あさとほ

著者 :
  • KADOKAWA
3.11
  • (14)
  • (44)
  • (81)
  • (30)
  • (11)
本棚登録 : 838
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041126097

作品紹介・あらすじ

幼い頃、夏日(なつひ)の目の前で双子の妹・青葉(あおば)は「消失した」。両親を含めた誰もが青葉のことを忘れてしまい、彼女を覚えているのは、夏日と、消失の瞬間を一緒に目撃した幼馴染みの明人(あきと)だけだった。青葉の消失が忘れられないまま大学生となった夏日は、所属する国文学研究室の教授が失踪したという報せを受ける。それには「あさとほ」という、平安時代に書かれた物語が関わっているらしい。教授の行方と未詳の物語「あさとほ」を追う夏日は、十数年ぶりに明人と再会し、共に調査をすることになる。二人が「行方不明の物語」の正体に辿り着くとき、物語は大きくその姿を変える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大橋夏日には双子の妹の青葉がいます。
    一つ年下の桐野明人という少年が現れ、青葉はすぐに明人を好きになり「もし、わたしたちが運命で結ばれているなら、きっと何かが起きるから」と言い、青葉はその後明人の自転車に跳ねられ、顔に一生消えない傷が残ります。
    そして、青葉は森の中の一軒家で夏日と明人を残し突然消えてしまいます。
    明人は「約束するよ。青葉は俺が必ず見つけるから」と言います。

    しかし、夏日は母に「青葉がいなくなった」と告げると、母に「青葉?それ…誰のこと?」と言われ、青葉は最初からいなかったと皆に言われてしまいます。
    覚えているのは夏日と明人だけだったのです。
    その後、明人は県外に引っ越してしまいます。

    夏日は大学生になり文学部で古典文学を学ぶようになります。
    そこでも、夏日の担当教授の藤枝の失踪。友人の亜津沙の自殺。5年前には清原という教員も失踪しています。
    それには『あさとほ』という文献が絡んでいて、調べようとすると何らかの不幸が起こるという謎の文献に夏日は関わっています。

    そして、亜津沙の葬式の帰りに夏日は明人と十年以上たって再会します。
    明人は存在しない青葉のことをちゃんと覚えていました。
    夏日と明人は二人で『あさとほ』という文献と、いなくなった青葉の謎を解こうとしますが…。

    青葉は夏日と明人の二人にとって便利な幻想だったのではと思い始めたり、青葉は時空の裂け目に入ってしまったのではなど、いろいろな可能性を探りますが、二転三転した青葉消失の謎。


    最後は、やはりこれはホラー小説なのだなと思う怖い物語でした。
    雰囲気がずっと幻想的な香りに満ちていました。

  • 『レジェンドアニメ!』も大好きな世界観だったけれど、この世界観も大好物だー!
    夏休み、幼なじみの三人、山の中の空き家、いつの間にか消えた一人‥‥もうワクワクが止まりません!
    そして、大学生になった主人公。“あさとほ“という古典を調べ始めて行方不明になった人たち‥‥もう期待度MAXです!
    こんな気持ちで読み始めた本だったけれど、1ページ目から美しい文章に魅入って、スッと物語にのめり込んでいきました。
    終始、不思議な雰囲気が立ち込めていて、どこまでが事実でどこからが幻想なのか?いや、全てが幻想なのか?靄の中にいるようなお話。
    自分以外の人間を理解するのは不可能だということ、いつだって自分の都合に合わせて他人を理解していること、真実はなくただ解釈だけが存在すること。そう気付いてから自分自身さえ信じられなくなる主人公。
    だけど、人生に深い意味なんかないんだ!理由なんかないんだ!と言ってくれる人が近くにいてくれてよかった。
    世界観にどっぷりはまって夢中になって読みました。

  • ゆらめきの一冊。"消失"を軸に描かれるなんとも不思議な物語。

    消えた人を追って、消えた書物を追って、掴みどころのない不思議な世界がかげろうのようにゆらめいて心を誘う。

    今、自分が居る、見せられている世界はどちら?

    不安定な足元のゆらめきを感じ、霧の向こうにある出口を彷徨い、思わず確かなカタチあるものに触れたくなる感覚になる。

    この世は物語の絡み合い⁇縦糸、横糸がゆらめき、めくるめく結びつきの物語。

    眠る支配者から生まれる物語。

    最後はゆらめかない、ゆるぎない"好き"が美の布に包まれて確実に残る。

    うん、理屈抜きに好き。

    • くるたんさん
      こっとんさん♪こちらこそいつもありがとうございます♪

      共読ですねー✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。

      そうそう、こっとんさんのレビューにもがっつり...
      こっとんさん♪こちらこそいつもありがとうございます♪

      共読ですねー✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。

      そうそう、こっとんさんのレビューにもがっつりうっとり頷いてしまいます♡
      ほんと、美しい言葉で描いた世界でしたよね♬読めば読むほど新しい気づきと響きがありそうな作品だと思います。

