おいしい旅 初めて編 (角川文庫)

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本棚登録 : 1043
感想 : 62
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041125984

作品紹介・あらすじ

はじめて行く土地、見知らぬ料理や文化、その土地の人々……。きままなひとり旅も、大切な誰かとの旅行も、その先に意外な出会いが待っている。様々な「はじめて」の旅を描いた7作品を収録。魅力あふれる旅先と、その土地ならではの美味しいものがたっぷり詰まった、実力派作家7名による書き下ろしアンソロジー。2冊同時刊行!

感想・レビュー・書評

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  • 私はコロナ禍になってからというもの、旅行はもちろん(元々出不精なんですが)、外食すら一度もしていないという、いくらコロナ禍とはいえ、こんな人いないくらい、引っ込み思案な生活を送っているので、せめて本の中でとこのアンソロジーを読みました。


    「下田にいるか」坂木司
    コロナ禍の旅行業界。
    水族館のイルカのショー。
    ホテルの朝食ビュッフェが美味しそうでした。


    「情熱のパイナップルケーキ」松尾由美
    台湾駐在の一人の男性社員を巡る、元恋人、派遣社員のわたし、男性社員の思惑。
    パイナップルケーキって食べたことがないけど美味しいのかなあと思いました。
    北京ダックは弟が横浜に住んでいるので何度か食べに連れて行ってもらいましたが、美味しいですよね。
    別れる女性との会食に北京ダックを選ぶ男性のしたたかさを感じました。


    「遠くの縁側」近藤史恵
    パスポートを鞄ごと盗まれたOLが一人で過ごしたアムステルダムでの2日間。フライドポテトにマヨネーズをかけて食べるのと、コロッケパンが美味しそうでした。


    「糸島の塩」松村比呂美
    旅行代理店ドリップドリームの社長と不倫をしている川上幸がカモろうとした瀬戸優子(まさこ)は実は元添乗員で幸をわざわざ福岡県の糸島への二人旅に誘い、騙そうとした幸に重大なことを教えてくれます。
    そこで二人が食べた絶品塩むすび。


    「もう一度花の下で」篠田真由美
    3歳の娘、絵美子を亡くし夫とも決別した祖母の苦悩を巡る大学生の美南の旅。
    箱根のコーヒー店巡り、マトリョーシカの謎。
    ワラエというお手伝いさんは果たして待っているのか。


    「地の果ては隣」永嶋恵美
    彼氏にふられてサハリンに一人旅する大学四年生の萌衣。他のツアー参加者は高齢者ばかり、戦争体験を思い、自分が平和ボケなのではないかと思います。
    そこで出会った、シベリア風水餃子のペリメニを始めとする美味しい料理の数々。


    「あなたと鯛茶漬けを」図子慧
    劇団員の、ののさんとモンちゃんが宇和島に旅して食べた鯛茶漬け。私は鯛茶漬けというものを食べたことがないので、食べてみたいと思いました。

    • まことさん
      猫丸さん。
      投稿が途中で切れました。

      を頂くのにはまっています。
      再来月、誕生日だし、とか、考え中です。
      でも、画集も欲しいんですよ。

      ...
      猫丸さん。
      投稿が途中で切れました。

      を頂くのにはまっています。
      再来月、誕生日だし、とか、考え中です。
      でも、画集も欲しいんですよ。

      リンクありがとうございます。
      明日の朝、パソコンで、見てみます♪
      2022/07/29
    • まことさん
      猫丸さん♪
      リンクありがとうございます!
      10個入り3400円ならお手ごろかもと思いました♡
      送料とかかかるんなら、15個入り5100...
      猫丸さん♪
      リンクありがとうございます!
      10個入り3400円ならお手ごろかもと思いました♡
      送料とかかかるんなら、15個入り5100円の方がいいかなとか…。
      9月誕生日だし、いいかも、しばし悩んでみます。
      ありがとうございます!
      美味しそうですよね(*^^*)
      2022/07/30
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      まことさん
      ニャ〜
      まことさん
      ニャ〜
      2022/07/30
  • 7人の作家による初めての旅を描いた短編集。
    行先は下田、台湾(台北)、オランダ(アムステルダム)、糸島、函館、ロシア(サハリン)、松山。

