができました。最後の話とミュンヘンの空港から街歩きまでの部分が特に良かったです。

  • 幸福のレシピ、横浜アラモードが特に良かった!
    大崎さんの文章がとても好きです
    おいしいものと想い出が合わさった、素敵なお話が多くてあっという間に読んでしまいました!

  • いろんなタイプの話があって、
    飽きずに最後まで一気読み。

    特に横浜アラモードが良かったなあ。
    ラストの展開でグッときた。
    なるほどの伏線回収。

  • 多忙にて読み切れずp86まで

  •  温かな記憶を巡る「想い出」アンソロジー。

     お気に入りは福田さんの「幸福のレシピ」と新津さんの「ゲストハウス」。

    「幸福の〜」は、パティシエだった亡き夫の想い出のクリームブリュレの味が忘れられない琴子。旅行先として昔住んでいた神戸で思いを馳せていると、ひょんな事から知り合った一樹と一緒ににスイーツ巡りをする事になり…

     夫が定年退職後に自分の店を持つ事を計画し、後輩と一緒に新作のケーキを公案していた事を知る琴子。そして、後輩が店を持つ事となりそのレシピが日の目を見ることができて良かったです。想い出のクリームブリュレがもう一度食べられた事がほんわかした気持ちになれました。

    「ゲストハウス」は、バツイチの誠は信州の山奥にオープンしたゲストハウス。そこはかつて誠が15歳まで暮らしていた家だった。そのゲストハウスに、別れた妻に引き取られた娘が会いたいと連絡が来て、赴く事になり…

     誠の別れた妻が何か好きになれませんでした。あまりに自分勝手で…しかも、もう一人プロポーズされて迷ってた人と再婚ってのも引っかかりました。
     誠は器用貧乏で何でもソツなくこなしてしまうのも裏目に出てしまったんでしょうが。

     ゲストハウスの客人の中に目星を付けていた人が意外な繋がりの人で驚きました。こちらも嬉しい誤算な気がしました。

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著者プロフィール

秋川滝美(あきかわ・たきみ)
2012年4月よりオンラインにて作品公開開始。同年10月、『いい加減な夜食』(アルファポリス)で出版デビュー。著書に『居酒屋ぼったくり』『きよのお江戸料理日記』(ともにアルファポリス)、『放課後の厨房(チューボー)男子』『田沼スポーツ包丁部!』(ともに幻冬舎)、『向日葵のある台所』『おうちごはん修業中!』『ひとり旅日和』(以上、KADOKAWA)、『ソロキャン!』(朝日新聞出版)、『幸腹(こうふく)な百貨店』『マチのお気楽料理教室』(ともに講談社)などがある。


「2023年 『湯けむり食事処 ヒソップ亭2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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