ホーンテッド・キャンパス オシラサマの里 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA
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本棚登録 : 266
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041126004

作品紹介・あらすじ

黒沼家の分家筋にあたる白葉家はオシラサマのいる神社だ。33年に一度の特殊な儀式を見守るために、オカ研部長とその従弟である黒沼コンビが山深い白良馬村へ向かう。白葉家の本家は、娘が失踪し、長男は警察沙汰になっていた。一方、オカ研には、ある学生が相談に来ていた。それは、父親が脳卒中になり、その後サイコメトラーになってしまったという。刑事は、書置きを残して失踪してしまったという。向かった先は、白良馬村。オカ研メンバーも村へ向かうことに。元刑事が追う未解決少女連続失踪事件と、オシラサマ伝説が複雑に交差する時――事件が動いた。子を思う親の気持ち、性情、伝説が隠した真の闇――すべてのパズルがラストで見事に解明する、デビュー10周年の櫛木理宇が描く、本格ホラーミステリー。森司とこよみの恋の進展にも大注目!!

感想・レビュー・書評

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  •  久しぶりの長編でしたね♪
     最初、人物関係がわからなくて混乱したので星4つにしましたが、内容としてはものすごく面白かったです。

     おしらさまをがっつり書くなんて怖くて私じゃできないよぉ。あとは因習の業の深さが怖かった。

     部長の実家ってどんな家なんだろうか((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

  • 最近はこよみちゃんの方が暴走しているイメージだったんだけれども、今回は森司くん大暴走。
    無意識に無自覚に本音をただ垂れ流すマシーンと化してしまった森司。
    素面ではこよみちゃんへの想いを告白できまいとは思っていたが、まさかこんな展開になろうとは。
    延々彼からの愛の言葉を聞き続けていたこよみちゃんの心中を察するに、そりゃ締め上げたくもなろう。
    こよみちゃんの中で、あのときの森司くんはどういう扱いになっているのだろう。
    純度百パーセントで本音喋ってたけど、本心と思ってくれているのかどうか。
    キャラ違いすぎたから、その点だけが心配。

    という上記のことで頭パーンとなったため、時間軸も場所も錯綜する難解な本編やら、オシラサマやスサノオの解釈やら、最強通り越して最早災いレベルのサイコメトリーやら、恐ろしい祭りのことやら、気になることは多数あったはずなのに、全て持っていかれました。
    で、こよみちゃんの答えは次回に持ち越すのね。
    うん、知ってた。
    もうここまで来たら、どこまでもお供します。
    ゆっくりゆっくりペースな、周りから見ればどう見ても両想いのお二人を、どこまでも見守りますとも。

  • ゴースト・ハントシリーズを思わせる推理が面白かった。

  • オシラサマの里、白良馬村の神事を監督することになった黒沼家の部長と和泉は村を訪れていた。その頃、オカ研部室に新しい依頼者、純太は刑事を定年になった父、益弘の様子がおかしいと相談に来ていた。どうやら益弘が脳梗塞をきっかけにサイコメトリー能力を得て過去の迷宮入り事件の解決のため、家出したというのだ。
    その相談のさなか、鈴木と森司は益弘のサイコメトリー能力の影響を受け、過去の幼女誘拐事件と益弘、そして部長達が出向いているオシラサマの里の儀式とのつながりを理解する。
    こよみをほめたくてもほめられない森司はトランス状態でこよみに介抱されながら延々との本心を垂れ流していた。

  • 【請求記号:913.6 ク 20】

  • 三十三年に一度の儀式に呼ばれた黒沼従兄弟コンビ。一方でサイコメトリーの能力を発現して行方を絶った父を探してほしいという依頼がオカ研に寄せられる。過去の幼女連続殺人事件、行方不明の指名手配犯、そしてオシラサマ伝説。さまざまな要素が絡み合い、怖気を震わせるホラーミステリ。もちろん少ししか進展のないラブコメも健在……。
    今回森司と鈴木が陥った状況には、読んでいても驚かされました。今までにも彼らが何者かと共鳴することはあったにせよ、今回のこれは本当に恐ろしくて心配になりました。しかし森司の想い垂れ流し状態にはもうひたすらに笑わされていたので、程よくバランスは取れていたのだと思います(笑)。
    白葉家の儀式はなんとなくそういうことじゃないかと思えていましたが。やはりそれでも恐ろしい。神の圧倒的な存在感もだけれど、それに比べればはるかにちっぽけなはずの人間の悪行というのもそれに劣らず恐ろしいんですよね。ああ本当に嫌だ。