      細かく理解できてなくても全てオッケーみたいなw

      あのラストシーンの美しさがお気に入りでした♡なんか、枕元に置いて眠りにつきたくなりました(o´ω`o)
      2022/10/03
    • こっとんさん
      くるたんさん、お返事ありがとうございます♪

      “細かく理解できなくても全てオッケーみたいな“

      うん、うん、分かります!
      なんだかもう、細か...
      くるたんさん、お返事ありがとうございます♪

      “細かく理解できなくても全てオッケーみたいな“

      うん、うん、分かります!
      なんだかもう、細かいことは気にせずずーっとこの世界観にくるまれていたい一冊!そんな感じでした。
      私が言葉にできなかったこと、全てくるたんさんが表現してくれたような気がします。
      くるたんさんのステキなレビュー、また楽しみにしていますね♪
      2022/10/03
    • くるたんさん
      こっとんさん♪

      こちらこそありがとうございます♡

      この世界観にくるまれていたい一冊!まさにこの作品にぴったり(o´ω`o)
      こういう作品...
      こっとんさん♪

      こちらこそありがとうございます♡

      この世界観にくるまれていたい一冊!まさにこの作品にぴったり(o´ω`o)
      こういう作品に出会えると幸せですよね〜♬

      また共読、感想の共有が増えるとうれしいです✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      私もこっとんさんの素敵なレビュー、楽しみに読ませていただきますね♬
      2022/10/03
  • 今ここにいる自分、現か幻か? 己が紡いだ物語を生きているのか? そんな感覚を呼び起こされた。

    双子の夏日と青葉、仲良しの二人の近所にある日一つ下の男の子・明人が越してきた。ある日二人が散歩してると男の子の乘った自転車が青葉にぶつかり青葉は顔に大けがを。でも青葉はこれで男の子は自分に償いをすることになると嬉しがる。夏休み、林の奥に3人で行くと、朽ち果てた家があり、突然青葉が消えた。家に帰るとそんな子はいない、と言われる。なんともミステリアスな出だし。大学に進んだ夏日、卒論指導の先生が突然消えた。そして友達の亜津沙も。パソコンには幻の古典「あさとほ」に関する文章が残されていた・・

    2022.7.1初版

  • 物語が先か現実が先か。
    私たちは起こった現実に適当にラベリングして分かった気になってはいないか。

    ◎●◎●以下ネタばれ?アリマス

    やられた、というのが率直な感想でした。これはホラーの表紙を付けたミステリーだったのです。…たぶん。

    最後まで読んで気づいたのですが、ミステリーの伏線は最初から張られていたのではないでしょうか。
    「結末まで読んでから一行目に戻ってくると、そこで初めて隠された意味に気づく」と。

    つまり、この小説を『あさとほ』として読んだ時点で私は既に作者の術中にはまってしまったのです。

    そうしてこの本の、真のタイトルを考えました。
    この本の本当のタイトルは『「物語」の物語』です!(個人の感想です(((^^;))

  • 図書館の新刊コーナーで手に取った本です。主人公は夏日、妹の青葉が消失した…その場にいた明人も同じ経験をしたが、周囲では青葉の存在そのものが以前からなかったと…2人は成長し夏日が大学生になり、明人との再会を果たす。2人は消失した青葉のこと、夏日の周りで起きる不可解な事件に巻き込まれ「あさとほ」が関わっていることを突き止める…。なんとも不思議で読んでいてこっちまで混乱して…あれ?あれ??どうなってたんだっけ?と思うような一冊でした。見事にハマりました!前作も読んでみたいと思いました。

  • すごい物語を読んでしまった。ホラー伝奇ミステリーの頂点だと思います。古典文学好きにもたまらない。途中読んでいてゾワゾワ感がすごい。謎の布が物語の盲点をついている。ラストはとても考えさせる。もうデビュー作をこえた最高傑作と言っても過言ではない。

  • すごく読みたくて買ったもの。

    ストーリーの枠組みは理解したと思うのだが、その中身の詳細がイマイチ理解しきれなかった。伏線ばかり回収しようと思うのは、このストーリーには違うような気がしたので、あまり詳しく追いかけないことにした。それも物語、ってことでいいのだと思う。理解しきれない面白さみたいなのは感じた。理解できないものに恐怖する。そこもホラーと呼んでいいのかもしれない。

  • 前作の「虚魚」を読んで気になったため、本作を読みました。

    立て続けに人が失踪したり、亡くなったりしたことを不審に思った主人公が、その謎を探るというストーリーにはなるのですが、後半のスリルや展開は面白かったと思います。しかし中盤あたりで設定の複雑さから、ダレちゃったこともあって評価は普通です。

    個人的に1番心に残ったことは、この「あさとほ」と「虚魚」がリンクしているような演出で、唸らずにはいられませんでした。

  • ホラーかな?と思って図書館で借りたけど、読んでみるとイメージしていたホラーとは違う感じだったので途中で読むのをギブアップしました…。

    また今度読みたい!って思った時に改めて読もうかなと思います!

全67件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1992年生まれ。長野県上伊那郡辰野町出身。2021年『虚魚』で第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞<大賞>を受賞し、デビュー。

「2023年 『きみはサイコロを振らない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

新名智の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×