    旅先で出会うおいしいもの!ということだけで興味を惹かれて読んでみました。
    それぞれに旅に出る理由があって、今の時世も描かれていて、なかなか深いヒューマンドラマが揃っていたと思います。
    色々な作家と出会えるアンソロジー、たまにはいいものです。

  • 7人の作家さん達による、旅とおいしいものを題材にしたアンソロジー。

    坂木司さん、松尾由美さん、近藤史恵さん、松村比呂美さん、篠田真由美さん、永嶋恵美さん、図子慧さん

    坂木さん、近藤さん、松村さんのお話が好きだった♡
    読んでると情景が目に浮かぶ様で、なんだか心地よかった。そしてその土地にまつわるおいしそうなものに興味津々♪
    サメバーガー、糸島の塩、樺太の白身魚、、etc、、
    アムステルダムにはコロッケなど揚げ物の自販機があるらしい!しかも熱々!
    旅をすると色んな"初めて"に出会って、非日常を味わえる。ほんと最高のリフレッシュだな〜♬
    コロナ禍で旅行ほとんど行けてなかったから、そろそろ私もどこか行きたくなった!
    海外で1人はちょっとキツいけど、坂木さんのお話のような行き当たりばったりな旅がしてみたいな〜♡

    初めての作家さんも何人か読めた✩︎⡱
    アンソロジーは楽しい〜〜

    • 1Q84O1さん
      坂木作品は「大きな音が聞こえるか」「夜の光」
      近藤作品は「スーツケースの半分は」などが好きですね♪

      自分が知らない作家さんを読むのも気分転...
      坂木作品は「大きな音が聞こえるか」「夜の光」
      近藤作品は「スーツケースの半分は」などが好きですね♪

      自分が知らない作家さんを読むのも気分転換になっていいですね〜(^^)
      2023/03/23
    • mihiroさん
      うわぁ〜、坂木さん好きとかいいながら「夜の光」読んでないんですよ〜笑
      1Qさんが好きと言うなら読まねばですね〜(๑•̀ㅂ•́)و✧
      近藤さん...
      うわぁ〜、坂木さん好きとかいいながら「夜の光」読んでないんですよ〜笑
      1Qさんが好きと言うなら読まねばですね〜(๑•̀ㅂ•́)و✧
      近藤さんは、読めてないのいっぱいです。
      その作品も未読なのでチェックしますね〜*\(^o^)/*
      2023/03/23
    • 1Q84O1さん
      おすすめしちゃいました!w
      お時間あったら読んでみてくださ〜い(〃ω〃)
      おすすめしちゃいました!w
      お時間あったら読んでみてくださ〜い(〃ω〃)
      2023/03/23
  • 【収録作品】「下田にいるか」 坂木司/「情熱のパイナップルケーキ」 松尾由美/「遠くの縁側」 近藤史恵/「糸島の塩」 松村比呂美/「もう一度花の下で」 篠田真由美/「地の果ては、隣」 永嶋恵美/「あなたと鯛茶漬けを」 図子慧

    「下田にいるか」で、もう旅情をかき立てられる。旅に行きたくなるアンソロジー。

  • 食べる事は生きていくうえでかかせないもの。
    旅はそれぞれ。
    必ず年に数回は旅をする人。そうでない人。
    私はそうでない方。行きたくても行けない。
    本っていろんな場所に連れて行ってくれるから好き。

    私も下田と糸島に行きたいな~

  • 下田、台湾、オランダ、糸島、函館、サハリン、松山…国内外を、絶品グルメと共に旅をする、7人の女性作家によるアンソロジー。
    こういうご時世だから、読みながら旅行気分を味わうことができる。キンメコロッケ、パイナップルケーキ、塩むすびなどなど…どの作品もタイトル通りフード描写が最高で、次々に現れる地元名物に舌鼓…を打っている気分になれる!
    仕事への鬱屈、家族のわだかまり、失恋…主人公を旅に駆り立てる理由はそれぞれだが、どのストーリーもほろ苦い展開から見えてくるほのかな明るさに救われる。謎解きもあり、ドキドキしながら読み進めた。アンソロジーだからそれぞれの作家の個性は勿論感じるんだけど、すごくまとまりがあって、どの作品も甲乙つけがたいくらい好きだなぁ…!
    その中でも秀逸だったのは、トリの図子慧さん。実は彼女の作品が今回手に取るきっかけのひとつで、コバルト時代に彼女の作品を愛読していたため、今回のウン十年ぶりの再会に感無量。ずしっとくるけど「食」によって人は再生できるんだなということを改めて思い知らされる。
    アクシデントも旅先での交流も旅の醍醐味。非日常を、是非とも本書で味わってもらいたい。旅を擬似体験することで、目の前の靄が晴れていくような気になれる。