  • 森司くん、本音垂れ流しの巻。

    毎度なかなかややこしいことに巻き込まれるオカ研だけど、今回は派手に普段以上の能力まで引きずり出されてかなりファンタスティック。
    でも殺人犯への報復としては納得のいく内容で、同じことができればいいのにと思わず考える。

  • 初っ端からほんのりネタバレでいきます。

    1冊で1つの物語・長編でした。
    櫛木理宇さん、書くの早くてどんどん刊行されますが、やっぱり短編3話で1冊は読み重ねると物足りなさが生まれてしまうみたい。
    (もちろん短編もしっかりとした物語なのだけど!)
    長編読んで、「そうそう、この充足感を求めていたのよ」と思う程度に、物足りなさ生まれてました。

    長編読むと物語の作り込み方の緻密さと、それをライトに読める文章にしている、櫛木理宇さんの技術感じますね。

    前半までは、出てくる人物の多さ(特に今回は同じような年頃だったり、同じような境遇だったり、そうにう「似たような」人物が多さ)に、
    よく分からないながらも、状況に取り込まれていく森司たちと同化したように「なんだなんだ?」「りどういうことなんだ?」と読み進めました。

    ここからネタバレ深まりますが、
    サービスエリアに立ち寄った時に、人物の関係性なども明らかになり、明瞭に頭が整理整頓されていく感覚。
    物語の明かし方もすごいよね!
    森司たちも同じような明かされ方で、多分同じように頭が整理整頓され、脳内がクリアになってるんだろうなという、その場で自分もサークルの一員であるような体感です。

    今回の長編は、かつてこよみちゃんの叔母さんのお話があったように、黒沼部長がメインとなる話でした。
    ずっと気になっていた黒沼部長の過去・トラウマ・誘拐について明かされます。

    過去のお話について触れましたが、
    これだけ連続で刊行しているけども、
    こよみちゃんの叔母さんだったり、百々畝家の話だったり、黒沼部長の弟の話だったり、
    結構すっぱり忘れてもーてます(笑)
    (百々畝家の奥座敷を覗く話は、割と最近な気がしてほんのり覚えてたけど)
    毎回、過去全部読み直さなきゃーなと思うくらいに、割と忘れてしまってます(笑)
    黒沼部長のあれこれ、覚えとかなきゃな。


    ところで、ホーンテッド・キャンパスは、
    ちゃんと怪異があって、人ならざるものの存在がいて、人間の力が及ばない出来事があったり、
    やたら厄介で邪悪な人の力が及ばないものの存在も出てきたりしながら、
    なんだかんだ「人が1番怖いよね」
    という話でまとまっています。

    今回の長編もそうでした。
    そしてそういう怖い人が怪異を及ぼしたりもします。因縁、因果。
    悪である人は初めから悪ではなかったけど、何かのきっかけがあって、悪になる。
    そのきっかけをそのまま悪に染めるか、反面にするかはその人の素質かもしれませんね。

  • 繋がった先で見た景色には。
    これだけ干渉し合える状態だったということは、相当強い力を持っていたのではないだろうか。
    ある日突然手に入れた能力に困惑する事もなく、自身が感じた事柄に対して適切な対応をとることが出来る人なんて中々いないのではないだろうか。

  • おもしろかった〜!!!!
    いろんな時間軸で出来事が起きてたり、別の場所に居ながらもそれぞれの追う事柄が繋がっていたり、これまでとはちょっと違う感じでそれもまた良かった!
    心の声がダダ漏れの森司とそれを受けて真っ赤になるこよみちゃんがかわいくて仕方なかった
    そろそろくっつくかな、まだくっつかないでほしいな、の間で揺れてるけどじわじわ近づいてた距離が今回のでグッと近くなったよね〜すごく良いです!

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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