  • 思い出編の感想で、小説内でコロナ取り上げられるの苦手って書いたけど前言撤回。

    下田にいるか、すごい良かった。絶妙な閉塞感と解放感。光を掴めた感じがして励まされる。


    情熱のパイナップルケーキ、糸島の塩、が好きだったかな。遠くの縁側も面白かった。(近藤史恵が好きだから、期待しすぎてしまった)
    初めて編の方が好きなの多かったかも。

  • すきな作家さんの旅の話は、そこに行ってみたくなる

    思い立ったときに気軽に出かけられないこともつらさを感じるけど、あったものがなくなっているのには悲しみを覚えるし、それが壊されてしまったものだったらなおさら非難してしまうだろう
    “在る”こと自体が奇跡なんだと思えてしまえば、希望を持てるだろうか、絶望するだろうか。それらもすべて自分の在り様に他ならないのかもしれない
    人生は旅に例えられるけど、心を揺さぶられること、気持ちのゆらぎこそが、人生の、旅の、読書の醍醐味かもしれない

  • 既存の作品を集めたのではなく、
    この本のために書いたんだな。
    それぞれの作品の主題というわけではないけれど、
    現在のリアルな世界が描かれている。

    数年後、読み返した時には
    どんな気持ちになるのかな。

  • 女性ひとりの語りみたいな話が多く、生活に何か辛いことあっても旅や美味しいもので元気になったり、変わるきっかけになったり…という話が多かったので、怖いのやファンタジーじゃない、しっとり系で手軽に手に取りたい人にオススメ。私は坂木司と近藤史恵に惹かれて読みました。
    男女関係に踏み込んだ内容もあるので、中学生からかな。際どい表現はないです。
    「下田にいるか」坂木司
    仕事行き詰まり感じてふらりと伊豆熱川に行き楽しむ僕。楽しむ僕。あー、このコースで伊豆行きたい!って思いました。
    「情熱のパイナップルケーキ」松尾由美
    台湾オフィスの下村さんのお土産はいつも李製餅家のパイナップルケーキ。そのお土産を不思議な取り方する、木元君。私は旅行券の当たりで台湾に行くこととを決めたのだが…。
    パイナップルケーキ、私も大好き。最近中華街行かなくてもお手頃のが近所のスーパーにあるので常備してます。作れるのか。
    「遠くの縁側」近藤史恵
    アムステルダムでの見本市の仕事の打ち上げでとんでもない失敗をして、一人残った私。そこの空気感と、凄く尊敬して憧れていたのに突然辞めて田舎に行った先輩の縁側のある家を重ね見る。
    「糸島の塩」松村比呂美
    大きな旅行代理店辞めて不倫相手の上司と立ち上げた会社はコロナで行き詰まり、ついに怪しい仕事に手を出し契約しようとした相手は幸(みゆき)の作った糸島観光パンフレット見て、一緒に行こうと無理に誘ってきた。
    「もう一度花の下で」篠田真由美
    昔を知っている人からの謎めいた手紙で函館に来た私。手紙の出し主には会えるのか?
    「地の果ては、隣」永嶋恵美
    サハリンへ卒業旅行に一人旅に出たものの、メンバーは年配者多く、場違いな片桐萌衣。戸惑いながらも出されるご飯の美味しさや、旅とともに解っていく周りのひとの気持ちに抱えていた拗れも解けていく。最後タイトルへつながる。
    「あなたと鯛茶漬けを」図子慧
    家族から介護と虐待と言葉による制約を受けて育ち心が固まっている女性がののさんと知り合い、美味しいもの食べて少しずつほぐれていく…けど、お互いの時間や場所はズレていって。少し切ない。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。1993年に『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞。『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』など著書多数。「ビストロ・パ・マル」シリーズは、「シェフは名探偵」として2021年5月に連続ドラマ化された。

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